研究開発

世界の叡智を集結した究極のエネルギー

  • 「地上の太陽」を実現する核融合技術
  • 東芝は核融合技術とともに歩んできた
  • 国立研究開発法人量子化学技術研究開発機構との研究開発
  • 国際熱核融合実験炉での核融合開発
  • 核融合のメリット 無尽蔵の資源で高いエネルギーを生み出す核融合
  • 将来の核融合エネルギー利用の実現に向けた生活に貢献しています

核融合技術は、究極のエネルギーとして国際的に開発が進められています。
私たちは、核融合の研究が開始された1970年代から、「JT-60」「JT-60SA」「ITER」など国内外のプロジェクトに参画し、 人類の持続的な繁栄に不可欠なエネルギーの開発に向けて、今後も取り組んでいきます。

核融合エネルギーの段階的研究開発

核融合エネルギー技術の実用化に向けて、現在は、科学的・技術的実現性の確認が進められています。

核融合エネルギーの段階的研究開発
図:「今後の核融合研究開発の推進方策について」(平成17年10月原子力委員会核融合専門部会)を基に作成

日欧共同プロジェクト「JT-60SA」への貢献

高真空状態を作り、プラズマを閉じ込める真空容器

東芝は、主要機器のうち、真空容器などを製作し、核融合装置本体の全体組立を担当しました。

JT-60SuperAdvance
(写真・資料提供:量研)

溶接変形を抑えた、真空容器セクターの製作

直径10m、高さ6.6m、総重量150トンのドーナツ状真空容器を、D型断面の二重壁構造を有するセクター単位に10分割して製作しました。 溶接変形を抑える溶接方法と施工条件の選定、溶接変形矯正の実施等、製造手順の工夫により要求精度を達成しました。

溶接変形を抑えた、真空容器セクターの製作
(写真・資料提供:量研)

すべての構成機器を高い精度で組み立てる、装置全体の組立設計

トマカク装置全体の組立作業の中では、日欧の複数のメーカーが製作する真空容器、超伝導コイル、熱遮蔽板、炉内機器などの機器の組立手順と組立ツールの設計を行いました。 また、周辺部などで並行して行う工事も含めた、現地工事計画を策定しました。

素粒子を選別する磁場を発生させる、粒子検出用超伝導ソレノイドコイル
(写真・資料提供:量研)

3次元レーザ計測システムを活用した、真空容器の現地組立(340°)

真空容器セクターの現地溶接では、3次元レーザ計測システムで監視し、位置を補正しながら高い精度で据付・溶接接続しています。

3次元レーザ計測システムを活用した、真空容器の現地組立(340°)
(写真・資料提供:量研)

"ファーストプラズマが未来を灯す!核融合発電「地上の太陽」の夢(前編)"はこちらをご覧ください


"ファーストプラズマが未来を灯す!核融合発電「地上の太陽」の夢(後編)"はこちらをご覧ください

国際協力プロジェクト「ITER」計画への貢献

概念設計活動、工学設計活動から参画し、技術者を派遣

国際熱核融合実験炉「ITER(イーター)」計画は、平和利用を目的とする核融合エネルギー技術の実証を目指して、人類初の核融合実験炉の実現に向けた取り組みです。日本、EU(ヨーロッパ連合)、米国、ロシア、韓国、中国、インドの7極の国際協力によりフランスにて建設されています。東芝は、予備検討段階から参画し、概念設計活動や工学設計活動にも貢献し、現在の実機製造段階でもTFコイル、遠隔保守装置の製造などで貢献しています。

核融合エネルギーの段階的研究開発
概念設計活動、工学設計活動から参画し、技術者を派遣

(写真・資料提供:量研)

世界最大の超伝導コイル「TFコイル」を高い精度で設計、製作

東芝は、「ITER」計画において、TFコイル(トロイダル磁場コイル)の設計と製作を行っています。TFコイルは高さ16.5m、幅9m、重量約300tの大型の超伝導コイルで、D型形状に巻線した超伝導導体の巻線部を、電磁力を支持するための構造物に内蔵するもので、ミリ単位の精度で製作を行います。

国際熱核融合実験炉(ITER)トロイダル磁場コイル/ITER TF Coil

国際熱核融合実験炉(ITER)トロイダル磁場コイル/ITER TF Coil

原型炉開発への貢献

発電実証に向けた取り組み

国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構(QST)と連携し、原型炉向けの技術開発を進めています。大型プラズマ実験装置、ITERにおけるこれまでの機器製作の実績をもとに、数十万kWを超える定常かつ安定な電気出力の実証を目指す原型炉の実現に貢献していきます。製作性に優れたブランケットシステムの構築、プラント安全システムの構築を行っています。

発電実証に向けた取り組み
原型炉の建屋構成 (写真・資料提供:量研)

学術研究への貢献

核融合科学研究所や、大学などと連携し、核融合の学術研究を進めています。 トカマク、ヘリカル、ミラーなど種々の磁場閉じ込め実験装置、加熱機器、電源・制御システムなどの設計、製造、建設を行っています。

大型ヘリカル装置(LHD)への貢献

世界最大級のヘリカル型装置です。超伝導ポロイダルコイル、加熱装置、はずみ車付き電動発電機を納入しました(納入先:大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所(NIFS))。

大型ヘリカル装置(LHD)への貢献
ポロイダルコイル (写真・資料提供:NIFS)

QUEST装置への貢献

プラズマの超長時間生成とプラズマ-壁相互作用実験を行うための球状トカマク装置です。装置本体を納入しました(納入先:九州大学)。

大型ヘリカル装置(LHD)への貢献
QUEST装置 (写真・資料提供:九州大学)