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(株)東芝 研究開発センター、東芝エネルギーシステムズ(株)
亜酸化銅(Cu2O)を用いた透明なPVセルは、現在広く普及しているシリコン(Si)系太陽電池と重ね合わせてタンデム化することで、世界トップレベルの発電効率を実現した太陽電池であり、電気自動車(EV)など電動モビリティへの積載、自家発電システム及び分散電源への適用が期待されている太陽電池です。
本透過型Cu2O太陽電池(小型セル)単体での発電効率は、2022年9月に公表した※19.5%から1.0ポイント更新し、世界最高※2の発電効率10.5%※3を達成しました。また、発電効率25.6%の高効率Si太陽電池に積層したCu2O/Siタンデム型太陽電池全体の発電効率は30%に到達すると試算でき、現在のSi系太陽電池の世界最高効率27.1%※4を超えるポテンシャルを有することを確認しました。
このCu2O/Siタンデム型太陽電池を電気自動車に搭載した場合、充電なしの航続距離は1日当たり約39kmと試算することができました※5。今後充電なしで長時間走行可能なEVの実現や、電車などそのほかのモビリティへの搭載により、「運輸の電動化」を推進し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。
本成果の一部は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業の結果得られたものです。
- 高効率・低コスト・高信頼性タンデム型太陽電池の実現に向け透過型Cu2O太陽電池の世界最高発電効率を更新
- 当社調べ(2023年12月時点)
- 東芝レビュー Vol.79 No.2 (2024年3月) P9 「発電効率10 %を超えるCu2OセルをSiセルに積層した高効率タンデム太陽電池」 (PDF形式)
芝崎他、第71回 応用物理学会 春季学術講演会 「高効率・高信頼性Cu2O/Siタンデム太陽電池の実現に向けたCu2Oトップセルの発電効率向上」 - 2024年7月時点でのSi系太陽電池の世界最高効率。NREL “Best Research-Cell Efficiency Chart” https://www.nrel.gov/pv/cell-efficiency.html
- 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「太陽光発電システム搭載自動車検討委員会 中間報告書」を参考に試算(https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101114.html)
Cu2O/Siタンデム型太陽電池模式図
EVへの搭載イメージ