住友生命相互保険会社について
「一人ひとりのよりよく生きる=ウェルビーイング」への貢献を推進し、なくてはならない保険会社グループに
住友生命は、「社会公共の福祉に貢献する」ことを企業の存在意義(パーパス)として経営理念に掲げ、1907年の創業以来、生命保険事業を通じて多くのお客さまとそのご家族の人生を支えるという役割を果たしてまいりました。
リスクに備えるだけでなく、リスクそのものを減らすという新しいコンセプトの商品である、健康増進型保険“住友生命「Vitality」”。この商品を中心に、2030年に向けて策定したビジョン、ウェルビーイングに貢献する「なくてはならない保険会社グループ」の実現を目指し、「一人ひとりのよりよく生きる=ウェルビーイング」への貢献を推進しています。
当社では日本全国に営業拠点を構え、約4万人の職員がお客さまへの対面コンサルティングを中心に、一人でも多くの方の「よりよく生きる」に貢献できるよう、日々活動しています。
住友生命保険相互会社 不動産部 副長 中村 元治様
GX(グリーントランスフォーメーション)の取り組み
環境負荷低減・生物多様性の推進に取り組み、カーボンニュートラル社会の実現に貢献
住友生命では、地球環境は持続可能な社会の基盤になるという考えのもと、事業を行う上で生じる環境負荷の低減に取り組み、生物多様性などに配慮する活動を行っています。そして脱炭素社会への移行、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目指しています。
カーボンニュートラル社会実現のために全社で掲げている目標は、2050年までにグループ全体でGHG排出量をネットゼロに、中間目標として2030年までにScope1+2+3(※1)を2019年度対比50%削減(グループ全体)、資産ポートフォリオ(※2)を2019年度対比50%削減(住友生命単体)です。
(クリックして画像を拡大する)
(※1)
・Scope1:住友生命グループの燃料使用による直接排出量
・Scope2:住友生命グループが購入した電気・熱の使用による間接排出量
・Scope3:Scope1、2以外の事業活動に伴う間接排出量なお、Scope3は、住友生命グループや住友生命グループ職員の積極的な取組みにより削減を目指す項目を対象とする。対象は、カテゴリ1(購入した製品・サービス)、カテゴリ3(Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動)、カテゴリ4(住友生命グループが費用負担する輸送、配送)、カテゴリ5(事業から出る廃棄物)、カテゴリ6(従業員の出張)、カテゴリ7(従業員の通勤)、カテゴリ12(販売した製品の廃棄)とする。カテゴリ13(リース(下流))、カテゴリ15(投資)については、「資産ポートフォリオ」からの排出量として、別途管理する。
(※2)
対象資産は2050年を「国債等を除く全資産」とし、2030年を「国内外の上場株式・社債・融資・投資用不動産・インフラ投資」とする。対象Scopeは投融資先のScope1、2とする。削減指標は資産規模の影響を排除して評価するため「インテンシティ」(保有残高あたりのGHG排出量=資産ポートフォリオのGHG排出量÷資産ポートフォリオ残高)とする。
当社は機関投資家として、企業とのエンゲージメント活動を通じ温室効果ガス排出量の削減等を求めるClimate Action100+などの国内外イニシアチブに加盟しています。生命保険事業を営む事業会社として、自社のScope1+Scope2の排出を確実に削減していくことは極めて重要であると考えています。
私が所属する不動産部は、お客さまからお預かりした保険料を運用する資産運用の一環として不動産投資も行っていますが、全国の職員が働く活動拠点のファシリティマネジメントも担当しています。不動産部では2021年にタスクフォースが発足され、再エネ調達やビルの環境認証といったESG課題に専任で取り組んできました。積極的に啓蒙活動を行っていますので、職員一人ひとりの環境意識も高まってきていると実感しています。
バーチャルPPA導入について
非化石証書のみの取引で同時同量の制限なし、長期による相対契約可能が大きなメリット
不動産部ではESG課題に取り組むべく、2022年以降、自社で保有する規模の大きい物件について順次LED化を進めてきました。LED化が完了した物件については小売電気事業者による再エネへの切り替えを実施しましたが、原則1年ごとの更新であるため需給バランスが崩れたときには調達できなくなるリスクがありました。そこで、長期的な目線で追加性のある再エネを確保する方法を模索し始めました。それが2023年頃のことです。まず、一部の物件へオフサイトのフィジカルPPAを導入しました。ただ、オフィスビルでしたので休業日は電力使用量が少なく、フィジカルPPAの『同時同量』という観点からすると十分な導入効果を得ることができませんでした。また、当社はオーナーさまから賃借している物件も多く、その対応を考える必要もありました。
