ニュースリリース

風力発電の高度化に向けた大型浮体式風車向け技術開発を推進

~2023年度「NEDO先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム/エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」に採択~

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2023年06月09日

東芝エネルギーシステムズ株式会社

 当社は、このたび、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の2023年度「NEDO先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム/エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」の研究開発テーマ「大型風洞設備による浮体式風車ウエイク現象の評価技術の研究開発」について、代表の九州大学、および日立造船株式会社、日本精工株式会社とともに採択されました。風力発電の高度化に向けた大型浮体式風車向け技術開発を推進します。

 今回の研究開発では、九州大学応用力学研究所で、人工的に風の流れを発生させ、実際の風の流れと浮体式風車の揺れを再現し、浮体式風車特有の風車ウエイク現象と、その相互干渉現象について評価します。評価結果を15MW級の風車へ拡張した場合のウエイク影響と相互干渉現象を解析します。浮体式風車の揺れを考慮した上でのウエイク影響評価はまだ確立されておらず、風車ウエイク現象と、相互干渉現象を評価・予測する技術の開発を産学連携で取り組みます。
 また、沿岸地域の風力発電所を活用し、最新のリモートセンシング技術を用いて、洋上の気流を感知・計測し、計測した気流データと風車の状態監視データによって、ウエイクが風車に与える影響評価も実施します。また、風に対して上流側風車の向きを少しずらす制御により、下流側風車へのウエイクの影響を最小にし、ウィンドファーム全体の発電量を増加させる施策の効果を検証します。
 さらに、これらの試験や解析から生じる結果に、ITを組み合わせるデータ駆動科学の手法を適用し、浮体式風車ウエイク現象の工学数式モデルの開発も行います。当社は今回の研究開発の中で、風車の状態を可視化するサービス開始に向けて、TOSHIBA SPINEX for Energy技術を用いた風車の運用保守高度化向け評価手法を検討します。

 当社は、これからも、エネルギー分野における豊富な知見、技術、ノウハウ、デジタル技術を駆使して、エネルギーシステムの価値を向上させる開発を進め、インフラサービスを提供し、カーボンニュートラル社会の実現へ向けて貢献します。

 

研究開発実施の背景


 日本政府が2050年のカーボンニュートラルの実現を掲げるなか、洋上風力発電への期待は高まっています。国内で大規模洋上風力市場を早期に、かつ適切に実現させるには、低コスト、高品質な風車機器の研究開発が求められています。
 風車の翼(ブレード)の回転に伴って、風の下流側には風車ウエイクと呼ばれる風速欠損領域が形成されます。複数の風車群から構成される大規模洋上風力発電所(ウィンドファーム)では、風の下流側にある風車群で風車ウエイクが相互に干渉し、発電量の低下や風荷重の増大などによる影響を受けます。それらの影響を正確に把握するため、今回の研究開発を行います。

 

注:    TOSHIBA SPINEX for Energy:東芝IoTリファレンスアーキテクチャーに準拠したインダストリアルIoTサービスの電力事業向けデジタルインフラサービス。
https://www.spinex-marketplace.toshiba/ja/services/energy-iot-services

 

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