「豊かな価値の創造」と
「地球との共生」の両立をめざして、
積極的に環境経営を進めます。
株式会社 東芝 常務執行役員 藤塚 真也
昨今、世界各国で発生している豪雨や洪水、年々増している夏場の暑さなど、地球温暖化に起因する異常気象が深刻な問題となっています。また、エネルギーや資源の枯渇が私たちの生活にもたらす影響も顕在化しつつあります。企業はこうした地球規模の環境課題に対し、より一層取り組みのレベルを高めることが求められています。
東芝グループは「人と、地球の、明日のために。」を経営理念の主文に掲げ、社会課題に向き合い、事業を通じてその解決に取り組んできました。10年後、20年後、次世代の子どもたちにこの美しい地球を残していくためにも、持続可能な社会の実現と企業経営を前提に、カーボンニュートラルの実現や、サーキュラーエコノミーへの移行、水リスクや生物多様性保全などのさまざまな課題にしっかりと向き合った環境経営を推進していくことが、私たちの使命と考えています。
東芝グループは長期ビジョン「環境未来ビジョン2050」のもと、「気候変動への対応」「循環経済への対応」「生態系への配慮」の3分野への取り組みを進めています。東芝グループの従業員だけでなく、ステークホルダーの皆様との活動を通じて、“豊かな価値の創造”と“地球との共生”をめざしてまいりますので、引き続きのご協力・ご支援をよろしくお願いいたします。
「気候変動への対応」
東芝グループは、2030年度までに自社グループの事業所、工場、オフィスでのカーボンニュートラル化、そして2050年度までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラル化をめざしています。省エネ設備への投資、再生可能エネルギー設備の導入など自社での積極的な温室効果ガス排出削減の取り組みを行うことはもとより、社会全体のカーボンニュートラル実現に向けた気運を大きなビジネスチャンスともとらえ、温室効果ガス削減に貢献する東芝グループの製品・技術・サービスをお客様に提供することで、事業と社会の持続性を高めていきます。
「循環経済への対応」
限りある資源のもと、事業活動と製品・サービスの両面で資源の有効活用を進め、経済合理性にかなう施策によって資源の価値を最大化することで、「サーキュラーエコノミー」の実現をめざします。業界団体、行政、他企業などとの積極的な連携のもと、循環経済型ビジネスモデルを追求します。
「生態系への配慮」
生物多様性の損失は、今後10年で最も急速に悪化するリスクの一つと言われており、気候変動と並ぶ世界的な重要課題です。私たちにとっても自然の恵みとなっている、水や土壌、大気などの自然資本の損失を止めるためにも、生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ」の実現に向けて世界各国が動いています。東芝グループにおいても、洪水や干ばつなど世界各地で深刻化する「水リスク」への対応や、「生物多様性の保全」に向けた活動を推進し、自然と人間が調和して暮らし、生態系からの恵みを享受し続けられる社会の構築に貢献します。

