ニュースリリース

～国内最大級の発電容量となる、500kWの純水素燃料電池を実装～

　当社はこのたび、田中貴金属工業株式会社（以下、田中貴金属）から、湘南工場向けの純水素燃料電池システム「H2Rex™」を受注しました。本システムは純水素燃料電池の発電容量として国内最大級^注1の500kWを実装します。今般受注した500kWの「H2Rex™」は100kW機を5台連結したシステムであり、環境省の技術実証^注2などの成果を生かした、初めての実装となります。納入は2026年3月末を予定しています。

　「H2Rex™」は、水素を燃料として電気と熱を供給する純水素燃料電池システムであり、発電時にCO₂やNOx^注3を排出せず、水だけを排出するクリーンな発電システムです。これまで当社はオフィスビル、公共施設、工場などに多数納入してきました。
　今回、「H2Rex™」は田中貴金属の湘南工場に設置され、「H2Rex™」から発電される電力は同工場全体で使用される電力のうち、25％を賄う計画です。

　田中貴金属グループでは、2050年にCO₂排出ゼロの高い目標を目指す、「カーボンニュートラル宣言」を掲げ、他の産業に先がけ設備の実装を進めています。当社もこれまで培った水素エネルギーの技術やノウハウで目標達成に向け共に取り組んでいきます。

　昨今、水素エネルギー導入の機運の高まりを受け、数百kWからMW級の大規模な純水素燃料電池システムの需要が増えています。
　当社は今後も様々な産業分野に向けて大型の「H2Rex™」の提供を通じ、水素エネルギー導入拡大に貢献していきます。

1. 高効率×経済性

• 最も発電効率が高くなるように5台の出力を最適制御します。
• 発電効率は最高54％で水素消費量を抑制することが可能となります。
• 電力需要の変化に5台が一気に追従し、1台の場合と比べ応答速度が5倍となり、より電力のピークカットに貢献します。

2. コンパクト設計

• 消防法で求められる機器相互間の離隔スペースが不要となります^注4。補機の統合や電気、水の接続を集約することで設置スペースを5台の単純合計と比べ、約30％削減することが実現でき、工事作業も簡素化できます。

3. 止めない工夫

• 連結制御に必要なEMS（エネルギーマネジメントシステム）や電気・制御盤をシステムに搭載しました。ユーザー側での準備は不要で、1台の端末で監視・制御可能となります。
• 停電時は、燃料電池1台分の起動電源のみでシステム全体を立ち上げ可能です。そのため、排水、排ガス処理なども止めることなく、継続運転が可能となります。

• 総合効率95%、設計耐久性約80,000時間
• 港湾部などの塩害地域においても設置可能な重耐塩仕様（オプション）
• ブラックアウト下でも稼働できる自立運転機能

注1　2024年3月時点、当社調べ

注2　環境省「令和2年度CO₂排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」

注3　窒素酸化物。物が高い温度で燃えたときに空気中の窒素と酸素が結びついて発生する、一酸化窒素、二酸化窒素など

注4　消防法が定める火災予防条例で求められている隔離スペース

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