経済産業省の令和7年度「次世代革新炉の開発・建設に向けた技術開発・サプライチェーン構築支援事業」に採択

~次世代革新炉の実用化に向けた技術開発および原子力産業基盤の維持・強化を推進~

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2025年08月27日

東芝エネルギーシステムズ株式会社

 当社は、経済産業省の補助金執行団体である特定非営利活動法人「地球と未来の環境基金」が次世代革新炉の開発・建設に向けた実用化開発の促進および原子力産業基盤の維持・強化を図ることを目的として公募した令和7年度「次世代革新炉の開発・建設に向けた技術開発・サプライチェーン構築支援事業」(以下、本事業)に応募し、このたび「次世代革新炉の革新的安全技術の開発」(期間:2025年8月~2026年2月)と「革新軽水炉の実現に向けた技術開発及び設備供給能力の実証(期間:2025年8月~2028年1月)の2テーマが採択されました。

 2025年2月に政府から公表された第7次エネルギー基本計画において、原子力発電は脱炭素電源として最大限活用することが必要不可欠であることが明記されました。一方、原子力発電所が運転できる期間には制限があり、今後その供給能力の大幅な減少が見込まれることから、最新の安全技術を組み込んだ高い安全性を有する次世代革新炉の開発・設置に取り組む必要があります。
 また、原子力発電を持続的に活用するためには、東日本大震災以降、新規建設案件が減少したことにより失われつつある原子力産業基盤や人材基盤の維持・強化が求められています。

 このような背景の中、当社は、原子力発電所において万が一重大事故が発生した場合でも、緊急避難や長期的な移住を必要としない高い安全性の実現を目指し、社会との共生を可能にする革新軽水炉「iBR注1」の実用化に向けた開発を進めています。
 本事業では、iBRの安全設備の独自性や新規性を高めるため、「次世代革新炉の革新的安全技術の開発」においては、二重円筒格納容器などの安全対策設備や特殊弁の開発に関する評価・検証、追加安全対策および解析コードの適用性の検討などを進め、早期の実用化を目指します。
 また、「革新軽水炉の実現に向けた技術開発及び設備供給能力の実証」においては、iBRの建設に向け、原子力の安全上重要な設備の実用化に向けた技術開発および開発品の製造実証をサプライヤーとともに実施します。

 当社は、カーボンニュートラル社会の実現に向け、次世代革新炉の技術開発を進め、産業基盤や人材基盤の維持・強化を図りながら、電力の安定供給に貢献してまいります。

各事業の詳細

No. テーマ 実施期間
(1) 次世代革新炉の革新的安全技術の開発
(安全性向上に資する要素技術などについて、解析評価、実証試験等を実施する)
2025年8月~
2026年2月
(2) 革新軽水炉の実現に向けた技術開発及び設備供給能力の実証
(実用化に向けた開発を進め、AM注2技術を用いたサプライチェーンの高度化、安全裕度を向上させる新炉心材料開発に取り組む)
2025年8月~
2028年1月
  • 2025年8月27日修正:実施開始時期を(1)(2)共に、2025年7月から8月に訂正しました。

注1 iBR(innovative, intelligent, inexpensive BWR):当社が開発を進めている革新的安全技術を採用した次世代を担う原子力発電システム。詳細はこちらのウェブサイトに掲載。

注2 AM(Additive Manufacturing):3Dデータを基に材料を付加していく製造手法であり、少量多品種の生産、短納期製造、複雑微細な機器の製造に適する。

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