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生物多様性の保全

東芝グループは、生物多様性保全活動を水資源や化学物質の管理に並ぶ、「生態系への配慮」項目における重要な施策の一つとして推進しています。取り組みにおいては東芝グループ内向けに制定している「東芝グループ生物多様性ガイドライン」に基づいて推進しており、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」※1で掲げる世界の2050年ビジョン「自然と共生する世界」、そのビジョンに向けて果たすべき2030年ミッション「ネイチャーポジティブ」※2の実現に向けて貢献していくことをめざしています。

  • 2022年12月に開催された国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で策定された生物多様性保全に関する世界目標。2050年ビジョン、2030年ミッション、2030年ターゲット(2030年ミッションを実現するための23個の活動ターゲット)より構成。
  • 生物多様性の損失を食い止め、反転させ、自然を回復軌道に乗せること。

「昆明・モントリオール生物多様性枠組」への貢献

2024年4月から開始した「第8次環境アクションプラン」においては、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」の23個の活動ターゲットより、東芝グループが継続的に推進してきた活動や世の中の流れとして新たに取り組むべき活動を考慮したうえで、下図に示す7つのターゲットを東芝グループの活動ターゲットとして選定し、活動を推進しています。活動の際には「連携」、「広報」、「教育」の視点を盛り込んだうえで、拠点ごとに活動目標の策定、評価指標の設定、実行・モニタリング、目標達成度のレビューを繰り返し行う柔軟なPDCAサイクルを回し、活動の拡大・深化をめざします。

  • 記載の活動内容は東芝グループとしての活動例

<トピックス>「30by30目標」への貢献


「昆明・モントリオール生物多様性枠組」には「2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全する」という通称「30by30目標」があります(ターゲット3)。東芝グループはグローバルに事業拠点を展開しており、土地の持続可能な利用は重要な課題と認識していることから、「30by30目標」への直接的な貢献の第一歩として、環境省により発足された「生物多様性のための30by30アライアンス」に参画しています。そうしたなか、2023年10月には東芝ライテック(株)今治事業所が地域と連携し保全している織田ヶ浜海岸(愛媛県)が「自然共生サイト」に認定され、2024年8月には国際的にも生物多様性保全上の重要な地域としてOECM国際データベースに登録されました。また、2025年9月には加賀東芝エレクトロニクス(株)が森林整備・保全活動に携わっている「加賀東芝の森」(石川県)も、新たに「自然共生サイト」に認定されました。今後も、国内拠点の敷地内及び周辺地域の自然保護活動などを通じ「自然共生サイト」の拡大に貢献していくとともに、海外拠点での貢献方法についても情報収集及び検討を進めていきます。

  • 「民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域」として国が認定した区域のこと。認定区域は、保護地域との重複を除き、「OECM(Other Effective area-based Conservation Measuresの略;保護地域以外の生物多様性保全に貢献している場所)」として国際データベースに登録される。

東芝グループ生物多様性ガイドライン

東芝グループでは、生物多様性の保全に向けた活動を促進していくためのグループ内向けガイドラインとして、2009年に「東芝グループ生物多様性ガイドライン」を制定し活動を推進してきましたが、昨今の世の中の動きやグループの多種多様な活動内容に対応していくために、2024年6月に同ガイドラインの内容を改定しました。
「基本方針」では、健全で安定的な自然資本が事業経営の重要な基盤であることを認識したうえで生物多様性の保全と持続可能な利用を推進すること、及びすべての企業活動と生物多様性とのかかわりを理解したうえで自然への「負の影響の低減」と「正の影響の創出」の組み合わせにより「ネイチャーポジティブ」の実現に貢献することを掲げています。
「具体的な取り組み」では、事業活動による自然への影響・依存及び事業活動上のリスク・機会を把握・開示することや、温室効果ガスや化学物質の排出削減、資源の有効活用などを進めて環境負荷の低減を図ること、地域に根づいた生物多様性保全活動を通じて自然の回復と再生に貢献すること、「ネイチャーポジティブ」の実現に貢献する製品・サービスや技術の創出に努めること、自治体、NPO/NGO、地域社会、業界団体、従業員などのさまざまなステークホルダーとの連携を促進することなどを掲げています。今後も本ガイドラインの周知徹底を進めていきたいと考えています。