従業員の安全健康

従業員一人ひとりが輝き躍動するためには、心身の健康保持増進が基盤であり、その前提として、安全で快適な職場環境づくりが必要です。東芝グループは、「生命・安全、コンプライアンス」を最優先に従業員の安全健康をサポートしています。

取り組むべきKPIと実績

業務上災害による死亡者数

2021年度実績
2022年度目標 ゼロ(発生なし)
2022年度実績 (海外)
2023年度目標 ゼロ(発生なし)
2021年度実績
2022年度目標 ゼロ(発生なし)
2022年度実績 (海外)
2023年度目標 ゼロ(発生なし)

業務上災害の強度率※1

2021年度実績 0.050
2022年度目標 0.010※2以下
2022年度実績 0.005
2023年度目標 0.010※2以下
2021年度実績 0.050
2022年度目標 0.010※2以下
2022年度実績 0.005
2023年度目標 0.010※2以下

従業員のメタボリックシンドローム
対象者率※1

2021年度実績 34.3 
2022年度目標 2025年度末までに28.6%以下※3とし、それまでの各年度の目標は、前年度以下の値とする
2022年度実績 34.6
2023年度目標 2025年度末までに28.6%以下※3とし、それまでの各年度の目標は、前年度以下の値とする
2021年度実績 34.3 
2022年度目標 2025年度末までに28.6%以下※3とし、それまでの各年度の目標は、前年度以下の値とする
2022年度実績 34.6
2023年度目標 2025年度末までに28.6%以下※3とし、それまでの各年度の目標は、前年度以下の値とする
  • 国内東芝グループが対象
  • 2020年電気機械器具製造業(1,000人以上規模)の平均値(厚労省公表値)を目標値とする
  • 2019年全国平均値(厚労省公表値)を2020年度上期安全健康経営会議にて目標値として決定

2022年度の主な成果

  • 健康管理に関する取り組みの結果、東芝及び国内グループ会社の7団体が大規模法人部門、1社が中小規模法人部門として日本健康会議から「健康経営優良法人2023」に認定。また、(株)東芝および4分社会社、東芝ライテック(株)、東芝産業機器システム(株)は、健康経営度調査結果の上位500法人として「ホワイト500」としても認定。
  • 経済産業省支援のもと、経済団体などの民間組織にて組織された会議体

安全健康基本方針及び安全健康経営宣言


安全健康基本方針

東芝グループは、安全健康への誓いを経営トップ自らが宣言し、従業員全員が共有することを目的として、2004年に「東芝グループ安全健康基本方針」を制定しています。2018年の東芝グループ理念体系の改定を機に実施した見直しに際しては、新しい労働安全衛生マネジメントシステム規格であるISO45001の要求事項をふまえ、方針4.に掲げるように請負業者も含む事業にかかわる多様な立場の、働く人々への配慮を明記しています。

「東芝グループ安全健康基本方針」


東芝グループは、人間尊重を旨とする『東芝グループ経営理念』に基づき、サステナビリティ経営推進企業として世界各国の文化や慣習を尊重しながら、持続可能な社会の実現に貢献する事業活動を展開していきます。
そのために、全ての事業活動において生命・安全・コンプライアンスを最優先しグループをあげて「安全で快適な職場環境づくりと心身の健康保持増進」を推進します。

  1. 安全健康を経営の最重要課題の一つに位置づけ、「安全健康管理活動の継続的な改善」により「業務に起因する負傷および疾病の予防」に努めます。
  2. 労働安全衛生法規等およびグループ各社が履行することを決めた指針および自主基準等を遵守します。
  3. 次の事項について目的・目標を定め、実行します。
    (1) 労働災害や職業性疾病の撲滅ならびにこれらを誘発する危険源の除去およびリスクの低減
    (2) 全従業員が個々の能力を十分発揮するための心身の健康保持増進
  4. グループの事業にかかわる多様な立場の働く人々およびその代表と安全健康への取組みを適切に協議し、参加を支援します。
  5. 各種の安全健康コミュニケーションを通じ、社会の安全健康管理水準の向上に貢献します。

安全健康経営宣言

東芝グループが社会課題を解決し、社会の更なる発展に貢献していくためには、従業員の働きがいの向上に向け、働く環境の拡充や業務改革などの働き方改革の推進が重要です。働き方改革の着実な推進は、従業員一人ひとりが安全かつ健康でいきいきと働き、充実した生活を送ることが基本となることから、従業員の活力向上に資する安全健康活動が必要となります。

東芝グループでは、従来の安全健康管理活動を更に向上し、経営トップから各従業員まで浸透を図るこの活動を「安全健康経営」と定め、2018年12月の東芝グループCSR大会において、この立ちあげを宣言しました。最高安全健康責任者(CHSO:Chief Health & Safety Officer)を人事・総務部担当役員と定め、安全健康経営における、経営層、管理職、安全健康担当そして従業員の果たすべき役割を明記した安全健康経営宣言を制定し、CHSO名で発信しています。また、この安全健康経営の浸透を図るため、2019年度からCHSOを議長とする「安全健康経営会議」(後述)を設け、定期的に開催することとしています。

「東芝グループ安全健康経営宣言」


東芝グループは、豊かな価値を創造し、世界の人々の生活・文化に貢献し続けるため、その最大の財産である従業員の安全と健康を経営の最重要課題に位置づけ、「安全健康経営」を推進します。
この実現のため、「東芝グループ安全健康基本方針」に基づき、各階層が以下の責務を確実に果たすことのできる体制を整備し、安全健康に係る定期監視指標を定め、労働安全衛生マネジメントシステムの構築・運用の中で継続的改善を目指します。

1.経営層(各部門のリーダー)は、「安全健康経営」を率先垂範します

  • 安全健康の各種指標を経営の最重要指標のひとつと捉え、その改善の重要性を発信します
  • 自社の安全健康上の課題・リスクに見合った経営資源(ヒト・モノ・カネ)を投入します

2.管理職は、部下の安全と健康を確実に配慮します

  • 日々の労務管理の中で部下の安全健康に気を配り、課題があれば適時適切に対処します
  • 社内規則に従い、部下の安全健康を担保する機会・時間を適切に確保します
  • コミュニケーションの良い、活気溢れる職場づくりに努めます

3.安全健康スタフは、事業場の安全健康文化の醸成に努めます

  • 日々事業場の安全健康上の課題を分析し、予防安全、疾病の一次予防に注力します
  • 自らの専門性を高め、ライン・部門に対し適切な支援・助言・指導を行います
  • 継続的な安全健康管理を担保するため、協力者を含む安全健康人材の育成に努めます

4.従業員は、自律的かつ相互間の安全と健康の確保に努めます

 従業員の皆さんに次の事項をお願いします

  • 関係諸機関が提供する各種の制度・機会を活用し、自身の安全確保、健康保持増進に努める
  • 自身と家族の安全と健康は東芝グループにとってのかけがえのない財産と心得、日頃から安全第一の行動、健康第一の生活習慣を心がける
  • 自身で解決困難なことは、「上司や同僚」、「安全健康スタフ」、「各種外部相談窓口」等に相談する
  • 周囲の人々の様子と環境についても気を配り、相互に助け合いながら、安全と健康を確保できる職場づくりに努める

