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社会貢献活動

東芝グループは、持続可能な社会の実現に向けて、事業活動に加えて社会貢献活動にも積極的に取り組むことで、さまざまな社会課題の解決に寄与します。多くの東芝グループ従業員が自発的に社会貢献活動を行い、地域に貢献するとともに、自己を成長させていけるよう、社会貢献活動に取り組むための情報の提供や機会の創出を進めていきます。

2023年度の主な成果

  • 社会貢献プログラム数 972件

社会貢献基本方針

東芝グループは、東芝グループ経営理念である「人と、地球の、明日のために。」を具体化した社会貢献基本方針を定めています。
社会貢献基本方針に明示した5つの活動分野は、いずれも東芝グループが重要と考える社会課題に関連したものです。東芝グループは、事業活動と、事業で培った知見やリソースを活用した社会貢献活動を両輪として、社会課題の解決、SDGsの達成、そして持続可能な社会の構築に貢献していきます。
実践にあたっては、NPO、NGOなどのステークホルダーとの定期的な対話により、成果や事業への影響などを把握しながら、活動方針などを都度審議、決定しています。

東芝グループ社会貢献基本方針


  1. 東芝グループ経営理念、東芝グループ行動基準に基づき、積極的に社会貢献に努めます。
  2. 自然環境保護、科学技術教育、スポーツ・文化振興、社会福祉、国際親善の分野を中心に社会貢献活動を実施します。
  3. 従業員のボランティア活動を支援します。

東芝グループにおける社会貢献活動の位置づけ

社会貢献の推進体制

東芝グループでは、社会貢献基本方針に基づき、東芝の経営企画部 サステナビリティ推進担当と本社スタフ部門や主要グループ会社などが連携して計画、実行しています。
災害復興支援やNPO・NGOなどへの寄付については、社内規定に基づき適法性と適正性を審査したうえで実施しています。

社会貢献活動推進体制(東芝グループ)


従業員の社会貢献活動とその支援


2023年度に社会貢献活動に参加した東芝グループの従業員はのべ127,901人でした。
より多くの従業員が社会貢献活動を通じて社会とつながりをもち、社会課題の解決に貢献することができるよう、東芝では従業員の社会貢献活動を支援する制度を整えて支援しています。従業員はボランティア活動などを目的に自身の年休を積み立てて長期休暇を取得することができます。

社会貢献活動への支出額分野別内訳

社会貢献活動への支出額分野別内訳(2023年度)

社会貢献賞(Toshiba “ASHITA” Award)

東芝グループでは、社会貢献活動の更なる活性化を図るために、前年度に国内外で実施した社会貢献活動を、目的、従業員の参加、独自性、継続性、社会への影響、社外団体との協働の有無など9項目で評価し、顕著な成果をあげた活動に対して、社長表彰を授与しています。
2023年度は、2022年度に実施された968件の社会貢献プログラムのなかから、下記4件を表彰しました。

2023年度社会貢献賞(Toshiba “ASHITA” Award)受賞プログラム

  • 「ランニング(TIP Fun Run)を通じた社会貢献活動」(東芝情報機器フィリピン社)
  • 「経済的に恵まれない子どもたちが通う学校への支援プログラム」(東芝インターナショナル米国社)
  • 「社会インフラを共に守るお客様と地域のための清掃活動」(東芝インフラシステムズ(株) 東北支社)
  • 「小学生のためのプログラミングワークショップ開催活動」(東芝デジタルソリューションズ(株) 北原 博隆)

東芝グループ ボランティア・デイズ

東芝グループでは、各社でボランティア活動を推進していますが、2014年度からは東芝グループ全社の取り組みとして、毎年、国連が定める国際ボランティアデーである12月5日の前後に「東芝グループ ボランティア・デイズ」を実施しています。これは、東芝グループの全員が一斉に参加し、個々の力では成し得ない大きな貢献を社会に果たすことを目的とした活動です。
2023年度は、グローバルで193件の活動に約6.9万人の従業員が参加し、各拠点で清掃活動やフードドライブ、社員食堂での災害地復興支援特別メニューの提供など、それぞれの地域の課題をふまえた独自の社会貢献活動を行いました。また、多くの従業員がこの期間に献血や寄付など自主的な社会貢献活動を実施しました。

