- 社会
- 気候変動
東芝エネルギーシステムズ(株)
東芝エネルギーシステムズ(株)は、2023年3月から2024年3月まで、CO2分離回収設備に用いられる高性能なCO2吸収液の開発を佐賀市と共同で実施し、開発を完了しました。この実証運転で良好な試験結果を得られたことにより、新吸収液「TS-X™」を製品化し、CO2分離回収設備の拡販を進めていきます。
当社は、2016年に佐賀市清掃工場に納入したCO2分離回収商用設備※1を用いて、新吸収液を活用し、合計8,000時間以上の運転を行いました。設備は長期間使用するため、吸収液の性能向上によるCO2分離回収設備の維持管理費抑制が求められます。実証運転では、吸収液の劣化速度及び大気中へのアミン成分排出量について比較を実施し、新吸収液の劣化速度は従来の3分の1まで、アミン成分排出量は10分の1程度にまで低減することを確認しました。
また、当社製パイロットプラントでも新吸収液の性能試験を並行して行い、天然ガス火力発電のように排ガス中のCO2濃度が低い領域で、現行の吸収液に比べ、特に回収エネルギーを低減できることを確認しました。
当社は、カーボンニュートラルの実現に向け、CO2分離回収技術開発によりCCUS※2の社会実装を支えてまいります。
- 佐賀市「清掃工場バイオマスエネルギー利活用促進事業」二酸化炭素分離回収活用システムの実証試験設備として納入
- CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage):火力発電所や工場などから排出されるCO2を分離回収、利用、貯留する技術
佐賀市清掃工場CO2分離回収設備の写真
(写真提供:佐賀市様 2021年3月撮影)