【参考】「安全健康」という表現について

「労働安全衛生」を表す略語の「OHS」の「H」は「Health」であり、直訳すれば「健康」となります。東芝グループでは、従来の「衛生(hygiene、sanitationの印象)」よりも一歩踏み込んで、心身の健康づくりの意味も含めた前向きな受け止め方を表現しつつ、「衛生」よりも「健康」とする方が従業員にも理解しやすくなじみやすいという趣旨から「安全健康」としています。

安全健康推進体制


ライン管理

東芝グループの安全健康管理活動は経営トップから従業員までの職制によるライン管理体制のもと、グループ統括部門であるコーポレートからグループ会社を通じて施策を落とし込み、事業場(又はグループ会社)単位で具体的な安全健康管理活動を展開しています。

国内東芝グループ安全健康推進体制

国内の各事業場(グループ会社)では、専門スタフの選任、安全衛生委員会の開催などの法定事項の履行に加え、自主的な専門委員会、職場委員会を立ちあげるなど、作業内容や、工程のリスクに応じたプラスアルファの積極的な取り組みを実践しています。

国内東芝グループの事業場の安全健康管理体制

各階層における参加、協議、コミュニケーション

国内東芝グループでは、以下のとおり、各種のコミュニケーション機会を設定しています。

安全健康管理にかかる参加、協議、コミュニケーション

階層 対象 機会 コミュニケーション機能
コーポレート 社長・役員・
主要グループ会社社長
安全健康経営会議
(年2回)
東芝グループ安全健康経営施策の審議、協議
労組本部
(従業員総代表)
中央安全衛生委員会
安全衛生報告会
東芝グループ安全健康施策についての協議、情報共有
グループ会社
安全健康担当責任者
安全健康担当責任者会議
(年1回)
グループ会社 従業員代表 会社安全衛生委員会など
(会社による)
必要に応じ会社個別に実施
事業場 事業場労組幹部
(従業員代表)
(法定)安全衛生委員会
(月1回)
事業場安全健康施策の審議、協議
協力業者等 安全衛生連絡会等
(事業場による)
事業場内の安全衛生関連事項の協議、情報共有
建設現場
(元方事業者の時)
関係請負業者 (法定)安全衛生協議会
(月1回)
工程での災害防止に関する事項を協議
階層 対象 機会 コミュニケーション機能
コーポレート 社長・役員・
主要グループ会社社長
安全健康経営会議
(年2回)
東芝グループ安全健康経営施策の審議、協議
労組本部
(従業員総代表)
中央安全衛生委員会
安全衛生報告会
東芝グループ安全健康施策についての協議、情報共有
グループ会社
安全健康担当責任者
安全健康担当責任者会議
(年1回)
グループ会社 従業員代表 会社安全衛生委員会など
(会社による)
必要に応じ会社個別に実施
事業場 事業場労組幹部
(従業員代表)
(法定)安全衛生委員会
(月1回)
事業場安全健康施策の審議、協議
協力業者等 安全衛生連絡会等
(事業場による)
事業場内の安全衛生関連事項の協議、情報共有
建設現場
(元方事業者の時)
関係請負業者 (法定)安全衛生協議会
(月1回)
工程での災害防止に関する事項を協議

東芝では、2019年度から半期ごとに安全健康経営についての経営トップとのコミュニケーション機会となる「安全健康経営会議」を開催しています。この会議では、CHSOを議長とし社長をはじめとするコーポレート担当役員、主要グループ会社社長が出席し、東芝グループの安全健康に関する概況及び施策推進状況の確認と次年度推進目標・施策についての審議を行っています。安全健康業務の担当役員が監査委員会へ執行業務状況報告を行い情報を共有しています。
また、労働組合本部とは「中央安全衛生委員会(下期)」「安全衛生報告会(上期)」(いずれも法定外)を開催し、密なコミュニケーションを通じて全社安全健康施策が従業員の視点をふまえた活動となるよう努めています。2023年1月の中央安全衛生委員会では、2023年度の全社の安全健康推進目標とともに、労働安全衛生マネジメントシステム(以下、「OHSMS」)の更なる改善を労働組合本部と共有しました。
国内東芝グループの横断的取り組みとしては、グループ各社・事業場の安全健康担当責任者が参加して年に1回、「東芝グループ安全健康担当責任者会議」を開催し、グループ全体の労働災害発生状況や推進目標のほか重点課題への取り組みや各拠点の活動状況などを報告しています。
一方、事業場においては、安全健康施策に対する従業員の参加、協議、コミュニケーションの機会として月1回の安全衛生委員会(法定)等が開催され、事業場の安全健康基本方針や年度目標・推進計画など、労働安全衛生マネジメントシステムに関する諸施策が、審議・決定されています。安全衛生委員会等はその重要性を鑑み、定期開催を継続しています。また、事業場における構内常駐協力業者、東芝グループ会社が元請の建設現場における関係下請業者など、グループの事業にかかわる業務に従事する方々についても、安全衛生協力会や安全衛生協議会等の機会確保を通じ、グループとして適切なコミュニケーションに努めています。
海外東芝グループでは、現地法人の所在国における法律やOHSMSの要求に沿った適切な体制を現地法人ごとに構築しています。

【参考】 先達のDNAを引き継ぐ東芝の安全健康活動


東芝の安全健康活動の歴史は、東芝の前身である東京電気の時代にさかのぼります。

1914年(大正3年)、当時の庶務課長であった蒲生俊文が、悲惨な感電事故の現場を目撃したことをきっかけに生涯を安全運動に捧げ、1917年(大正6年)に内田嘉吉らとともに安全第一協会を設立するなど、日本の安全運動の中心的存在となって活躍しました。安全旗などに用いられる緑十字は、蒲生俊文が考案し、全国安全週間のシンボルマークとして採用されたのがはじまりといわれています。
東芝グループは、このDNAを受け継ぎ、従業員の安全と健康に注力し続けてきました。この年々の積み重ねから、国内の労働災害発生率(災害度数率)は、全国の製造業や業界平均を下回る水準を維持しています。

