COP28ジャパン・パビリオンへの出展について

~カーボンニュートラルの実現に貢献するエネルギー技術として、
「SCiBTM」、「AEROXIATM」および「P2C(Power to Chemicals)」を展示~

2023年11月16日

株式会社 東芝
東芝エネルギーシステムズ株式会社

 株式会社東芝および東芝エネルギーシステムズ株式会社(以下、東芝ESS)は、11月30日から12月12日まで、アラブ首長国連邦のドバイで開催される国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(以下、COP28)において、環境省が主催するジャパン・パビリオンに出展します。

 ジャパン・パビリオンは、日本の優れた製品・サービスと気候変動に対する取り組みを世界に向けて発信するため、COP28の開催に合わせて環境省が設置する展示・イベントブースです。

 今回は、東芝グループがカーボンニュートラルの実現に貢献する技術として提供する、エネルギーを「つくる」「おくる」「ためる」「かしこくつかう」という上流から下流までの一貫したソリューションの中から、環境省より選出されたSCiB™と、AEROXIA™およびP2Cを併せて展示します。

■3つの技術の紹介映像:https://www.youtube.com/watch?v=-PfV3GmQrrw

 

展示内容
1.エネルギーを「ためる」「かしこくつかう」:蓄電システムをライフサイクルで最適化する『SCiB™』
 東芝グループが開発したリチウムイオン二次電池「SCiB™」は、従来品では実現が困難である①高い安全性、②充放電を2万回※1以上繰り返しても劣化が少なく長寿命、③急速充電性能、④高入出力性能、⑤低温性能、⑥広い実効SOC※2レンジといった特長を備えるリチウムイオン二次電池で、モビリティから蓄電設備まで幅広く使われています。SCiB™を活用することで、一つの製品を長く使うことができるため、リチウムなど限りある資源である原材料の使用量を最小限にでき、また、蓄電システムのライフサイクルにおけるトータルコストの低減、ひいてはサーキュラーエコノミーやネイチャーポジティブ(自然再興)※3へのコベネフィット効果※4が期待できます。ジャパン・パビリオンでは、SCiB™セル模型、SCiB™モジュール模型を展示します。

『SCiB™』の紹介動画

 

2.エネルギーを「おくる」:送変電設備に使用される六フッ化硫黄(SF6)を、自然由来ガスに置換える『AEROXIA™』
 SF6は高電圧絶縁性能や電流遮断性能が非常に高く、変電機器のコンパクト化、メンテナンスの省力化に大きく貢献する一方、大気中に放出された場合の地球温暖化への影響がCO2の20,000倍以上と言われており、地球温暖化対策の観点から、欧州や米国の一部の州などで使用禁止に向けた法整備が進められています。東芝ESSは、安全性や環境面のリスクが低く、かつユーザービリティの高い製品コンセプトを志向しており、2022年に、SF6を一切用いず、自然由来ガスを用いた電力用SF6代替ソリューションとしてAEROXIA™ ブランド※5を立ち上げ、環境に調和し、省メンテナンス性に優れた製品ラインナップの拡充を進めています。ジャパン・パビリオンでは、AEROXIA™について映像で分かりやすく紹介します。

『AEROXIA™』の紹介動画

 

3.エネルギーを「かしこくつかう」 :再エネを用いてCO2を価値ある資源に変換する『P2C(Power to Chemicals)』
 カーボンニュートラルの実現を目指すには、CO2を自然資本として有効活用していく技術が必要とされています。P2C(Power to Chemicals)は、再エネの電力を利用して、CO2を合成燃料や化学品など価値ある資源に変換する技術です。東芝グループは、人工光合成技術をベースに、世界最高レベルの変換速度でCO2を化学製品の原材料となるCOに変換する『CO2電解装置』を開発※6し、環境省の委託事業「二酸化炭素の資源化を通じた炭素循環社会モデル構築促進事業(人工光合成技術を用いた電解による地域のCO2資源化検討事業)」(2021年~2024年)を受託しました。この中で、セルを100枚以上積層したフルスタック試作機を完成させ、年間250tのCO2を処理できる「CO2電解モジュールC2OneTM」の運転試験を実施する予定です。ジャパン・パビリオンでは、P2Cの概念や社会貢献について、映像で分かりやすく紹介します。

『P2C(Power to Chemicals)』の紹介動画

 

 東芝グループは、「人と、地球の、明日のために。」の経営理念のもと、人々の生活と社会を支える製品やサービスを社会に送り出し、社会課題の解決に貢献してまいりました。2015年のパリ協定の採択を契機に、世界各国でカーボンニュートラルに向けた動きが加速し、企業においても、長期的な視点で気候変動の重要性を認識し、カーボンニュートラルの実現にむけた対応を積極的に進めることが求められています。東芝グループは、様々な先進技術で、世界共通の社会課題であるカーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーの実現に貢献してまいります。

■ジャパン・パビリオン ウエブサイト
http://copjapan.env.go.jp/cop/cop28/

COP28 JAPAN PVILION イメージ図

※1 セルの種類や使用条件により特性は異なる。
※2 SOC:State Of Charge、充電率または充電状態を表す指標。
※3 生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せること。
※4 一つの活動がさまざまな利益につながっていくこと。例えば、森林や湿原の保全が、生物多様性の保全につながると同時に、二酸化炭素の吸収源を守り、地球温暖化対策にもなるという相乗効果を指す。相乗便益。
※5 “AERO”(自然由来ガス)+“AXIA”(ギリシャ語で価値) 東芝ESSによる造語。
※6 環境省委託事業「二酸化炭素の資源化を通じた炭素循環社会モデル構築促進事業(多量二酸化炭素排出施設における人工光合成技術を用いた地域適合型二酸化炭素資源化モデルの構築実証)」(2018年~2022年)で一部実施。