全拠点一斉でフードドライブを実施
(東芝産業機器システム(株))

2010年より毎年募金活動(7月・12月の2回)
を実施し「あしなが育英会」へ寄付
(東芝ITコントロールシステム(株))

科学技術教育


アメリカとカナダの子どもたちを対象とした科学技術コンテスト


アメリカとカナダの、幼稚園から12年生(高校3年生)までの生徒を対象とした科学技術コンテスト「エクスプロラビジョン・アウォード(EVA)」を、1992年から全米科学教師協会(NSTA)との協働で実施しています。
EVAは、次世代を担う子どもたちが現在の科学技術を基に10年以上先の新しい技術を想像する、夢のある科学技術コンテストです。北米における日本企業の科学教育支援活動として長い歴史をもち、2023年で31周年、第31回を迎え、これまでに約43万人の子どもたちが参加しています。2023年はアメリカ及びカナダ各地から2,000組を超える応募があり、6月には表彰イベントが行われました。参加者から「EVAのプロジェクトに取り組んでみて、ますます科学が楽しくなった。科学を通じて家族や友人を助けることができるかもしれないと思った。」などのコメントが寄せられました。

【2023年の優勝校】

  • 幼稚園~小学校3年生の部
    MasterPack(マスターパック、軽量・安価な防弾バックパック)
    セント・ジョセフ小学校 - ワシントン州シアトル St. Joseph School
  • 小学校4~6年生の部
    PetConnect(ペットコネクト、ペットの思考翻訳機)
    オープン・ウインドウ小学校 - ワシントン州ベルビュー Open Window School
  • 中学校1~3年生の部
    Fungi fabrics(キノコ菌糸体を使用した生地)
    ダブリュー・アイ・ディック中学校 - オンタリオ州ミルトン(カナダ)W. I. Dick Middle School
  • 高校1~3年生の部
    Martian Mycrops(火星表土での農場管理プラットフォーム)
    ブロンクス科学高等学校 - ニューヨーク州ブロンクス The Bronx High School of Science

第31回EVA受賞者

子どもたちが受賞したアイデアを披露


子ども向け環境教育プログラム


NPO法人 企業教育研究会と協働で、2017年に開始した小学生向けの科学教育プログラムを東京近郊又は製造拠点が立地する地域の小学校や全国のイベント会場などで実施しています。


小学生向けサイバーセキュリティ教材


私たちの身近に潜むサイバーリスクの脅威とそれを防ぐサイバーセキュリティの重要性に関する啓発活動の一環として、サイバーセキュリティについて楽しく学べる学習ドリル「うんこドリル サイバーセキュリティ supported by TOSHIBA」を(株)文響社と共同で制作しました。


奨学金


東芝グループは、各国の学生や研究室に奨学金を支給し、次世代を担う人材の育成に寄与しています。また、各地の事業場では、地域からの要請に基づいて、施設の見学や実習、数週間のインターンシップを受け入れています。
ベトナムでは、2005年よりベトナム国家大学ハノイ校・ホーチミン校の学生約30人を対象に、毎年総額約300万円の奨学金を授与し、同校とソフトウェアに関する共同研究も行っています。また2023年からは、ハノイ工科大学の学生約15人を対象に、毎年約150万円の奨学金を授与しています。なお、両大学からの卒業生が当社現地法人の東芝ソフトウェア開発ベトナム社に入社し、働いています。


インターンシップ


東芝 CPSxデザイン部 デザイン部門

学生の皆様に自己の可能性や将来のキャリア形成への気づきを得ていただく機会として、インターンシップを年に数回開催しています。2023年夏は『実務体験型』のインターンシップをオフィスで開催しました。チームでのプロジェクト推進、クライアントとのコミュニケーション、マーケティングや企画とのかかわりなど、実際のビジネスにおけるデザイン業務を社員や他大学からの参加者の学生の方と交流しながら実習いただきました。