蒲生俊文

労働安全衛生マネジメントシステムの推進


東芝グループでは、死亡災害又は一度に複数名の休業以上程度の災害を重大災害と定義し、この撲滅に努めています。東芝グループには多数の業種の会社が存在しますが、これらのなかで過去の事例から重大災害の発生リスクが相対的に高く、第三者審査をともなう国際的なOHSMS規格を導入すべきターゲット業種を定め、その業種の製造会社について2007年度からOHSAS18001規格導入と社外認証取得を進めました。2020年度には適用規格をISO45001※1へ移行し、国内(2022年度)ではほぼすべての東芝グループ製造会社と一部の非製造会社36社(国内全人員に占める取得会社の人員数の割合は79.5%)、海外ではテックグループを除いて27社(調査対象会社の全人員に占める取得会社の人員数の割合は84.7%)が認証を取得しています。このOHSMSに基づき、リスクアセスメント(以下「RA」)による安全健康リスクの評価と管理及び法令などの遵守管理※2を継続的に行い、「見える安全管理」を進めています。
また、ISO45001取得対象以外のグループ会社も、業界の定めるガイドラインに則ったOHSMS、又は安全健康基本方針や推進計画に基づく簡易なPDCAサイクルを運用しており、コーポレートではこれらの活動のプロセス評価を定期的に実施することにより、OHSMSの底上げとレベルアップを図っています。

  • ISO(国際標準化機構)が2018年に定めたOHSMSの国際規格
  • ISO45001で遵守管理している主な規制類で、具体的には以下
    • 労働安全衛生法
    • 労働安全衛生規則ほか関係規則の規制
      有機溶剤中毒予防/特定化学物質等障害予防/電離放射線障害予防/酸素欠乏症防止/鉛中毒予防/石綿障害予防/事務所衛生基準/ボイラー及び圧力容器安全/クレーンなど安全/ゴンドラ安全 など
    • その他の法令の関連規制
      じん肺法/作業環境測定法/健康増進法/ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)/毒物及び劇物取締法/高圧ガス保安法/消防法/道路交通法 など

国内東芝グループ各社の運用するOHSMSの主な適用範囲は、労働安全衛生法に基づく使用者(会社)と従業員(各種従業員、派遣(受入)社員など)が基本です。しかし、その他の協力業者など(構内常駐協力業者、下請業者など当社グループの事業にかかわる業務に従事する方々)についても、彼らが直面する可能性のあるリスクを事前に特定・評価し、入構時教育などで伝達するとともに、安全衛生協力会や連絡・調整の機会、緊急事態訓練の共同実施などで施策を共有することで、各種安全健康活動への協力と参画を依頼しています。

ISO45001登録証

安全と健康に関するリスク評価と管理

安全健康にかかわる危険源の特定、リスク評価など

国内東芝グループでは、国の定める「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」に基づき、2種類(労働安全衛生一般/化学物質)のRA(リスクアセスメント)を実施し、OHSMS運用のなかで、危険源を特定※1し、リスクを評価し、管理策※2の策定につなげています。このRAでは当社グループ従業員が、自身だけではなく、その他の協力業者や来客などが遭遇する危険源についても特定に努めています。
RAの有効性を担保するため、安全担当スタフ向けのRA教育やリスク評価者向けのRA教育によりその力量を確保するとともに、リスク保有部門による年一回の定期見直しや内部監査による監査を通じ、RAの結果の妥当性を確認しています。
また、RAなどで特定した緊急事態に対しては、発生時の対応手順を定め、必要により協力業者も含めた対応(避難)訓練を定期的に実施し、有事の際のスムーズな避難に備えています。
海外東芝グループにおいても、OHSMSの認証を取得している法人を中心に、規格の要求事項に応じたRA及び抽出したリスクへの対策を行っています。
労働災害が発生した場合には、当該災害の危険源や発生原因を特定のうえ、災害発生前と想定施策実施後のリスクをRAで評価し、東芝グループ内での確実な是正につなげています。

  • 危険源の特定手段としてRAのほか、作業前の危険予知、ヒヤリハット報告、職場巡視(経営トップ、産業医、衛生管理者など)を実施しRAを補完
  • 評価したリスクへの管理策は、①危険源の除去、②危険源に代わる代替物の採用、③工学的対策などを検討のうえ、諸条件を総合的に判断しこれらが適用できない場合に、④作業手順書への反映、教育による力量確保などの管理的手法、⑤保護具の着用などを選択

災害対策

東芝グループでは、従業員の生命・身体の安全確保を最優先とし、会社の社会的信用、財産、設備を守るとともに、お客様や株主様などのステークホルダーに対する企業の社会的責任を全うするという方針のもと、国内で発生する大規模地震や風水害をはじめとした各種自然災害などへの対策の基本的な考え方を「東芝グループ災害対策・BCP基本要綱」として定めています。
この要綱では平時における東芝のスタフ部門、東芝グループ各社及び各事業場での災害対策に関する実施方針・施策の立案並びにBCPの策定などの役割などを規定しており、各社・各組織は役割にしたがって災害への備えに努めています。また、災害時については、東芝の社長を本部長とする「東芝グループ災害対策統括本部」を設置し、東芝グループ各社・各事業場にて設置する災害対策本部と連携しながら、救援・復旧活動の調整・指揮・支援を実施する体制が定められています。
なお、来るべき災害に備えて、各種規程類の整備や従業員を対象とした教育・訓練、災害時に必要になる備蓄品や機器の配備などの施策にも取り組んでいます。

【取り組み事例】


防災体制の整備

  • 全社防災体制の維持(各種規程類、ガイドラインの整備など)
  • 各社・各拠点における消防計画及び防火防災管理規程の整備・体制構築

教育・訓練の実施

  • 従業員を対象とした防火・防災教育の実施、防災意識啓発用ガイドブックの発行
  • 各種訓練の実施(避難訓練、安否確認、災害対策本部運営訓練など)

災害対策物資の配備

  • 各拠点における災害用備蓄品の確保
  • 各社・各事業場災害対策本部間及び災害対策統括本部内の非常用通信インフラの整備
    (衛星携帯電話及び災害時優先携帯電話の配備など)

その他のクライシスリスクへの対応

東芝グループでは、日本以外の国・地域において、グループの関係者、関係施設の被害及び関係者、関係施設が第三者に及ぼす被害を事前に予防、回避し、万一被害が発生した場合は、その被害を最小限にとどめることを目的とし、海外安全業務の基本方針を定め、運用しています。
また、新規プロジェクトの推進にあたっては、必要に応じて、現地法令、周辺環境、インフラ、設備、使用物質などのリスクを事前確認(RAなど)しています。

全ての事業活動において生命・安全・コンプライアンスを最優先

東芝グループでは、安全衛生に関する項目(国内においては、労働協約や就業規則など)を定め、従業員の基本的行動として、生命を脅かすようなリスクに直面した際、まずは上長(又は総務部門)へ報告し、その指示に従うことが求められています。しかし、従業員は時間的に報告が困難な場合にまずは自らの身を守るための退避を優先することが認められ、この退避を理由に不当な取り扱いを受けることはありません。

「労働安全衛生マネジメントシステムの推進」の予算化について
上記の活動を継続的に実施するため、下表の事項について適宜予算化しています。

  コーポレート グループ各社・事業場
ISO45001認証維持 コーポレートが主導する統合認証における審査登録機関に対する審査費用等 自社・事業場が認証を受けている場合、審査登録機関に対する審査費用、内部監査員養成費用等
安全と健康に関するリスク評価と管理

