安心・安全のための品質管理

東芝グループでは、人間尊重を基本とする経営理念に則って、関連する法令を遵守するとともにお客様第一に徹し、お客様にご満足していただける、高品質で安全、安心な商品やサービスを提供し、社会に貢献することをめざしています。製品ライフサイクル全般にわたり、安心・安全の検証と改善に全社で取り組んでおり、これらの活動に貢献する人材の育成にも注力しています。今後は中国・アジア地域における生産や調達の強化にともない、品質関連教育のグローバル展開を通じて、人材育成を進めていきます。

2022年度の主な成果

  • 新型コロナウイルス感染症対策として、オンライン講座を拡大して品質教育を実施。
  • 日本国内で56講座を実施し、のべ901人が受講。また、中国では自社で育成したローカル人材が講師を務めて12講座を実施し、のべ202人が受講。

品質方針


東芝グループでは「品質方針」に基づき、安心で安全にご使用いただける製品・システム・サービスをお客様にご提供することを最大の使命と考え、お客様視点での品質向上に努めています。潜在リスクへの感度と対処のスピードをあげて、製品事故の撲滅とお客様満足の向上をめざしています。

東芝グループ総合品質保証基本方針


東芝グループは、人間尊重を基本とする経営理念に則って、関連する法令を遵守するとともにお客様第一に徹し、お客様に満足していただける高品質で安全、かつ機能を先取りした商品及びサービスを提供し、社会に貢献することをめざします。

品質保証行動基準


  1. お客様の立場に立った品質の確保を行います。
  2. 関連する法令と契約を遵守するとともに、お客様と第三者の権利を尊重します。
  3. 全数良品を目指す品質システムを確立し維持します。
  4. 全部門、全員参加で品質の作りこみを行います。
  5. 真因の追究による本質改善とリスク分析による未然防止をめざします。
  6. 情報を収集・分析し、適切に開示して、品質事故の発生防止に取り組みます。

品質推進体制


東芝グループの品質保証活動は、「生産推進部担当執行役」と「品質推進室」がグループ全体を統括し、個々の製品・役務についてはグループ会社の社長が責任をもつ体制で行っています。製品の企画・開発・生産から廃棄・再資源化に至るライフサイクル全体の品質向上のために、主要グループ会社では「品質統括責任者」が、所管する国内外の事業所及び調達取引先、保守・サービス会社、製造委託会社を指導・監査しています。

東芝グループの品質管理体制

品質力の強化に向けた取り組み


「品質力」の強化に向けて、東芝グループでは4本の柱を核に活動しています(下図参照)。
ISO9001に基づくQMS(品質マネジメントシステム)を中心に、製品不良の主要因である設計・調達品の品質改善と、QMSを成熟させる人材の強化をその両輪として推進しています。活動全体を支える土台にコンプライアンスを据えています。

「品質力」を高める4本の柱

QMS(品質マネジメントシステム)の向上

東芝グループでは、品質マネジメントシステムのベースとなるISO9001や、より高度なシステムである車載機器のIATF16949などの認証取得を基本に、規格要求事項の適合性だけでなく、その有効性を高める取り組みとして、品質マネジメントの7原則などに基づいた成熟度評価を毎年実施。前回からのレベル比較を行い、課題の明確化や対策を計画して推進しています。

製造拠点でのQMS(ISO9001他)認証取得状況(2022年10月1日現在)

  対象拠点 取得拠点 取得率
東芝グループ国内
(本体を含む)
52 51 98%
東芝グループ海外 36 32 89%
東芝グループ全体 88 83 94%
  対象拠点 取得拠点 取得率
東芝グループ国内
(本体を含む)
52 51 98%
東芝グループ海外 36 32 89%
東芝グループ全体 88 83 94%

品質にかかわる人材の育成

東芝グループの全部門で「品質向上に貢献できる人づくり」を推進するために、「東芝品質教育体系」を整備しています。各部門の役割や立場において必要な品質マネジメントへの意識向上や、信頼性技術・品質管理手法などのスキル向上をめざし、教育プログラムを企画・推進しています。
「品質人財教育」では、製品のライフサイクルにかかわる全部門を対象に、原因分析手法や未然防止手法をはじめとする品質教育を開発・実施しています。2022年度は、国内外のべ1103人が受講しました。また、コンプライアンス教育にも力を入れ、電気用品安全法については関係する国内従業員を対象にe-ラーニングを実施しています。2022年度は75,246人が受講し、受講率は100%です。

活動事例: 海外での現地教育強化


東芝グループでは、海外の品質関連教育にも注力しています。各地の習慣や環境に合わせた教育を実践するために、各拠点で現地講師を育成しています。
中国では、東芝中国社の研修機関である東芝中国教育学院が中心となって人材を育成し、2015年度からは、既存の全講座を現地講師が担当しています。定期的な講座開催のほか、拠点のニーズに沿ったタイムリーな教育・運営を行うことで、「品質人財」のレベル向上と育成システムの拡充を図っています。また、その他の国や地域においても同様の方針で教育の現地展開を図っています。

中国での品質教育の様子

設計品質の改善

東芝グループでは、設計段階での品質向上に向け、DFQ活動(Design For Quality)の取り組み施策として、設計業務を中心にFMEA(Failure Mode and Effects Analysis)活動を推進しています。FMEA活動の裾野を広げるための実践教育に取り組み、製品安全・コンプライアンスの確保を最優先に、開発の上流段階から製品不良の未然防止を図っています。

調達品の品質確保

近年の調達経路の複雑化、グローバル化にともない、発注元のメーカーに知らせずに調達品の仕様が変更され、納品されてしまう「サイレントチェンジ」による製品の故障や事故が問題となっています。一方で、調達取引先はメーカーの重要なパートナーであり、調達品の品質は東芝グループの事業運営においてもますます重要になっています。調達品の品質を確保するため、東芝グループの品質保証の考え方・要望事項をまとめた「お取引先様のための東芝品質保証ガイドライン」及び「お取引先様のための東芝ソフトウェア品質保証ガイドライン」を調達取引先に配布し、双方で運用することにより調達品品質の維持・向上を図っています。東芝グループでは調達品の種類・重要度に応じて、調達、品質、技術の関係部門が連携し、適切な頻度で調達取引先の監査を実施して調達品品質の確保を図っています。

東芝品質保証ガイドライン

東芝ソフトウェア品質保証ガイドライン

品質に関する情報の開示


品質に関する問題が発生した場合は、速やかにお客様にお知らせするために、東芝ウェブサイトの「製品・サービスに関するお客様への重要なお知らせ」に情報を開示しています。

また、2007年5月14日の改正消費生活用製品安全法施行後、経済産業省及び消費者庁は重大製品事故を公表しています。公表されている重大製品事故について、東芝グループでは製品起因か否かが特定されず社名が公表されていない事故も含めて積極的にウェブサイトで公開しています。

「東芝グループサステナビリティウェブサイト 」
についてのアンケート

サステナビリティウェブサイトについて皆様のご意見をお聞かせ下さい。
お寄せいただいたご意見、ご感想は、次回のレポートに掲載させていただく場合がございます。