令和3年度 全国発明表彰「発明賞」を受賞

~原子力発電所から排出される汚染水の処理技術の発明により、環境負荷低減へ貢献~

お知らせ

原子力

受賞

2021年5月26日

東芝エネルギーシステムズ株式会社

 この度、令和3年度全国発明表彰(主催:公益社団法人発明協会)において、当社の「原子力発電所から排出される汚染水の処理技術の発明」(特許第6158014号)が「発明賞」を受賞しました。

 全国発明表彰は、日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に、多大な功績を挙げた発明、考案、又は意匠、あるいは、その優秀性から今後大きな功績を挙げることが期待される発明等を表彰するものです。

受賞内容

名称:原子力発電所から排出される汚染水の処理技術の発明

(1)受賞者
東芝エネルギーシステムズ株式会社
田嶋 直樹 エネルギーシステム技術開発センター シニアエキスパート
三倉 通孝 エネルギーシステム技術開発センター シニアフェロー
矢板 由美 エネルギーシステム技術開発センター フェロー
山本 誠二 エネルギーシステム技術開発センター フェロー
大村 恒雄 エネルギーシステム技術開発センター シニアマネージャー
大里 哲夫 エネルギーシステム技術開発センター 
山田 和矢 エネルギーシステム技術開発センター
宮本 真哉 エネルギーシステム技術開発センター フェロー

(2)発明の概要
 東京電力ホールディングス株式会社の福島第一原子力発電所では、2011年3月の震災発生により、設備が被災し、放射性物質で汚染された水が大量に発生しました。この汚染水には、津波で混入した海水に、セシウム(Cs)とストロンチウム(Sr) などの放射性核種が含まれていました。当社は、事故発生後すぐに、最重要視していたCsを除去する目的で、セシウム除去装置SARRY™を開発し、2011年10月からSARRY™を稼働させてきました。その後、Cs以外の核種、特にSrを除去するニーズが高まりましたが、既存のCs、Sr同時吸着材は、Srについて十分な吸着性能がない上、混入した海水により、さらに性能が低下しました。
 このため、海水が混入している条件下でも、CsとSrの同時吸着に適した材質の研究に着手しました。その結果、既存品に対してCsは2倍以上、Srは10倍以上の吸着性能を有する吸着材の開発に成功しました。本発明により製造した吸着材は、現在、福島第一原子力発電所で稼働しているセシウム除去装置SARRY™や多核種除去設備MRRS™など、複数の汚染水処理設備の吸着塔に2013年以降、順次実装されており、汚染水処理に大きく貢献しています。また、単位体積当たりの処理量が大きいため、放射性廃棄物となる廃吸着材量を少なく抑えることができ、環境負荷の低減にも貢献しています。

 当社は、今後も技術開発を進め、福島第一原子力発電所の廃炉に貢献していきます。

発明賞に関する写真

セシウム除去装置 SARRY™
セシウム除去装置 SARRY™
多核種除去設備 MRRS™
多核種除去設備 MRRS™

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