災害データベースの維持費等

リスク低減するための管理策実施(設備改善、代替物購入、保護具整備等の)費用等
災害対策・その他クライシスリスクへの対応 防災体制整備のための資格取得費、災害用備蓄品の確保、非常用通信インフラの整備費等
  コーポレート グループ各社・事業場
ISO45001認証維持 コーポレートが主導する統合認証における審査登録機関に対する審査費用等 自社・事業場が認証を受けている場合、審査登録機関に対する審査費用、内部監査員養成費用等
安全と健康に関するリスク評価と管理

災害データベースの維持費等

リスク低減するための管理策実施(設備改善、代替物購入、保護具整備等の)費用等
災害対策・その他クライシスリスクへの対応 防災体制整備のための資格取得費、災害用備蓄品の確保、非常用通信インフラの整備費等

安全健康に関する意識啓発・教育


トップメッセージ

東芝グループでは、毎年、全国安全週間(7月)や全国労働衛生週間(10月)などの機会に、東芝のトップが、安全健康への決意を込めたメッセージを従業員に発信しています。2020年度からは社長に加え、CHSOからもメッセージを届けています。
これらグループ全体に向けたメッセージに加え、海外も含めた各グループ会社・事業場においても、それぞれのトップが従業員にメッセージを発信するほか、独自の取り組みを展開しています。

東芝グループ安全健康大会

1975年度に第1回を開催以来、毎年12月、国内東芝グループの経営トップ、労働組合代表と安全健康担当者を主な出席者として「東芝グループ安全健康大会」を開催してきました。優れた安全健康活動を推進し、他の模範となる事業場や小集団、個人に対して社長表彰や表彰事例の発表などを通じて、情報共有による安全健康活動の底上げと意識高揚を図っています。2008年度からは「東芝グループCSR大会」と統合してグローバルな実施形態とし、海外グループ会社の優れた活動に対する表彰も行うようになりました。2020・2021年度は新型コロナウイルス感染症対策の観点から集合形式での大会は行わず、オンラインでの表彰事例発表会、社内サイトへの資料掲載等により、表彰事例の共有を図りました。2022年度からは集合形式とオンライン形式の良い部分を組み合わせたハイブリッド形式で開催しています。
安全健康表彰は、グループの安全管理、労働衛生3管理※活動の改善を促進し、従業員の安全健康活動への参画意識を高めることを目的に、「安全健康表彰規程」を定め、「安全健康推進賞」「安全健康改善賞」「安全健康標語」を設けています。
2022年度安全健康改善賞3グループが表彰を受けました。安全/健康標語は2023年度から募集要項を変更し、グループの安全健康施策によりフィットした標語となるよう、また選出された標語をポスターにするタイミングの改善をはかりました。受賞した安全健康標語は当年度の安全健康ポスターとして、あるいはモニターへの表示物として日本全国の東芝グループ事業場で掲示されています。

  • 環境汚染を防ぎ、有害要因へのばく露や作業負荷を軽減する作業方法を定め、それが適切に実施されるようにする「作業管理」、法定の作業環境測定や化学物質RAなどを通じ、作業環境中の有害因子の状態を把握・評価し、極力良好な状態に保つ「作業環境管理」、従業員一人ひとりの健康状態を健康診断で確認し、異常の早期発見、増悪防止、更には、元の健康状態に回復するための医学・労務管理的な措置をする「健康管理」の3種の衛生管理を指します。

2022年度安全健康表彰受賞例


◆安全健康改善賞

  • 復興・災害復旧工事における 安全改善活動
  • マテハン作業のリスク低減による安全性向上
  • 動力係員 所在確認・健康支援ツール導入

◆2023年度安全/健康標語ポスター

安全衛生教育・訓練

国内東芝グループでは、東芝から事業場の各階層において各種の安全衛生教育を実施しています。
東芝では、新任や中堅クラスの安全衛生業務従事者や産業保健専門職向けに定期的な全社教育を実施し、安全健康スタフとしてのスキル向上とともに、国内東芝グループ全従業員に対し健康e-ラーニングを実施しヘルスリテラシーの向上に努めています。
事業場では労働安全衛生法に基づく各種法定教育のほか、事業場の業態や課題に合わせた独自の教育・講習、OHSMSにかかる要員教育などを実施し、労働安全衛生にかかわる従業員の力量確保に努めています。

海外東芝グループでは、各国の実情に合わせ、OHSMSで要求される力量確保を行っています。

東芝(人事・総務部主催)での教育実績(2022年度)

教育名 対象 時期 受講者数
安全健康担当者研修 国内東芝グループの安全健康業務担当者 2022年4月、6月 155人
新任安全健康担当者教育 過去一年で国内東芝グループの安全健康担当に着任した者 2022年11月 のべ97人
(2日間)
新任産業保健専門職導入教育 国内東芝グループに入社した産業医・保健師 入社時及び3か月後 12人
産業医会議(教育を含む) 国内東芝グループ会社・事業場の産業医 2022年8月
2023年3月
48人
57人
産業看護専門職教育 国内東芝グループ会社・事業場の保健師 2023年3月 73人
いきいきした働き方に関する教育
(健康教育を含む)
国内東芝グループ従業員 2022年8月 受講者数 62,730人
(受講率98.3%)
教育名 対象 時期 受講者数
安全健康担当者研修 国内東芝グループの安全健康業務担当者 2022年4月、6月 155人
新任安全健康担当者教育 過去一年で国内東芝グループの安全健康担当に着任した者 2022年11月 のべ97人
(2日間)
新任産業保健専門職導入教育 国内東芝グループに入社した産業医・保健師 入社時及び3か月後 12人
産業医会議(教育を含む) 国内東芝グループ会社・事業場の産業医 2022年8月
2023年3月
48人
57人
産業看護専門職教育 国内東芝グループ会社・事業場の保健師 2023年3月 73人
いきいきした働き方に関する教育
(健康教育を含む)
国内東芝グループ従業員 2022年8月 受講者数 62,730人
(受講率98.3%)

事業場での代表的な教育・訓練

分類 教育種類 対象者 教育担当
法定教育 雇入れ時/作業内容変更時教育 新入社員/従事する業務内容が変更となった者 事業場安全健康スタフ又は受入職場
安全管理者選任時研修 安全管理者新規選任者 社内の有資格者又は外部講師
職長教育 作業長昇格者等
各種特別教育、各種免許講習、技能訓練など 該当作業従事者又は該当作業主任者
各種能力向上教育 資格取得後5年経過者
独自教育・訓練 年齢別健康教育 30、40、50歳到達者 事業場安全健康スタフ
昇格時安全健康教育
(メンタルヘルスなど)
役職層への昇格者
OHSMS
リスクアセッサー教育
各職場のリスク評価者
OHSMS
内部監査員教育
各事業場内部監査員任命者 外部講師
特定業務従事者教育 サイト管理対象リスクに該当する業務の従事者 該当職場
職場緊急事態対応訓練 職場特有の緊急事態
事業場大規模災害想定訓練 従業員・構内常駐業者など 事業場総務部
分類 教育種類 対象者 教育担当
法定教育 雇入れ時/作業内容変更時教育 新入社員/従事する業務内容が変更となった者 事業場安全健康スタフ又は受入職場
安全管理者選任時研修 安全管理者新規選任者 社内の有資格者又は外部講師
職長教育 作業長昇格者等
各種特別教育、各種免許講習、技能訓練など 該当作業従事者又は該当作業主任者
各種能力向上教育 資格取得後5年経過者
独自教育・訓練 年齢別健康教育 30、40、50歳到達者 事業場安全健康スタフ
昇格時安全健康教育
(メンタルヘルスなど)
役職層への昇格者
OHSMS
リスクアセッサー教育
各職場のリスク評価者
OHSMS
内部監査員教育
各事業場内部監査員任命者 外部講師
特定業務従事者教育 サイト管理対象リスクに該当する業務の従事者 該当職場
職場緊急事態対応訓練 職場特有の緊急事態
事業場大規模災害想定訓練 従業員・構内常駐業者など 事業場総務部

