国立大学法人 山形大学医学部東日本重粒子センターに納入した重粒子線治療装置における治療開始について
ニュースリリース
重粒子線治療装置
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東芝エネルギーシステムズ株式会社
当社が国立大学法人山形大学(以下、山形大学)に納入した重粒子線治療注1装置による治療が、本日開始されました。
当社が納入した装置は、回転ガントリー注2式治療室1室と水平方向固定照射式治療室1室の計2治療室で構成される重粒子線治療装置で、本日、水平方向固定照射式治療室での治療が開始されました。回転ガントリー式治療室での治療も2021年夏頃に開始される予定です。
本装置は、省エネルギー、省スペース・小型化、イージーオペレーション(運転・管理の容易化)、廃棄物低減注3等の山形大学の多様なニーズを満たしています。当社の最新技術を駆使することで、高速スキャニング照射や呼吸同期照射も実現しております。2018年から据付を開始し、調整作業を経て、本日の治療開始を迎えました。
当社は、重粒子線治療装置を国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構(旧国立研究開発法人 放射線医学総合研究所)とともに開発し、2016年に同研究所新治療研究棟に世界で初めて超伝導電磁石を採用することで小型化・軽量化に成功した重粒子線回転ガントリーを納入しました。また、海外においてもこれまでの実績や技術力が評価され、韓国の延世大学校医療院やソウル大学病院から同装置を受注しております。今後も重粒子線治療装置の普及を目指して、国内外で積極的な受注活動を展開し、質の高いがん治療の実現に貢献してまいります。
注1:炭素イオンを光の速さの約70%まで加速して炭素イオン線(=重粒子線)とし、がん腫瘍に対して体の外から照射する外部放射線治療の一種。重粒子線は体内で広がりにくく、がん腫瘍にピンポイントで集中させることができるため、周囲の正常な細胞を傷つけにくい。加えて他の放射線に比べて「がん細胞の遺伝子」を破壊する能力が高いという特長がある。患者の身体的負担が少なく早期の社会復帰を可能とする治療方法と言われている。
注2:照射角度を360度自由に設定できるため、患者は楽な姿勢のままで最適な角度から”がん腫瘍”を狙える。また、重粒子線の低散乱特性とスキャニング照射技術と組み合わせることにより中枢神経や保護臓器を避けて、がん腫瘍への線量集中性をさらに高めることが可能。
注3:従来方式で必要とされていた補償フィルターや患者コリメータを必要としないため、治療期間の短縮と放射化廃棄物の低減を両立できる。
治療設備・室内の関連イメージ図・写真
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