インターンシップ開催の様子

自然環境保護


生物多様性保全への取り組み


東芝グループは、生物多様性の保全に貢献することを目標に5つの活動テーマを設定し、事業所内外において従業員参加型による取り組みを推進しています。

  • ①生態系ネットワークの構築、②希少種の保護、生息域外保全、③海洋プラスチック問題への対応、 ④気候変動への対応(緩和・対策)、⑤水の保全

地域社会への貢献

東芝グループはグローバルで事業を展開しており、事業場のある地域を中心とした雇用創出や納税、現地調達を含む最適地調達活動の推進など、事業活動を通じて地域社会の発展に貢献しています。同時に、福祉や清掃など周辺地域との交流を通じた貢献にも取り組んでいます。


フィリピンで工場近隣地域の医療に貢献


東芝情報機器フィリピン社では、2006年から近隣の貧困地域に医師・歯科医・看護師と多数のボランティア従業員からなるチームを派遣し、地域住民へ医療診断、歯科診断、医薬品を無料で提供しています。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により活動できませんでしたが、2021年は医療・歯科ミッション活動の代わりにCOVID-19予防キットを地元バランガイのコミュニティ・フロントライナーへ提供し、物資を増強しました。2022年から医師・歯科医の派遣を再開し、2023年は看護師と多数のボランティア従業員も含めた86人の医療チームにより、近隣住民517人に診察や抜歯を行いました。

無料の医療提供
(東芝情報機器フィリピン社・2024年2月)


社内販売会による地域貢献


東芝グループでは、2004年から障がいのある方の経済的自立・社会参加支援を目的として昼休みに社内販売会を開催しています。
小向事業所では、2023年度も例年どおり事前予約制で、近隣の地域活動支援センターでつくられた商品を販売しました。また、被災地復興応援を目的として各地の特産品の販売も実施しました。

販売したティッシュケース


周辺地域のより良い環境づくり


東芝グループ各社では、各事業拠点のより良い環境づくりに努めています。2023年度は、国内外の事業拠点で従業員による周辺地域の清掃を264回実施しました。また、近隣緑地整備や地域のイベントへの参加などによる近隣住民の方々との交流や地元自治体との連携を通して、地域との良好な関係を築いています。

国際親善、スポーツ・文化振興


次世代を担うアジアのリーダーの育成プログラム


2014年度以来、東芝国際交流財団はアスジャ・インターナショナルと共同で、ASEAN(東南アジア諸国連合)と日本の高校生を対象に次世代人材育成プログラム「Toshiba Youth Club Asia(TYCA)」を開催しています。コロナ禍により2020年度から2022年度は、オンライン形式の特別プログラムを開催しましたが、2023年度は、4年ぶりに対面形式のプログラムを復活。2024年3月23日から30日にかけて、TYCA Vol.8を開催しました。プログラム内容も刷新し、国連開発計画(UNDP)の駐日代表による最新のSDGs動向に関するレクチャーや、地球の水循環のテーマの世界的権威の東京大学・沖大幹教授によるワークショップなど、持続可能な地球の未来を創造する若者の構想力や行動力を養う場を提供しました。最終日には成果発表会が行われ、ASEAN各国の大使館の代表などの来賓が参加するなか、SDGsの主要テーマである質の高い教育、社会を支えるレジリエントなインフラ基盤づくり、貧困問題の抜本的な解決など、アジアを中心とする社会的な課題に対する2030年における共同プロジェクトをチームごとに提案しました。


スポーツ振興


スポーツを通じた青少年の健全な育成と、トップアスリートの活躍により夢と希望を感じていただくことをめざし、スポーツの振興に取り組んでいます。東芝スポーツのチームによる社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

災害復興支援

世界各地で事業を営む企業として、東芝グループは自然災害の発生に際し、被災地の復興に貢献していきたいと考えています。地域特性や被害状況に応じて適した方法を検討し、現金寄付、自社製品の提供、NGOとの協働のほか、従業員も募金やボランティア活動に取り組んでいます。
2023年度は、日本で発生した令和6年能登半島地震の被害に対して、寄付による支援などを実施しました。