 

「安全健康に関する意識啓発・教育」の予算化について
上記の活動を継続的に実施するため、下表の事項について適宜予算化しています。

  コーポレート グループ各社・事業場
トップメッセージ メッセージ翻訳代、配信費用等 配信費用等
東芝グループ安全健康大会 会場費用、表彰関係一式、外部講師費用、ポスター作製費用等 グループ内審査実費、同表彰関係一式等
ポスター購入費用等
安全衛生教育・訓練 会場費用、コンテンツ作成費用、講師費用等 (外部教育参加の場合)教育参加費用、講師費用等
会場費用、コンテンツ作成費用、訓練に必要な備品費用等
  コーポレート グループ各社・事業場
トップメッセージ メッセージ翻訳代、配信費用等 配信費用等
東芝グループ安全健康大会 会場費用、表彰関係一式、外部講師費用、ポスター作製費用等 グループ内審査実費、同表彰関係一式等
ポスター購入費用等
安全衛生教育・訓練 会場費用、コンテンツ作成費用、講師費用等 (外部教育参加の場合)教育参加費用、講師費用等
会場費用、コンテンツ作成費用、訓練に必要な備品費用等

労働災害の発生状況


2022年度の国内東芝グループにおける休業度数率は前年度とほぼ同様であり、これは全国製造業平均を大きく下回る水準にあります。災害発生件数は計94件(休業29件、不休65件)で前年度とほぼ横ばいでした。過去3年間で東芝グループ従業員の死亡事故は、国内では2021年度に1件、海外では2020・2022年度に各1件発生しています。なお、2022年度のテックグループを除く海外東芝グループにおける死亡を除く休業以上の災害発生件数は、44件でした。
災害の型別では、『転倒』、『切れ、こすれ』、『墜落、転落』、『はさまれ、巻き込まれ』が上位を占め、特に転倒災害は全災害の約3割に相当し、歩行中の転倒や階段からの転落など日常行動災害が大部分を占めています。何気ない日常行動から災害が発生していることをふまえ、2020年度以降の全社e-ラーニングでは従来の健康管理に加え、転倒災害防止の要素も組み込みグループ従業員全員への注意喚起を促しています。また、死亡等の重大災害が発生した場合は、これらの発生状況、原因、対応をグループ内で情報共有し、類似の設備・状況下での事故の再発防止の徹底に努めています。労働災害防止活動は、東芝のスタフ部門が東芝グループ安全健康推進目標を定め、それに基づいて国内東芝グループ各社及び事業場が自らの固有課題を交えながら推進目標及び推進計画を策定し、労働災害防止に向けた活動を進めています。

国内東芝グループ会社における休業度数率

  •  休業度数率:100万時間当たりの休業1日以上の業務上災害件数
  •  パート、アルバイト、有期、派遣労働者の被災件数も含む

業務上災害発生状況(国内東芝グループ)

  • 全災害度数率:100万時間当たりの業務上災害件数(不休業・休業・死亡の総合計)
  • 千人率(全災害):従業員1,000人当たりの業務上災害件数
  • パート、アルバイト、有期、派遣労働者の被災件数も含む

2022年度 業務上災害の型別災害発生状況(国内東芝グループ)

  • パート、アルバイト、有期、派遣労働者の被災件数も含む
ここ数年、死亡災害が発生したことを真摯に受け止め、改めて重大災害ゼロの継続をめざし、特に重篤な傷病につながるおそれのある危険有害リスクの低減を最優先課題として、すべての職場や作業に対するリスクアセスメントを進め、リスクの把握からリスクの除去に向けた作業方法の見直し、リスクの低減、管理を目的とした設備改修、従業員への教育訓練の徹底などを計画的に進めていきます。

健康の維持・向上への施策


国内東芝グループでは、東芝グループ健康管理基準で生活習慣病、メンタルヘルス、そして基礎としての過重労働防止を最重点対策の対象として定め、すべての従業員が健康への意識を高めて心身の健康を維持できるよう、ハイリスクアプローチ※1とポピュレーションアプローチ※2の両面からさまざまな取り組みを展開しています。
海外東芝グループでは、各国の実情に合わせ従業員の健康の保持増進に向けて取り組んでいます。

  • 疾患を発生しやすい高いリスクを持った人を対象に絞り込んで対処していく方法
  • 対象を絞り込まず、集団全体へアプローチをし、全体としてリスクを下げていく方法

東芝グループ 健康管理の主要施策

 

メンタルヘルス対策

生活習慣病対策 その他
ハイリスクアプローチ
  • 職場復帰プログラム
  • 職場・人事・産業保健専門職の連携強化
  • 自殺予防対策
  • 脳・心臓疾患対策
    (就業区分判定)
  • 糖尿病重症化予防
  • 海外勤務・出張者健康管理強化
ポピュレーションアプローチ
  • ラインケア教育
  • セルフケア教育
  • ストレスチェック
  • 改善目標値と生活習慣改善支援
  • 年代別健康教育
 
遵法対応・過重労働防止対策
 

メンタルヘルス対策

生活習慣病対策 その他
ハイリスクアプローチ
  • 職場復帰プログラム
  • 職場・人事・産業保健専門職の連携強化
  • 自殺予防対策
  • 脳・心臓疾患対策
    (就業区分判定)
  • 糖尿病重症化予防
  • 海外勤務・出張者健康管理強化
ポピュレーションアプローチ
  • ラインケア教育
  • セルフケア教育
  • ストレスチェック
  • 改善目標値と生活習慣改善支援
  • 年代別健康教育
 
遵法対応・過重労働防止対策

 

新型コロナウイルス感染症への対応

東芝グループでは、これまで、お客様、お取引先様、地域社会の皆様、従業員とその家族の安全確保および事業の継続のため、新型コロナウイルス感染症に対し、基本方針を策定し、対応を継続してきました。今般、2023年5月8日付で新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが従来の2類相当から5類へ移行したことに伴い、2020年2月に設置した「総合COVID対策本部」を解散し、新型コロナウイルス感染症に係る各種対策を終了しました。
東芝グループは、今後も社内外への感染拡大防止と、従業員と家族、お客様、お取引先様の安全確保および事業の継続に全力で努めていきます。

