ニュースリリース

福島第一原子力発電所3号機向け燃料取扱設備を開発

2016年01月18日

 当社は、福島第一原子力発電所3号機使用済燃料プール内のガレキ、燃料を遠隔操作で取り出すための燃料取扱設備を開発しました。工場における操作訓練を昨年末までに終了しており、今後サイトでの据え付けが行われ、2017年度からガレキや、燃料の取り出し作業が開始される計画です。 

 福島第一原子力発電所3号機では、原子炉建屋の上部が水素爆発により破損してガレキとなり、使用済燃料プール内やオペレーションフロア上に堆積しています。3号機を安定した状態にするためには、堆積したガレキを撤去した後、全ての燃料を取り出す必要があります。今回、当社が開発した燃料取扱設備は、使用済燃料プール内に堆積したガレキを撤去し、燃料を取り出し、取り出した燃料を構内用輸送容器に収納して蓋を閉め、仮保管場所に輸送するために原子炉建屋の地上階まで輸送することが可能です。

 本設備は、燃料取扱機と、クレーンにより構成されています。燃料取扱機は、ガレキをつかんだり、切断したり、燃料を取り出すための補助を行う2本のマニピュレータと、燃料を取り出す燃料把握機を配置しています。マニピュレータ先端部分をはじめ、補助ホイストや燃料把握機のマストは、切断する、つかむなど様々な作業に適切な治具を選択して遠隔で交換することができるとともに、多数のカメラを配置しています。クレーンは、垂直吊り具で構内用輸送容器を吊り上げる主巻、構内用輸送容器の一次蓋の取り付け・取り外しを行う蓋締付装置等を吊り下げる補巻などから構成され、燃料が収納された構内用輸送容器の蓋を閉め、使用済燃料プール内から地上階まで輸送します。

 当社は今後も技術開発を進め、福島第一原子力発電所の廃炉に貢献していきます。

原子炉建屋の最上階で、定期検査時には燃料交換作業などが行われる。

 

燃料取扱設備の概要

重量

燃料取扱機:約74トン、クレーン:約90トン

外形寸法

燃料取扱機:走行レール間距離約15m、ブリッジ幅約6m、高さ約8m

クレーン:走行レール間距離約15m、クレーン本体ガーダ距離約7m、高さ約10m

(燃料取扱機、クレーン共にトロリ等の構造物を除く)

スペック

燃料取扱機:マニピュレータ×2、燃料把握機(マスト、つかみ具)×1、補助ホイスト×2

クレーン:主巻×1、補巻×1、垂直吊具×1、構内用輸送容器蓋締付装置×1

 

燃料取扱設備
燃料取扱設備