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東芝インフラシステムズ(株)
近年、気候変動による局地的大雨(いわゆるゲリラ豪雨)や竜巻による甚大な被害が大きな社会問題となっています。国内ではこの状況を受けて2018年6月に気候変動適応法が成立しており、国や自治体、企業などが気候変動のリスクに備える「適応策」に積極的に対応することが強く求められています。
東芝インフラシステムズ(株)はSIP※1「レジリエントな防災・減災機能の強化」の施策において、世界初※2となる実用型「マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ(MP-PAWR)」を開発しました。
MP-PAWRは、アンテナを従来の反射鏡型から最新のフェーズドアレイ型にしています。そのためアンテナを1回転させるだけで、地上から高さ15kmほどの空間の雨雲を最大半径80kmの範囲を30秒~1分で立体的にとらえることが可能です。また、高精度の降水観測機能を搭載した結果、従来型の気象レーダよりもゲリラ豪雨の兆候とその雨量を迅速に、かつ高い精度で観測できるようになりました。急速に発達する積乱雲を観測し、20~30分先の局地的大雨や竜巻危険度、雷の危険度を高精度に予測することが可能になるため、防災・減災の術として期待されており現在NICT※3未来ICT研究所など3か所にて運用され研究開発に活かされています。
- 戦略的イノベーション創造プログラム。科学技術分野におけるイノベーションを実現するために、内閣府/総合科学技術・イノベーション会議が2014年に創設した施策
- 水平偏波と垂直偏波を同時に送受信する二重偏波機能を有し、10方向以上を同時に観測可能なDBF(デジタル・ビームフォーミング)のリアルタイム処理機能を搭載した気象観測専用のフェーズドアレイレーダとして
- 国立研究開発法人 情報通信研究機構
- フェーズドアレイ気象レーダ(東芝インフラシステムズ(株))
レーダアンテナ装置
NICTに設置されたMP-PAWRレドーム