健康管理のための体制

国内東芝グループでは、2019年度から安全健康経営会議を定期開催し、東芝グループの健康課題や定期監視指標(以下「KPI」Key Performance Indicatorの略)を共有のうえ、出席者である各主要会社トップからガバナンスラインを通じた改善施策の落し込みを依頼しています。
実行体制では、2002年度から産業保健支援業務を機能分社し、各グループ会社からの業務委託に基づく産業保健業務を展開してきました。しかし、安全健康経営のもと、健康管理の重要性が高まっている現状に鑑み、2019年11月から機能分社体制を解消し、出向で事業場の直接管理下に配置(一部の直接雇用会社を除く)することでより事業場ごとの課題に応じた個別性・機動性の高い産業保健サービスが提供できる体制としています。
また、東芝健康保険組合とは、2019年度から「コラボヘルス連絡会」を発足・開催し、国内東芝グループの健康施策の有機的プロモーションの在り方を検討しています。コラボヘルス連絡会により安全健康経営の推進を加速させ、会社目標である「企業価値向上」と「従業員のいきいき人生」に加え、「さまざまなライフステージでの健康」も実現させ、医療費適正化などの東芝健康保険組合の社会的な使命や目標を達成することへの貢献をめざしていきます。

国内東芝グループの健康管理体制(健康保険組合の役割も含む)

東芝グループ定期監視指標(KPI)

2019年度安全健康経営会議では、健康管理のKPIを下表のとおりに定めました。既に全国値に達している項目は更なる改善をめざすとともに、未達の項目を全国値レベルへ改善することをめざし、プロセス指標である生活習慣の改善を中心にさまざまなアプローチを実施していきます。

健康KPI項目
各項目の全体に対する該当割合を監視

国内東芝グループ
の2022年度値
目標値※1
(全国値)
対目標値
〇達成
△未達






脳心臓疾患のハイリスク
要配慮以上の高血圧 3.2% 7.2%
要配慮以上の高血糖 2.3% 2.5%
メタボ該当者 全年齢の該当者 17.5% 14.5%
40歳以上の該当者 20.1% 13.0%
メタボ予備群 全年齢の予備群 17.1% 14.1%
40歳以上の予備群 18.3% 12.3%





喫煙:喫煙あり 22.8% 21.5%
運動:全国平均以下の歩数(相当)
(5,000歩以下/日)
29.3% 0%※2
食事:朝食を食べない者の割合 30.0% 15.2%
食事:夜食あり
(就寝前2時間以内に喫食する者の割合)
13.8% 14.4%
睡眠:寝不足 22.1% 25.9%
飲酒:一回の飲酒量が多量 24.3% 14.5%

健康KPI項目
各項目の全体に対する該当割合を監視

国内東芝グループ
の2022年度値
目標値※1
(全国値)
対目標値
〇達成
△未達






脳心臓疾患のハイリスク
要配慮以上の高血圧 3.2% 7.2%
要配慮以上の高血糖 2.3% 2.5%
メタボ該当者 全年齢の該当者 17.5% 14.5%
40歳以上の該当者 20.1% 13.0%
メタボ予備群 全年齢の予備群 17.1% 14.1%
40歳以上の予備群 18.3% 12.3%





喫煙:喫煙あり 22.8% 21.5%
運動:全国平均以下の歩数(相当)
(5,000歩以下/日)
29.3% 0%※2
食事:朝食を食べない者の割合 30.0% 15.2%
食事:夜食あり
(就寝前2時間以内に喫食する者の割合)
13.8% 14.4%
睡眠:寝不足 22.1% 25.9%
飲酒:一回の飲酒量が多量 24.3% 14.5%
  • 全国値は2018年度の国民栄養調査又は厚労省データの内20~69歳のものから算出。
  • 全国の歩数の平均値(男性:7,636歩、女性:6,657歩<国民栄養調査20~64歳のデータ>)よりも明らかに低い5,000歩/日未満の方(車椅子など歩行不可を除く)のゼロ化をめざす。

脳・心臓疾患や生活習慣病への対策

国内東芝グループでは、生活習慣病予防のハイリスクアプローチとして、2011年度から、定期健康診断結果に対して東芝グループ共通基準による就業区分判定を実施し、脳・心臓疾患の発症リスクが高い従業員に対する勤務管理・労務管理や保健指導などの重点支援を確実に行う取り組みを進めてきました。また、東芝健康保険組合と連携して糖尿病重症化予防プログラムを展開しています。以上の取り組みの成果は、在職中の死亡に占める脳・心臓疾患による死亡者の割合の減少や高血圧・高血糖のハイリスク者の抑制に現れています。(東芝グループ定期監視指標(KPI)参照)
ポピュレーションアプローチとしては、2013年度から生活習慣改善などに関する目標値を定め、喫煙対策、食堂メニュー改善、各種運動機会の提供などの施策を講じ、2014年度からは年代別の健康教育を導入し、ライフサイクルに合わせた健康づくりを支援してきました。その結果、喫煙率、睡眠など多くの生活習慣指標が改善傾向に向かっていますが、KPIの設定により更なる改善施策が必要です。
特にメタボリックシンドロームの該当者・予備群(以下、「該当者など」)の割合が全国比で高い傾向にあり、グループ共通の課題です。該当者などの改善はもとより、新しい該当者などの発生を抑制するため、健康保険組合主導の特定保健指導とともに、会社としての保健指導の充実施策等に取り組んでいきます。

食生活の改善に向けた取り組み事例

川崎スマートコミュニティセンターでは、食堂でデジタルサイネージやオートレジでのカロリー表示がなされているとともに、産業保健専門職による健康ニュースの発行などを実施しています。
また、京浜事業所では出張作業でコンビニ食の多い従業員にポケット健康カードを配布しバランスのよい弁当選びを支援しています。

川崎スマートコミュニティセンターでのカロリー表示

京浜事業所のポケット健康カード

運動習慣化の促進事例

コーポレートでは、2022年度、運動の習慣化を目的とした活動のトライアル共同研究として公益財団法人 明治安田厚生事業団様と6事業場の協力のもと、運動不足かつ健康課題を有する従業員への運動習慣改善プログラム提供を行いました。プログラムの主な構成は下表のとおり。

