製品・技術サービス
風のエネルギーを利用する風力発電
風のエネルギーで風車翼を回転させ、このときの回転エネルギーを発電機によって電気エネルギーへと変換するのが風力発電です。風のエネルギーは風速の3乗に比例して増大するため、風車は風況の良い場所に設置されます。
私たちは、風車メーカーと提携し、当社の販売網を活用した風力発電機販売と、発電所建設を手掛けています。これまで火力・水力で培った技術をもとに、電機品を中心とした機器開発を進めているとともに、自社による風力発電事業も実施しています。メーカとユーザ両方の立場を強みとして、お客様のニーズに合わせさまざまな場面でソリューションを提供します。
燃料の枯渇の心配がなく、設置・運転が容易な風力発電

風力発電は、世界で導入が増え続けており、次のような特徴があります。
・CO2の排出がない
・風は化石燃料のように枯渇する心配がなく、世界中に存在する安全なエネルギー源である
・設備が簡単で、運転が容易である
・自然環境への影響が小さい
現在世界では風車の大型化技術が進歩し、一基あたりの発電量が増大するとともに、ウインドファームと呼ばれる大規模な風車群も建設されるようになりました。また、沿岸、沖合に風車を建設する洋上風車も導入が進んでいます。
信頼性の高い風車技術
励磁電源が不要で発電効率向上が実現する、密閉型の永久磁石励磁同期発電機(PMSG)
永久磁石励磁のため、外部励磁用スリップリングをなくし、メンテナンスフリー・故障率低減を図りました。また、励磁電源が不要となるため、発電効率が向上します。水冷+内部ファン冷却方式採用により、外部空気を取り込まない構造のため、空間中の微粒子の多い環境や海岸部などでの使用に適しています。

低い風速でも多くの発電量が期待できる、長翼を採用したブレード
長翼を採用することでより多くの風のエネルギーを電気に変換可能としています。2MW機のU93型では、他社製風車に比べて、16%も長い、長さ45m、直径93mのブレードを採用しており、このため風を受ける面積が大きく、低い風速でも多くの発電量が期待できます。

ナセル内部の構造
ギア付きPMSGとフルサイズのコンバータを使用しています。

2MW機
東芝の2MW機には次の特徴があります。
・モデル:U88E
・中速ギア採用(1:72)による高信頼性
・小型永久磁石式同期発電機採用
・水冷システムを備えた完全密閉型発電機を採用
・フルコンバータ方式による高系統親和性

この表は横スクロールできます。
モデル | U88E | U88 | U93 | |
---|---|---|---|---|
ロータ径 | 88m | 93m | ||
ハブ高さ | 75m | 80m | 80m | |
デザインクラス | IEC SA※1 | IEC IIA | IEC IIIA | |
風速 | 極値風速(Ve50) | 70m/s※2 | 59.5m/s | 52.5m/s |
平均 | 8.5m/s | 7.5m/s | ||
カットイン | 3m/s | 3m/s | ||
定格 | 12m/s | 11.5m/s | ||
カットアウト | 25m/s | 25m/s | ||
定格回転数 | 6~15.3rpm | |||
温度条件 | 標準 | -15 ~ +40℃(運転時) | ||
-20 ~ +50℃(待機時) | ||||
寒冷気候 | -30 ~ +40℃(運転時) | |||
-40 ~ +50℃(待機時) |
※1 IEC規格:基準風速50m/s、平均風速8.5m/s、極値風速70m/sと定義 ※2 70m/sを超える風速は応相談
東芝の風力事業
東芝は、お客様のニーズに合わせて、立地・風況調査、事業計画から、設計、製造、建設、試運転、運開後のO&Mまで事業のさまざまな場面で全面的にサポートします。
候補地選定から一貫してサポート-計画-

立地・風況調査などの候補地選定から、法規対応、工事設計まで一貫してサポートします。また、蓄電池等との組み合わせによる発電量安定化のソリューションの提供や、複雑地形ではCFDを利用したマイクロサイティングを実施し、風車設置地点の最適化を図ります。
長翼を採用しながら高耐風性を実現 -設計・製造-

長翼を採用しつつ、幅広い耐風速に対応した風車ラインナップのため、候補地の風況に適した風車を提供します。また発電単価の低減を目指し、陸上・洋上向けに、より大型の風車の開発も行っています。
最適な据付、安心のメンテナンス
建設地ごとに最適な据付方法をご提案します。
東芝が窓口となり、風車メーカー、国内保守協力会社と連携して定期メンテナンス、トラブル対応、各種保証メニューを提供します。部品供給については、国内保守協力会社にストックすることで、迅速な供給を行います。
