社会貢献活動

東芝グループは、持続可能な社会の実現に向けて、事業活動に加えて社会貢献活動にも積極的に取り組むことで、さまざまな社会課題の解決に寄与します。多くの東芝グループ従業員が自発的に社会貢献活動を行い、地域に貢献するとともに、自己を成長させていけるよう、社会貢献活動に取り組むための情報の提供や機会の創出を進めていきます。

2022年度の主な成果

  • 社会貢献プログラム数 968件

社会貢献基本方針


東芝グループは、東芝グループ経営理念である「人と、地球の、明日のために。」を具体化した社会貢献基本方針を定めています。
社会貢献基本方針に明示した5つの活動分野は、いずれも東芝グループが重要と考える社会課題に関連したものです。東芝グループは、事業活動と、事業で培った知見やリソースを活用した社会貢献活動を両輪として、社会課題の解決、SDGsの達成、そして持続可能な社会の構築に貢献していきます。
実践にあたっては、NPO、NGOなどのステークホルダーとの定期的な対話により、成果や事業への影響などを把握しながら、活動方針などを都度審議、決定しています。

東芝グループ社会貢献基本方針


  1. 東芝グループ経営理念、東芝グループ行動基準に基づき、積極的に社会貢献に努めます。
  2. 自然環境保護、科学技術教育、スポーツ・文化振興、社会福祉、国際親善の分野を中心に社会貢献活動を実施します。
  3. 従業員のボランティア活動を支援します。

東芝グループにおける社会貢献活動の位置づけ

社会貢献の推進体制


東芝グループでは、社会貢献基本方針に基づき、東芝のサステナビリティ推進部と本社スタフ部門や主要グループ会社などが連携して計画、実行しています。
災害復興支援やNPO・NGOなどへの寄付については、社内規定に基づき適法性と適正性を審査したうえで実施しています。

社会貢献活動推進体制(東芝グループ)

従業員の社会貢献活動とその支援

2022年度に社会貢献活動に参加した東芝グループの従業員はのべ149,145人でした。
より多くの従業員が社会貢献活動を通じて社会とつながりをもち、社会課題の解決に貢献することができるよう、東芝では従業員の社会貢献活動を支援する制度を整えて支援しています。従業員はボランティア活動などを目的に自身の年休を積み立てて長期休暇を取得することができます。

社会貢献活動への支出額分野別内訳


社会貢献活動への支出額分野別内訳(2022年度)

社会貢献賞(Toshiba “ASHITA” Award)


東芝グループでは、社会貢献活動の更なる活性化を図るために、前年度に国内外で実施した社会貢献活動を、目的、従業員の参加、独自性、継続性、社会への影響、社外団体との協働の有無など9項目で評価し、顕著な成果をあげた活動に対して、社長表彰を授与しています。
2022年度は、2021年度に実施された751件の社会貢献プログラムのなかから、下記3件を表彰しました。

2022年度社会貢献賞(Toshiba “ASHITA” Award)受賞プログラム

  • 「子供たちの未来のために-児童養護施設の子供たちと交流、寄付活動-」(シンガポール東芝グループ)
  •  「小学校への『環境出前授業』の開催 ~省エネや環境問題解決と半導体の役割~」(豊前東芝エレクトロニクス株式会社)
  •  「低所得者コミュニティでの高校運営の支援」(東芝アフリカ社)

東芝グループ ボランティア・デイズ


東芝グループでは、2014年度から毎年、国連が定める国際ボランティアデーである12月5日の前後に「東芝グループ ボランティア・デイズ」を実施しています。これは、東芝グループの全員が一斉に参加し、個々の力では成し得ない大きな貢献を社会に果たすことを目的とした活動です。
2022年度は、グローバルで168件の活動に約7万人の従業員が参加し、各拠点で清掃活動やフードドライブ、社員食堂での災害地復興支援特別メニューの提供など、それぞれの地域の課題をふまえた独自の社会貢献活動を行いました。また、多くの従業員がこの期間に献血や寄付など自主的な社会貢献活動を実施しました。

全拠点一斉でフードドライブを実施
(東芝産業機器システム株式会社)

2010年より毎年募金活動(7月・12月の2回)
を実施し「あしなが育英会」へ寄付
(東芝ITコントロールシステム株式会社)