①活動量の現状把握 活動量計を2週間装着し、普段の生活を送ることで、活発度、座り過ぎ度を調査
②オンライン結果説明会 オンラインで結果を説明するとともに目標設定への動機づけ
③改善目標設定 活動量確保、座り過ぎ解消のための具体策を記載
④改善プログラムの提供 各自の目標達成に向け実践。習慣化支援のため昼休みに約一月半、20分/回、3回/週のオンライン運動プログラム(スローエアロビック、筋トレ&ストレッチ、スロートレーニング、プチ講座等)を実施。後刻アーカイブ配信
⑤活動量の再評価 活動量計を2週間装着し、活発度、座り過ぎ度の変化を確認
①活動量の現状把握 活動量計を2週間装着し、普段の生活を送ることで、活発度、座り過ぎ度を調査
②オンライン結果説明会 オンラインで結果を説明するとともに目標設定への動機づけ
③改善目標設定 活動量確保、座り過ぎ解消のための具体策を記載
④改善プログラムの提供 各自の目標達成に向け実践。習慣化支援のため昼休みに約一月半、20分/回、3回/週のオンライン運動プログラム(スローエアロビック、筋トレ&ストレッチ、スロートレーニング、プチ講座等)を実施。後刻アーカイブ配信
⑤活動量の再評価 活動量計を2週間装着し、活発度、座り過ぎ度の変化を確認

結果としてプログラムの全行程に参加した従業員の歩数・活動量は総じて増加し、座位時間の短縮傾向がみられた一方、参加者の動機づけ、関係スタフの負担感、運動プログラムの開催時間帯やアーカイブ動画確認環境の整備等、今後解決していくべき課題も得られました。

府中事業所では、職場体操にロコモシンドローム・転倒災害予防も兼ねた「ロコレッチ」を考案し、職場体操として実施しています。府中市とも連携し、地域とともに健康づくりに取り組んでいます。2020年度からは、本社事業場でも「皆で」と所在地の「港区」をかけ合わせて名づけたオリジナル体操「みなトレ」を作成し、従業員向けに動画を公開しています。
また、東芝ライテックでは、スマホアプリで記録した歩数の累積でバーチャルに日本各地の各拠点を訪れるウォーキング企画で従業員の運動習慣を大幅に改善し、厚生労働省の健康寿命をのばそうアワードで表彰を受け、スポーツ庁のスポーツエールカンパニーにも認定されました。

府中事業所オリジナル職場体操

東芝ライテックのバーチャルウォーク日本縦断

喫煙対策の推進

国内東芝グループでは、従業員への健康配慮の観点から就業時間(出張や在宅勤務を含む)や構内など、会社の管理権限が及ぶ範囲における完全禁煙(就業中喫煙から離れること)を完了しています。これらの対策の結果、従業員の喫煙率は徐々に低下しています。東芝グループでは、喫煙者への禁煙支援の提供も含め、更に喫煙対策を進めていきます。

※完全禁煙までの経緯

  • 2019年度の安全健康経営会議において国内東芝グループ全社で就業時間内禁煙、屋内喫煙所の原則廃止を決定し、全国労働衛生週間トップメッセージや社内広報誌でも周知をするとともに、各事業場で禁煙キャンペーンを推進
  • 2020年1月から就業時間内禁煙、同3月までに喫煙所の原則屋外化を実施
  • 2020年度の安全健康経営会議で2021年度末での構内喫煙所全廃を決定
  • 2021年度末には構内喫煙所全廃

社内広報誌 TOSHIBA LIFE Vol.454 P26-27より

喫煙禁止に関する周知ツール例

メンタルヘルス対策

国内東芝グループでは、日本企業のなかでもいち早く先進的なメンタルヘルス対策に取り組み、従業員をとりまく生活環境や職場などを含む包括的な体制での4つのケアを進めてきました。今後は、ニューノーマルな働き方を念頭に、従業員が心身の健康維持に自律的に取り組む支援も実施していきます。

1. セルフケア

メンタルヘルスの啓発・教育活動

社内広報誌 TOSHIBA LIFEや東芝健康保険組合の広報誌「Kenpo Information」などを通じて、 メンタルヘルスの啓発・教育活動を行っています。特に2022年度は、TOSHIBA LIFEで3回の連載でメンタルヘルスのセルフケアを取り上げました。また、毎年国内グループ会社に対しセルフケアe-ラーニング教育を実施しており、自立的なこころの健康づくりをサポートしています。2022年度は教育対象の98.3%となる国内グループ会社62,730人が受講しました。e-ラーニングが受講できない製造現場の従業員にも資料を配布し、国内グループの全従業員の受講に努めています。

TOSHIBA LIFEの連載記事

「ストレスチェック」によるストレスへの気づきと対処

従業員一人ひとりのストレスへの気づきと自身での対処を主な目的に、ストレスチェックを実施しています。健康診断システムと連動した独自システムを構築し、2018年度からは、50人未満の事業場にも実施を義務づけ、グループを挙げてストレスチェックを推進しています。タイムリーなフォローの結果、グループ全体の回答率は全国平均よりも高い値(2022年度91.2%)となっています。
チェックの結果、スコアが設定した基準を超える全従業員に対しては面談希望を確認し、希望者には面談にてストレス対処法へのアドバイスなどを実施しています。

2.    ラインによるケア

教育、トップメッセージなどの各種機会を通じ、従業員の健康状態を把握するため、「いつもと違う」様子に注意し、職場のなかで積極的な「気づき、声かけ」を実践することを、管理者による部下のメンタルヘルスケアのポイントとして、周知・徹底しています。また、組織・チームの安全健康意識を向上させるため、各種ミーティング(在宅勤務の浸透にともなう1on1ミーティングを含む)などの機会を活用したコミュニケーションの活性化にも取り組んでいます。

管理職メンタルヘルス教育

1977年度から管理監督者リスナー教育を開始し、時代の変化に対応した管理職など各階層教育を実践してきました。現在も事業場の管理職は昇格時ラインケア教育に加え、自社研修センターでマネジメントセミナー「メンタルヘルス」教育も受講できます。マネジメントセミナーでは、最重要ポイントとなる企業の安全配慮義務に、2019年度の法改正を受けたパワハラ防止の留意点も追加し、更には多忙な管理者自身のセルフケアについても重要性を説いています。

マネジメントセミナーの資料(例)

管理職への職場のストレス判定図のフィードバック(ストレスチェック)

ストレスチェックを実施したグループ各社の10名を超える組織については、その管理者(及び勤労担当者)に対し、組織の従業員の相対的ストレスを示す「職場のストレス判定図」をフィードバックし、管理者による職場改善のヒントを提供しています。各管理者は、必要により産業保健専門職や総務部門の支援を受けながら、さまざまな職場改善を実施しています。制度開始後7年が経ち、良好な改善事例も蓄積されつつあり、グループ各社の職場改善施策の共有機会などを通じ、国内東芝グループ全体のストレス管理レベルの向上を図っています。

  •  職場のストレス判定図の東芝グループ全体集計では、「仕事の量‐コントロール」、「上司-同僚の支援」ともにほぼ全国平均レベルにあります。

3.    事業場産業保健専門職によるケア

産業保健専門職(産業医、保健師、心理専門職などのスタフ)は、各種の面談(健康診断の事後措置面談、時間外超過者面談など)や従業員からの相談の機会を通じ、従業員自身のセルフケア(一次予防)を支援し、必要により職場・総務部門・家庭・医療機関などと連携しながら、メンタル不調者の早期発見・早期治療(二次予防)や休職者のスムーズな復帰・再発予防(三次予防)を促進する「コーディネーター」として活躍しています。

