第17回電気技術顕彰「でんきの礎」として「重粒子線がん治療装置HIMAC」が顕彰

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2024年03月18日

東芝エネルギーシステムズ株式会社

 このたび、一般社団法人電気学会の第17回電気技術顕彰「でんきの礎」において、国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構(以下、QST) 量子生命・医学部門、住友重機械工業株式会社、当社、株式会社日立製作所が開発した「重粒子線がん治療装置HIMAC(以下、HIMAC)」が顕彰され、3月15日に授与式が行われました。

 「でんきの礎」は社会生活に大きく貢献した電気技術の功績を称え、その価値を広く世の中に周知して、多くの人々に電気技術の素晴らしさ、面白さを知ってもらい、今後の電気技術の発展に寄与することを目的とし、技術史的価値、社会的価値、学術的・教育的価値のいずれかを有するおおよそ25年以上経過した電気技術を顕彰するものです。2008年の制度化以降、総計97件が顕彰されており、東芝グループとしては、これまで「送信用アレキサンダーソン型高周波発電機」や、「日本語ワードプロセッサ」、「インバータエアコン」、「電球形蛍光ランプ」、「超電導マグネット」「100万ボルト変電機器」などが顕彰されています。

 今回受賞したHIMAC は、完成から30年を迎えた世界初の重粒子線がん治療装置であり、多くのがんに対して重粒子線治療の有効性を示し、現在までに治療患者数は15,000人を超えました。その治療実績により、手術不能な骨軟部肉腫、頭頸部腫瘍、前立腺がん、膵臓がん、肝臓がんなど多くのがんが公的医療保険の対象となりました。また、HIMACによって基礎が完成した重粒子線がん治療技術は国内外に普及し、国内ではQSTの他に6施設が稼働し、海外にも輸出され、事実上の世界標準となっています。それらのうち、当社提供の装置は、国内では神奈川県立がんセンターと山形大学、海外では韓国の延世大学校医療院とソウル大学病院から受注しています。現在も、多くの引き合いをいただいており、さらなる普及へ向けて、本装置を世界中へ提供してまいります。

 当社は、持続可能な社会の実現に向け、今後もエネルギーを支える様々な技術の研究開発を進め、人々の暮らしに貢献します。

注 HIMAC:Heavy Ion Medical Accelerator in Chiba

授賞式の様子


(右から2番目)東芝エネルギーシステムズ(株) パワーシステム事業部 粒子線事業技術部 部長 浅野 真毅

重粒子線がん治療装置HIMAC 当社提供装置(一部)


画像1 高周波加速空洞 (提供:QST)
画像2 新治療研究棟 E治療室(水平/垂直、スキャニング照射)
画像3 新治療研究棟 G治療室(回転ガントリー照射)

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