科学技術教育


科学のすごさと面白さを楽しく体験できる東芝未来科学館

東芝の社会貢献活動の一つである科学技術教育支援の拠点として東芝未来科学館があります。

当館には、先端科学技術・事業の取り組みの紹介、産業遺産の保存と歴史の伝承、次の時代を担う青少年への科学技術教育の推進、の3つのミッションがあります。豊かな暮らしを生み出してきた二人の創業者の功績や電気産業の歴史の展示、量子暗号通信、重粒子線治療装置など安心・安全な社会をつくる東芝グループの最先端技術や事業の紹介、さまざまな実演・実験ショーやイベントを通して科学技術のすごさと面白さを楽しく体験しながら学ぶことができます。JR川崎駅前の好立地を活かしてお気軽にご来館・ご見学いただけるだけでなく、よりたくさんのお客様に楽しんでいただけるよう時代のニーズに合わせ、オンラインを活用したイベントや動画配信も推進しています。
当館は、2021年5月には、SDGsの達成に向けて取り組む企業・団体を川崎市が登録・認証する制度「かわさきSDGsパートナー」に認証されました。

東芝未来科学館の
展示ホール

アメリカとカナダの子どもたちを対象とした科学技術コンテスト

アメリカとカナダの、幼稚園から12年生(高校3年)までの生徒を対象とした科学技術コンテスト「エクスプロラビジョン・アウォード(EVA)」を、1992年から全米科学教師協会(NSTA)との協働で実施しています。
EVAは、次世代を担う子供たちが現在の科学技術をもとに10年以上先の新しい技術を予測する、夢のある科学技術コンテストです。北米における日本企業の科学教育支援活動として長い歴史をもち、2022年で30周年、第30回を迎え、これまでに約42万人の子どもたちが参加しています。2022年はアメリカ及びカナダ各地から約1,900組の応募があり、6月には2年ぶりに対面式での表彰イベントが行われました。参加者から「EVAのプロジェクトに取り組んでみて、バイオテックの方向に進みたいと真剣に思うようになった。STEMの分野の女生徒として、自信が持てるようになった。」などのコメントが寄せられました。

  • STEM:Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の4つの教育分野の総称

【2022年の優勝校】

  • 幼稚園~小学校3年生の部
    Nightmare-No-More Pajamas (悪夢を見なくなるパジャマ)
    グリーンフィールド小学校 - ペンシルバニア州フィラデルフィア Greenfield Elementary
  • 小学校4~6年生の部
    Fungi Plastivore Purifier (プラスティヴォーレ菌類洗浄装置)
    クイーン・オブ・ピース - オレゴン州セーラム Queen of Peace
  • 中学校1~3年生の部
    CC Bot (Coronary Cure Bot) (冠動脈治療ナノロボット)
    シアトルプレパラトリースクール - ワシントン州シアトル Seattle Preparatory School and Holy Names
  • 高校1~3年生の部
    iSpyStroke (脳卒中を感知する睡眠用マスク)
    イリノイ大学附属研究所高校 - イリノイ州アーバナ University of Illinois Laboratory High School

第30回EVA受賞者

子どもたちが受賞したアイデアを披露

中国の大学生による教案コンテスト

中国の科学・技術人材の育成に貢献するために、東芝は中国教育部と協働で2008年から「中国師範大学理科師範大学生教学技能創新コンテスト(教案コンテスト)」を開催しています。このコンテストでは、日本の教育大学にあたる4年制師範大学で物理、化学、数学の理系教師を志す学生たちが、授業での教え方の技能を競います。入賞者と指導教師を日本に招待し、日本の科学技術や文化を体験するとともに、教師・学生と交流する機会を提供しています。
2020年度以降は新型コロナウイルス感染症の影響により実施していません。

2019年度に
東芝イノベーション賞を受賞した
華南師範大学の陳徳成さん (左)

子ども向け環境教育プログラム

NPO法人 企業教育研究会と協働で、2017年に開始した小学生向けの科学教育プログラムを東京近郊又は製造拠点が立地する地域の小学校や全国のイベント会場などで実施しています。

小学生向けサイバーセキュリティ教材

私たちの身近に潜むサイバーリスクの脅威とそれを防ぐサイバーセキュリティの重要性に関する啓発活動の一環として、サイバーセキュリティについて楽しく学べる学習ドリル「うんこドリル サイバーセキュリティ supported by TOSHIBA」を株式会社文響社と共同で制作しました。

奨学金

東芝グループは、各国の学生や研究室に奨学金を支給し、次世代を担う人材の育成に寄与しています。また、各地の事業場では、地域からの要請に基づいて、施設の見学や実習、数週間のインターンシップを受け入れています。
東芝は、東日本大震災で被災した岩手・宮城・福島県内の大学生230名に、学業終了まで毎月10万円を支給しました。
ベトナムでは、2005年よりベトナム国家大学ハノイ校・ホーチミン校の学生約30人を対象に、毎年総額約300万円の奨学金を授与し、同校とソフトウェアに関する共同研究も行っています。なお、同大学からの卒業生が当社現地法人の東芝ソフトウェア開発ベトナム社に入社し、働いています。
東芝情報機器フィリピン社は経済的に恵まれない高校生に、大学又は職業技術教育機関での教育を提供する奨学金制度を2008年に設立し2018年の制度終了まで90人の学生を支援しました。

