製品・技術サービス

再生可能エネルギー地熱発電

純国産エネルギーによる発電、環境にやさしい発電

  • 地熱発電は安定した自然エネルギー・地熱発電とは・安定性と持続性・豊富なラインナップ
  • 地熱発電とは 地熱発電は、地球のマグマの熱を利用し、地下に浸み込んだ雨水がマグマの熱によって加熱された蒸気を動力として発電します。
  • 安定性と持続性 季節や天候の影響を受けやすい他の⾃然エネルギーと異なり、地熱発電は季節や天候の影響を受けず、安定した持続的な発電量を確保できます。発電には燃料が不要なため、それらを輸⼊することによる国外の経済的変動や供給変動に影響されず、自立的で安定した発電が実現できます。また、地熱発電はCO2 の排出が極めて少ない、環境にやさしいエネルギーです。
  • 豊富なラインナップ 東芝の開発した地熱発電システムは、豊富なラインナップを誇ります。特にコンパクトなGeoportable™ は、様々な状況に対応可能です。Geoportable™標準セット
  • 豊富なラインナップでエネルギーの地産地消を実現します

地熱発電は、地球のマグマの熱を利用した自立的で安定した発電システムです。
東芝は1966年に国内初となる地熱発電所に20MWの蒸気タービン・発電機を納入し、その後、世界に多くの地熱発電機器を納入してきました。2020年7月現在、東芝は累計出力約3.8GWの地熱発電機器を納入しています。これは、設備容量ベースで世界トップクラスのシェアです。

地熱発電とは

地球の持つ熱を利用して発電する再生可能エネルギー

地球の持つ熱を利用して発電する再生可能エネルギー

地熱発電は、地球のマグマの熱を利用して発電します。
地熱発電に利用される蒸気は、雨水が地中に浸透しマグマで熱せられて生成されたものです。マグマの熱量は永久的で、地球の気象による降雨も永久的に繰り返されます。 このように、地中の蒸気の利用は永久に繰り返されるエネルギー回収サイクルの一環であり、地熱は再生可能なエネルギーといえます。

※地球の冷却速度は、4,000℃のマントルが300℃下がるのに約30億年かかるとされています。(「地熱エネルギー入門」日本地熱学会)

CO2排出量が極めて少なく、地球への環境負荷が少ない発電

電源別平均ライフサイクルCO2排出量

わが国のCO2排出量の約30%が発電所から排出されています。地球温暖化抑制のためのCO2排出量削減には、地熱発電等のCO2出量の少ない発電システムを多く採用することが望まれます。

安定性と持続性のある純国産の自然エネルギー

季節や天候の影響を受ける太陽や風力による発電と異なり、地球のマグマの安定した熱エネルギーを利用する地熱発電は季節や天候の影響を受けないで安定して持続的な発電量を確保できます。
火山国である日本は豊富な地熱エネルギーに恵まれています。この純国産地熱エネルギーによる発電は、発電に必要な資源を輸入することによる国外の経済的変動や供給変動に影響されず、自立的で安定した発電が期待できます。

1MWから200MWまで、ニーズに応じたシステム を提供する東芝の地熱発電

東芝の地熱発電は、次の特徴があります。

  • ・スーパーロータ技術

  • ・小型地熱発電設備

地熱タービン特有の課題を解決するスーパーロータ技術

地熱タービンの信頼性向上と性能を改善させる

地熱発電所の長期運用においては、地熱資源の減衰による出力・性能低下や、腐食成分を多く含んだ蒸気が通ることから、地熱タービン特有の経年劣化や損傷による性能・信頼性劣化の課題があります。スーパーロータ技術は、これらの課題に対して信頼性の向上と性能を改善させる、東芝の技術の総称です。

写真は運転10年経過後の最終段翼(Last Stage Blade)です。健全性が保たれていることがわかります。

地熱タービン最終段翼
地熱タービン最終段翼

東芝が有効な技術を提供したスーパーロータ化プロジェクト

東芝が蒸気タービン・発電機を納入した米国の地熱発電所においては、納入開始後、20年以上が経過し、主蒸気圧や流用の低下、腐食や浸食等による経年劣化が見られました。その発電所における地熱の蒸気は極めて腐食性が高く、各メーカとも耐応力腐食割れ(Stress Corrosion Cracking, SCC)に悩まされました。東芝だけが世の中にない、最も有効な技術を提供しました。
本プロジェクトでは、主にノズルとロータの新設計と新製部品への交換を行いました。

10年たった状態

この後、8~10年間、メンテナンスフリーの運用実績で、開放点検もなく、性能低下も見られませんでした。東芝は今後も地熱発電の抱える様々な問題に対して、解決策を提供し続けていきます。

アップグレード工事 新製交換部品
アップグレード工事 新製交換部品

限られた敷地でも発電を実現する小型地熱発電設備 Geoportable™

設置面積最小化を実現 
-250㎡に収まる地熱発電設備-

限られた敷地でもGeoportable™を採用することによって、お客様の要求に応じた発電設備を実現できる可能性があります。Geoportable™2MWクラスを採用し、発電設備全てが250㎡に収まった事例があります。

地熱発電設備

短期間の据付による早期稼働

輸送や現地据え付け工事を考慮した最適なスキッド計画に基づいてタービンや発電機などの機器は標準化されています。これらの機器が品質管理の万全な工場にてスキッド上で組み立てられて出荷されるので、短期間の据付、早期稼働が可能になります。また、チューブラ式復水器を採用しています。直接接触式復水器とは異なり、冷却塔との高低差に制約がなくなるため、「わいた地熱発電所」では穴掘りなどの土木工事が不要になりました。

短期間の据付による早期稼働

高い送電端出力を可能にする少ない補機動力

復水機、冷却塔、ガス抽出システム、各種ポンプなどの補機を最適化することによって、これら補機の動力を最小限に抑えます。すなわち、無駄な動力をなくして、送電端出力を最大限に引き出します。

高稼働率を誇る、わいた地熱発電所

東芝が機器供給と工事の一部を担った「わいた地熱発電所」では、Geoportable™ 2MWが採用され、高稼働率を誇っています。

※わいた地熱発電所における2014年12月から2016年9月までの運転実績に基づく稼働率。なお、客先殿における計画点検・メンテナンス期間は除いている。

高稼働率を誇る、わいた地熱発電所