岐阜県高山市奥飛騨温泉郷中尾地区での地熱発電所の建設決定について

– 小規模で高効率なダブル・フラッシュ方式の発電所を建設 –

ニュースリリース

再生可能エネルギー

その他

2020年5月13日

東芝エネルギーシステムズ株式会社
株式会社シーエナジー

 東芝エネルギーシステムズ株式会社(以下、東芝エネルギーシステムズ)と中部電力グループの株式会社シーエナジー(以下、シーエナジー)が共同で出資している中尾地熱発電株式会社(以下、中尾地熱発電)は、このたび、岐阜県高山市奥飛騨温泉郷中尾地区において「(仮称)中尾地熱発電所」の建設を決定しました。なお、地熱発電事業における建設の決定は、東芝グループ、中部電力グループ両者にとって本件が初となります。

 奥飛騨温泉郷中尾地区は、源泉の蒸気量が豊富かつ高温であり地熱発電に適した地域です。中尾地熱発電では、温泉地域と共生した地熱エネルギーの活用を目指して設立以来、地熱資源ならびに周辺環境の調査、地熱発電の事業性の評価を行ってきました。
このたび、事業化の目処が立ったことから、地熱発電所の建設を正式に決定しました。2020年9月から建設工事開始を予定しております。

 今回建設する「(仮称)中尾地熱発電所」は、中部地区では初となるフラッシュ方式(蒸気発電方式)を採用した地熱発電所で、出力は最大1,998kWで、約4,000世帯分の発電を行い、全量を中部電力パワーグリッド株式会社へ売電します。
 本発電所は、地下から噴出される高圧蒸気と、それと共に噴出される熱水を減圧沸騰させた低圧蒸気の2種類の蒸気を、蒸気タービンに導いて発電するダブル・フラッシュ方式を採用しています。ダブル・フラッシュ方式は、一般的なシングル・フラッシュ方式と比較して約20%効率が高く、本方式を採用する発電所としては世界最小規模となります。

 また、噴出された熱水は地熱発電に活用するとともに、地元の温泉事業者である有限会社中尾温泉へ配湯する計画としており、温泉事業と地熱発電事業が共存・共栄していくシステムを構築します。今後も、有限会社中尾温泉をはじめとする地元の皆さまおよび関係各所のご理解・ご協力をいただきながら、「地域に愛される発電所」を目指し建設を進めていきます。

 東芝エネルギーシステムズは、小型から大型までのラインナップを誇る地熱をはじめ、水力、太陽光、風力など、多様な再生可能エネルギーによる発電システムやソリューションを提供しています。これまで長年培ってきたエネルギー分野における知見・技術力を基に、次世代のグリーンエネルギー活用のパイオニアとなるべく、これからも電力の安定供給と環境負荷低減に貢献していきます。

 シーエナジーは、中部電力グループの一員として、太陽光、地熱、小水力、バイオマスなど環境にやさしい再生可能な未利用エネルギーを活用する事業を積極的に展開しています。今後も、お客さまの環境経営課題の解決を実現し、期待を超えるサービスを創出する「一歩先を行く総合エネルギーサービス企業」を目指し、挑戦し続けていきます。

注 2020年5月、東芝エネルギーシステムズ調べ

中尾地熱発電株式会社の概要

商  号 中尾地熱発電株式会社
設  立 2013年11月19日
資 本 金 4億9,400万円
出資比率 東芝エネルギーシステムズ 55% シーエナジー 45%
所 在 地 岐阜県高山市
代 表 者 代表取締役 中谷 哲也
事業内容 再生可能エネルギーを活用した発電事業 電力および蒸気熱水等の供給事業

(仮称)中尾地熱発電所の概要

所在地 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷中尾地区
出力 最大1,998kW(送電端)
発電方式 ダブル・フラッシュ方式
運転開始予定 2021年度下期

ダブル・フラッシュ発電方式の仕組み

ダブル・フラッシュ発電方式の仕組み図

発電所付近の生産井噴出状況

発電所付近の生産井噴出状況写真

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