工場見学・インターンシップ

各地の事業場では地域からの要請により、施設の見学や実習を受け入れています。

東芝 CPSxデザイン部 デザイン部門:

学生の皆様に自己の可能性や将来のキャリア形成への気づきを得ていただく機会として、インターンシップを年に数回開催しています。2022年夏は『実務体験型』のインターンシップを3年ぶりにオフィスで開催しました。チームでのプロジェクト推進、クライアントとのコミュニケーション、マーケティングや企画とのかかわりなど、実際のビジネスにおけるデザイン業務を社員や他大学の学生の方と交流しながら実習いただきました。

インターンシップ開催の様子
(東芝 CPSxデザイン部 デザイン部門)

自然環境保護


生物多様性保全への取り組み

東芝グループは、生物多様性の保全に貢献することを目標に5つの活動テーマを設定し、事業所内外において従業員参加型による取り組みを推進しています。

  •  ①生態系ネットワークの構築、②希少種の保護、生息域外保全、③海洋プラスチック問題への対応、 ④気候変動への対応(緩和・対策)、⑤水の保全

地域社会への貢献


東芝グループはグローバルで事業を展開しており、事業場のある地域を中心とした雇用創出や納税、現地調達を含む最適地調達活動の推進など、事業活動を通じて地域社会の発展に貢献しています。同時に、福祉や清掃など周辺地域との交流を通じた貢献にも取り組んでいます。

フィリピンで工場近隣地域の医療に貢献

東芝情報機器フィリピン社では、2006年から近隣の貧困地域に医師・歯科医・看護師と多数のボランティア従業員からなるチームを派遣し、地域住民へ医療診断、歯科診断、医薬品を無料で提供しています。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により活動できませんでしたが、2021年は医療・歯科ミッション活動の代わりにCOVID-19予防キットを地元バランガイのコミュニティ・フロントライナーへ提供し、物資を増強しました。2022年は医師・歯科医の派遣を再開し、看護師と多数のボランティア従業員も含めた85人の医療チームにより、近隣住民854人に診察や抜歯を行いました。

無料の医療提供
(東芝情報機器フィリピン社・2020年2月)

社内販売会による地域貢献

東芝グループでは、2004年から障がいのある方の経済的自立・社会参加支援を目的として昼休みに社内販売会を開催しています。
小向事業所では、新型コロナウイルス感染拡大により対面の販売会が難しいなか、2022年度も引き続き、近隣の地域活動支援センターでつくられた商品を事前予約制で販売しました。また、被災地復興応援を目的として各地の特産品の販売も実施しました。

販売したメガネ立て

周辺地域のより良い環境づくり

東芝グループ各社では、各事業拠点のより良い環境づくりに努めています。2022年度は、国内外の事業拠点で従業員による周辺地域の清掃を225回実施しました。また、近隣緑地整備や地域のイベントへの参加などによる近隣住民の方々との交流や地元自治体との連携を通して、地域との良好な関係を築いています。

国際親善、スポーツ・文化振興


次世代を担うアジアのリーダーの育成プログラム

2014年度以来、東芝国際交流財団はアスジャ・インターナショナルと共同で、ASEANと日本の高校生を対象に次世代人材育成プログラム「Toshiba Youth Club Asia(TYCA)」を開催しています。2020年度および2021年度はコロナ禍により新規参加者が募れなかったことから、過去6回のプログラムに参加したメンバー(アラムナイ)合計100名を対象としたオンラインのプログラムを実施しましたが、2022年度は、2年ぶりにASEAN及び日本の高校生から参加者を募り、TYCAをオンライン形式で開催しました。2022年12月から2023年3月にかけて計5日間、アジア各国と連携して事業を行う起業家2名によるウェビナーや、参加者が4チームに分かれて、より良い2030年に向けてどのように貢献したいかを議論するワークショップなどを実施しました。また、アラムナイのなかから10名のボランティアがワークショップのファシリテーターを務め、プログラム成功の原動力となりました。最終日には成果発表会が行われ、ASEAN各国の大使館の代表などの来賓が参加するなか、SDGsの主要テーマである質の高い教育、男女共同参画、気候変動、貧困、食糧問題など、社会的な課題に対する2030年における共同プロジェクトをチーム毎に提案し、また、各自が将来への抱負を述べました。

スポーツ振興

スポーツを通じた青少年の健全な育成と、トップアスリートの活躍により夢と希望を感じていただくことをめざし、スポーツの振興に取り組んでいます。東芝スポーツのチームによる社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

災害復興支援


世界各地で事業を営む企業として、東芝グループは自然災害の発生に際し、被災地の復興に貢献していきたいと考えています。地域特性や被害状況に応じて適した方法を検討し、現金寄付、自社製品の提供、NGOとの協働のほか、従業員も募金やボランティア活動に取り組んでいます。

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