ITER向け世界最大級トロイダル磁場コイル用コイル容器が完成

お知らせ

原子力

2018年12月12日

東芝エネルギーシステムズ株式会社

当社は、フランス サン・ポール・レ・デュランス市のカダラッシュで建設中の国際熱核融合実験炉(以下、ITER)向けに、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(以下、QST。受注当時、独立行政法人日本原子力研究開発機構)より2014年2月に受注し、事前の製作検証試験等を経て2016年9月から製作を開始した、世界最大級のトロイダル磁場コイル用コイル容器初号機の製作を完了しました。今月中に、当社から欧州の組み立て拠点であるイタリアへ向け出荷します。
ITERは、将来のエネルギー源の⼀つとして期待される核融合エネルギーの科学的、技術的な実現可能性を実証することを目的に、日本、欧州、米国、ロシア、中国、韓国、インドの7極が参画し建設が進められている熱核融合実験炉です。熱核融合発電は、燃料の重水素と三重水素を1億℃以上のプラズマ状態に保ち、核融合反応させることで発生した熱を利用して発電します。燃料資源が⾃然界に多く存在するため、⻑期にわたって安定的に燃料が確保できる次世代の発電システムとして期待されています。

トロイダル磁場コイルは、核融合反応に必要な高温のプラズマを閉じ込めるための磁場を発生させる超伝導コイルで、ITERでは18基が用いられます。1基当たり高さ16.5m、幅9m、重量300tのD字型形状をした世界最大級の超伝導コイルで、同コイルは超伝導コイル部分とそれを収納するコイル容器で構成されます。当社は、そのうち同コイル4基とコイル容器6基の製作を担当しています。これらは超高精度な製作が要求される大型コイル・構造物であり、大型エネルギー機器製作等で長年培った当社の知見と高い製造能力を駆使し、2025年のITER運転開始に向け、QSTと協力し、順次残りのコイル製作を進めていきます。

当社は、長年培ってきた核融合技術を生かし、今後も最先端のエネルギー技術の研究開発に貢献していきます。

ニュースリリースに掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。最新のお問い合わせ先は、東芝エネルギーシステムズ株式会社に関するお問い合わせをご覧下さい。

「ニュースリリース」のトップへ