カーボンニュートラル社会実現に貢献するCO₂分離回収技術
私たちは、火力発電所等の排気ガスから大気中に放出されるCO₂を分離回収する技術の開発を進めています。
火力発電所をはじめ多種多様なCO₂排出源と回収後の用途に対応
既存の火力発電プラントにも導入可能。地球温暖化対策に貢献するCO₂分離回収技術
CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)は、プラントから排出されるCO₂(二酸化炭素)を分離、回収、貯留する技術です。その中で、東芝は、CO₂分離回収技術の確立と推進に取り組んでいます。
当社では、CO₂を選択的に吸収、放出する特性を持つ吸収液での化学吸収法による燃焼後回収技術を用いています。
発電等により発生した排ガス中のCO₂を、吸収塔で吸収液に吸収させ、次にその吸収液を再生塔で加熱しCO₂を放出させます。 CO₂が放出された吸収液を再び吸収塔の吸収に用いるといった具合に、発生する排ガス中のCO₂を連続的に分離、回収していきます。
燃料後回収技術は、CO₂を発生するあらゆるプラント形態に適用可能で、新設のみならず既設プラントに付設することもできます。
実用化を加速させるCO₂分離回収技術のパイロットプラント
東芝は、2009年9月、福岡県大牟田市にある株式会社シグマパワー有明三川発電所内にCO₂回収量10トン/日規模のパイロットプラントを建設し、ここでCO₂分離回収システムの開発、改良、その実証を行っています。ここでは、火力発電プラントの実排ガス環境下のシステム性能を実証するとともに、システム機器としての運転性、運用性、保守性についての検証も進めています。
CO₂分離回収プラント計画・実施例
東芝は、CO₂分離回収に対する市場、お客様のニーズに合わせ、発電プラント他あらゆるCO₂排出源と回収後用途に向けて、高性能かつ最適に統合されるCO₂分離回収技術の提供を目指しています。2015年には、既設の佐賀市清掃工場からのCO₂排出に対して、回収後の農業等への利用を目的としたCCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)向けのCO₂分離回収設備を建設、2016年9月より運転を開始しています。
また、2020年10月には、グループ会社である株式会社シグマパワー有明の三川発電所(福岡県大牟田市)において、発電所から排出されるCO₂を分離回収する大規模な実証設備注1の運転を開始しており、これはバイオマス発電所から排出されるCO₂を分離回収する世界初注2の大規模BECCS注3対応設備となります。
注1 環境省「環境配慮型CCS実証事業」(2016年度~2020年度)
注2 当社調べ。2020年10月時点。
注3 Bio-Energy with Carbon Capture and Storage:CCS付きバイオマス発電
CCUSの経済性向上に貢献する新CO₂吸収液『TS-X™』
CCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage)は、工場や発電所などで発生するCO₂を分離・回収し、貯留または有効利用することで、温室効果ガスの排出削減を目指す技術です。カーボンニュートラルの実現に向けて期待が高まる一方、設備や運転にかかるコストの低減が普及に向けた重要な課題となっています。
東芝は、この課題の解決に向けて新たなアミン系CO₂吸収液「TS-X™」を開発しました。福岡県大牟田市の三川発電所パイロットプラントでの評価では、従来吸収液「TS-1」と比較して優れたCO₂吸収性能を示し、特にCO₂濃度の低い排ガスに対して回収エネルギーを約20%削減できることを確認しています。
さらに、佐賀市清掃工場の商用CO₂回収設備において約1年間の連続運転評価を実施した結果、「TS-X™」は主成分アミンの劣化速度を「TS-1」比約1/3、劣化生成物の一種である有機酸の蓄積速度を約1/3に抑制できることを実証しました。これにより、吸収液の長寿命化と運転コストの低減が期待されます。これらの技術は、排ガス中のCO₂濃度が低いガスタービンコンバインド発電システムへの適用拡大につながるものであり、CCUSの経済性向上とカーボンニュートラル社会の実現への貢献が期待されています。
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TOMCAP™シリーズ
東芝はお客様のニーズに合わせ、CO₂回収量に応じた製品ラインナップを提供しています。
◆試験・検証用小型CO₂分離回収装置 TOMCAP™mini [CO₂回収量 10kg/日、300 kg/日]
◆モジュール型CO₂分離回収装置 TOMCAP™-10 [CO₂回収量 10t/日]
なお、「小型CO₂分離回収装置 TOMCAP™mini」は、「2024年度 グッドデザイン賞」を受賞しております。
P2C技術との連携
東芝では、CO₂分離回収技術により回収したCO₂を、再エネの電力で分解し新たな価値を創造する「P2C(Power to Chemicals)」技術の開発も行っております。