これらの課題がクリアできると注目したのが、2022年4月の制度改定により取り扱いが可能となったバーチャルPPAです。バーチャルPPAは同時同量の制約なしで10~20年の長期で契約することが可能です。また、非化石証書(環境価値)のみの取引となり、これを利用し各地の賃借している物件で使用する電力の実質再エネ化が可能となります。さらに、バーチャルPPAなら相対契約ができますので、その部分にも大きなメリットを感じました。
バーチャルPPA検討当初は事例も少なく、情報収集をはじめ契約相手のソーシングを進める中、社内での理解醸成に苦労する点もありました。東芝エネルギーシステムズさんを含め社外のステークホルダーの知見も活用させていただきながらディスカッションを行い、バーチャルPPA導入の道筋をつけることができました。
バーチャルPPAで調達した非化石証書は
所有物件や賃借物件における電力消費を実質再エネ化
東芝エネルギーシステムズとの契約について
日本の電力インフラの中核を担っている安心感、スキームがシンプルな固定価格での取引が大きな決め手
東芝エネルギーシステムズさんがバーチャルPPAを取り扱っていると知ったのはWebサイトです。ホワイトペーパーをダウンロードして内容を確認したら、固定価格での取引も可能であるということ、東芝エネルギーシステムズさんがアグリゲーターとして仲介するという記載があり、とても魅力を感じました。また、日本の電力インフラの中核を担っている東芝グループのエネルギーソリューション事業会社と再エネ契約ができるということも、大きな安心につながりました。
当社への提案をお願いしたところ、固定価格(条件付き)で競争力のある単価をご提示いただきました。コスト算出やスキームもシンプルになりますので、社内的にも理解を得やすく評価できるものでした。その時はちょうど、バーチャルPPAで主流の差金決済型での将来コスト試算などで苦戦し、導入に向けての社内動向が停滞の局面を迎えていた時期でした。絶妙なタイミングで「すばらしいサプライヤーを見つけることができた!」と思い、契約への手続きを進めました。契約書案についてもリスクマネジメントの観点から非常に多くの修正をお願いしましたが、真摯かつ迅速に応じていただき、なおかつ適切なタイミングでJPEXの制度などに関する資料もご提供いただきました。とても心強かったです。
今回のバーチャルPPAで導入した非化石証書は、全国各地の小規模店舗において使用する電力を実質再エネ化していくことに活用します。現在、当社が導入しているバーチャルPPAは東芝エネルギーシステムズさんとの固定価格型と別の事業者さんとの差金決済型がありますが、今後も経済条件や将来の見通しを踏まえてさらなるバーチャルPPAの導入を拡大していければと考えています。
東芝エネルギーシステムズへの期待と、今後の展望
さまざまな立場のステークホルダーが一丸となり、持続可能な社会に向ってより良い未来を築きたい
東芝エネルギーシステムズさんには、各種イニシアチブにおける再エネの取り扱い変更を踏まえた、タイムリーかつイノベーションあふれる提案を期待しています。
自然エネルギーの電力100%を推進する国際イニシアティブ『RE100』を運営する非営利団体のClimate Groupが、RE100に続いて電力の脱炭素化を推進する『24/7 (twenty-four seven) Carbon-Free Coalition』を推奨し、またGHG Protocolの改定作業では、従来はなかったhourly matching(証書の同時同量)などが議論されるなど、再エネを取り巻く環境は日々変化しています。特に非化石証書の活用で同時同量要件が求められるようになった場合、各企業に対するインパクトは極めて大きいと考えます。また、太陽光発電の用地不足が叫ばれる中、再エネ拡大の主軸になりうる洋上風力発電については国内外でさまざまな角度からのニュースを見ることが増えてきました。電力需要家の立場としては、再エネを推進していくにはこれからますますチャレンジグな、困難な環境になっていく可能性が高いのではないかと考えています。
そんな中でも、気候変動が原因と思われる自然災害は増加していると認識しております。脱炭素を推進していくことは、全ての活動の基盤となる地球環境・社会の持続可能性の高まりに不可欠でしょう。さまざまな立場のステークホルダーが知恵を出し協力し合うことで、よりよい未来に向けて進んでいくことができればと考えています。
会社紹介
会社名
住友生命保険相互会社
設立
1907年(明治40年)5月
代表者
取締役 代表執行役社長 高田 幸徳
東京本社所在地
東京都中央区八重洲2-2-1
主な事業内容
生命保険業
・生命保険業免許に基づく保険の引受け
・資産の運用