職場復帰支援プログラム

国内東芝グループでは、メンタル休職者の適正な三次予防をめざし、2003年度に全国に先駆けて職場復帰支援プログラムを開始し、休業した従業員が円滑に職場復帰し再発しないようにサポートしています。2022年度には、在宅勤務を踏まえた復職基準へ微修正を加えています。産業保健専門職は、主治医や職場及び家族などと連携をとりながら、適切な就労時期や場所、仕事の仕方を提案します。

【参考】産業保健専門職のスキルアップなど

相談対応を含む産業保健専門職としてのスキル向上を目的に、定期教育(入社時・3か月後教育、産業看護専門教育など)や定期会議(産業医会議<2回/年>など)などを実施し、継続的な知識のブラッシュアップ、東芝グループ安全健康施策の共有を図っています。

【参考】健康情報の取り扱いについて

健康情報は機微な個人情報であることに鑑み、各社・各事業場では「健康情報取扱い規程」を定め、産業保健専門職をはじめとするグループ各社のスタフに対し、業務上知り得た従業員の健康情報などを適切に取り扱うこととしています。

4.    事業場外資源によるケア

各事業場では、産業保健専門職が中心となり、地域の外部医療機関やリワーク施設とのネットワークを構築し、治療が必要な従業員に対し適正な医療が受けられるよう支援しているほか、小規模で常駐の産業保健専門職が不在の事業場は、地域の産業保健総合支援センターと連携し、産業保健専門職によるケアを補っています。
全社的には、セルフケアe-ラーニング教育や会社、健康保険組合の機関紙、ウェブサイトをはじめとする各種媒体を通じ、要相談者の状況・環境に応じたさまざまな相談窓口の周知に努めています。

グループ社外相談窓口の設置

国内東芝グループでは、2000年に全国に先駆けて社外EAP(従業員支援プログラム)制度を導入し、その機能は現在、24時間相談窓口「こころとからだの健康相談」に継承され、東芝健康保険組合と東芝が共同で運営しています。
本窓口では、電話、メール、オンラインを含む面会カウンセリングなどの手段で、プライバシーを確保しながら、心身の健康問題、育児・介護などさまざまな問題の相談に対応しています。従業員のほか、その家族も利用が可能で、多くの相談が寄せられています。

時間外超過者健康管理

国内東芝グループでは、時間外労働を前提としない働き方への転換(働き方改革の実践)を第一義としながら、2006年の労働安全衛生法改正に先立ち1か月に80時間以上の時間外労働をした従業員に医師による面接指導(時間外超過者面接指導)を義務づける基準を設け、時間外労働による健康障害の防止に取り組んできています。
この基準は2019年4月から施行されている改正安全衛生規則も十分満たしているものです。

海外駐在者に対する健康管理

国内東芝グループでは、海外に駐在する従業員の健康管理を支援する専門部署を日本国内に設置しています。法定の赴任時・帰任時健康診断に加え、駐在期間中も家族を含め年一回の健康診断の実施を義務化し、特に駐在員に対しては健康診断結果に基づき、国内勤務の従業員と同様の支援活動を実施しています。また、各国の医療事情に応じた最適な支援ができるよう、従業員とその家族に対して相談対応や現地医療機関の案内、緊急時の搬送などを手配できるサービスを導入しています。

感染症対策

海外における感染症の発生や流行に対して、随時、外務省、海外安全危機管理や国際医療の専門会社、海外リスクメディア及び現地などから最新情報を収集し、対象国などに周知することで注意喚起・啓発をしています。また、海外に赴任する可能性のある従業員及び海外赴任する従業員の帯同家族を対象とした研修を実施し、海外の生活・医療・安全・感染症対策などについて説明しています。海外赴任が決まった従業員には、赴任前のオリエンテーションを通じ、事前の健康診断、予防接種などを実施しています。このほか、国内東芝グループでは、新入社員に配布する冊子のなかで後天性免疫不全症候群(HIV/AIDS)の知識について触れ、その他の教育機会と併せて、感染の予防と誤解による不当な差別の禁止を呼びかけています。また、各事業場においては、健康診断の場を提供する形で、国の進める対象年齢層への風しん抗体検査に協力しています。

「健康の維持・向上への施策」の予算化について
上記の活動を継続的に実施するため、下表の事項について適宜予算化しています。

  コーポレート グループ各社・事業場 東芝健康保険組合
脳・心臓疾患や生活習慣病への対策 共通健康管理システム維持費等 健診費用、検診会場費用、共通健康管理システム利用費等
各種教育・健康イベント費用等
がん・生活習慣病検診費用、グループ各社・事業場の各種イベントへの補助、社外相談窓口業務委託費への補助等
メンタルヘルス対策 啓発・教育媒体作成費用等、社外相談窓口業務委託費等 各種教育費用・健康イベント費用等
海外駐在者・感染症対策 海外駐在者健診・予防接種費用等
  コーポレート グループ各社・事業場 東芝健康保険組合
脳・心臓疾患や生活習慣病への対策 共通健康管理システム維持費等 健診費用、検診会場費用、共通健康管理システム利用費等
各種教育・健康イベント費用等
がん・生活習慣病検診費用、グループ各社・事業場の各種イベントへの補助、社外相談窓口業務委託費への補助等
メンタルヘルス対策 啓発・教育媒体作成費用等、社外相談窓口業務委託費等 各種教育費用・健康イベント費用等
海外駐在者・感染症対策 海外駐在者健診・予防接種費用等

社外からの評価

健康管理に関する取り組みの結果、東芝および主要グループ会社、東芝テック(株)、東芝ライテック(株)、東芝プラントシステム(株)、東芝産業機器システム(株)、東芝ITコントロールシステム(株)、東芝通信インフラシステムズ(株)が大規模法人部門、東芝プレシジョン(株)が中小規模法人部門として日本健康会議から「健康優良法人2023」に認定されました。また、健康経営度調査結果の上位500法人として東芝および主要グループ会社、東芝ライテック(株)、東芝産業機器システム(株)は「ホワイト500」、東芝プレシジョン(株)は「ブライト500」としても認定されました。

  •  経済産業省支援のもと、経済団体などの民間組織にて組織された会議体

サプライチェーンでの安全健康


東芝グループは、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、RBA(Responsible Business Alliance)行動規範の趣旨に沿って調達活動を推進しています。調達取引先の事業活動においても、基本的人権を尊重するとともに、安全で清潔な職場環境の実現に努めるよう要請しています。すべての調達取引先に人権・労働・安全衛生への配慮を含む「東芝グループの調達方針」を説明し、同意を求めています。

「東芝グループサステナビリティウェブサイト 」
についてのアンケート

サステナビリティウェブサイトについて皆様のご意見をお聞かせ下さい。
お寄せいただいたご意見、ご感想は、次回のレポートに掲載させていただく場合がございます。