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インドネシア地熱発電所向けにEtaPRO™を活用したIoTサービスの契約を締結

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2022年08月23日

東芝エネルギーシステムズ株式会社

 当社は、インドネシア現地法人で、エネルギー及びインフラ事業を手掛ける東芝アジア・パシフィック・インドネシア社を通じて、このたび、インドネシアのPT Geo Dipa Energi (Persero)(以下、「GDE社」)のパトハ地熱発電所注1の発電設備向けに発電所の利用率向上を目的として、IoT・人工知能(AI)技術を適用した地熱発電所のトラブル予兆診断技術や性能監視に関するIoTサービスの契約を締結しました。当社グループとして初めての、地熱発電所向けIoTサービスの商用案件となります。

 本サービスは、2019年10月に同発電所向けにNEDOの実証事業注2として適用していたものを商用化し契約したもので、実証事業において当社IoTサービス導入によるトラブル予兆診断技術の有効性が認められたことで契約締結となりました。本サービスで提供するシステムには、当社が昨年事業買収を行った、「EtaPROTM(エタプロ)注3」が活用されており、EtaPROTMが商用案件として地熱発電所に適用されるのは世界初となります。

 技術的な特徴としては、各種センサーから得られる日々の発電所の運転データをAI手法により解析し、正常な運転時にトラブルの原因となる異常兆候を検出することにより、トラブルによる発電所の停止回数および停止期間の短縮を実現するもので、NEDOの実証事業においてトラブル発生率を20%以上抑制できることを確認しております。タービンに流入する蒸気の状態が火力と異なり不安定であるなど、地熱発電所特有の状況下で異常兆候を検出できるようになったことも大きな特徴です。

 インドネシアでは2020年末時点で電力の総設備容量は約62GWとなっており、その約半数を石炭火力が占めています。一方、インドネシア政府はパリ協定において2030年までに温室効果ガス排出量の29%を削減することを公約として掲げており、計画では2030年までに追加される40.6GWの発電容量のうち、地熱発電は約3.4GW(約8%)を占める予定です注4。当社がインドネシアにおいて機器を納入した地熱発電所は複数あり、今後新設される地熱発電所向けも含め、個々の顧客が抱える課題の解決に向けて、最適な運転が可能となるIoTソリューションを積極的に提案していきます。

 当社は国内外において、本サービスの適用を通じ発電所の利用率向上による顧客の発電コストの低減を図り、地熱発電の導入拡大やカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

注1:インドネシアの国営地熱発電会社であるGDE社が運転管理する地熱発電所。2014年に運転を開始し、定格出力は6万kW。
注2:NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)「地熱発電技術研究開発」
https://www.global.toshiba/jp/news/energy/2019/10/news-20191023-01.html
https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100066.html
注3:30年以上にわたって火力・水力・風力・太陽光などの発電事業者など60カ国以上、約700GW分の発電所に導入実績のある発電事業者向けプラント監視ソフト
https://www.global.toshiba/jp/news/energy/2021/10/news-20211005-01.html
注4:2021 年から2030 年の電力供給事業計画(RUPTL)よりhttps://www.oecd.org/environment/cc/cefim/indonesia/RUPTL-2021-30-PLN-steps-up-ambitions-to-accelerate-clean-energy-investments-in-Indonesia.pdf(1.4MB)

パトハ地熱発電所の写真


EtaPRO™の予兆診断システム監視画面(イメージ)


GDE社のサービス利用者と当社開発責任者


GDE社サービス利用者(左端:Fajar Dhani Wardhana氏、右端:Mochamad Reza Nugraha氏、右から2番目:Andisyah Purdanto氏)と当社開発責任者(市川裕之:写真左から2番目)

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