大規模CO2分離・回収実証設備の起工について

― 日本で初めて火力発電所から排出されるCO2の50%以上を回収 ―

ニュースリリース

火力

2017年12月15日

東芝エネルギーシステムズ株式会社

 当社は、火力発電所から排出されるCO2を分離・回収する大規模な実証設備の起工式を本日開催しました。建設工事は2018年2月に開始します。CO2分離・回収設備の機器の納入、据付、試運転を経て2020年の夏に実証運転を開始し、技術、性能、コスト、環境影響等の評価を行うとともに、クリーンなエネルギーの創出への取り組みを強化していきます。

 本設備は、グループ会社である株式会社シグマパワー有明の三川発電所(福岡県大牟田市・出力5万kW)から1日に排出されるCO2の50%にあたる500トン以上のCO2を分離・回収することができます。これは、日本で初めて注1火力発電所から排出されるCO2の50%以上を回収可能な設備となります。また、三川発電所は現在パーム椰子殻(Palm Kernel Shell)を主燃料としたバイオマス発電を行っており、バイオマス発電所の排出するCO2を分離・回収する世界初注2の大規模設備となる予定です。

 当社は、2009年以来同発電所内に建設したCO2回収量10トン/日規模のパイロットプラントでCO2分離回収システムの開発、改良、実証を積み重ね、実際の火力発電所におけるシステム性能を実証するとともに、運転性、運用性、保守性についての検証を進めています。2016年には、世界で初めて清掃工場で商用利用される当社製CO2分離回収プラントが佐賀市で稼動するなど、火力発電所の排ガスをはじめ、多種多様な排ガスへの分離・回収システムの適用も目指しています。

 本設備は、環境省の「環境配慮型CCS実証事業」としてみずほ情報総研株式会社をはじめとする13法人注2で採択された事業の一環として建設するもので、CO2分離・回収実証設備の設計・建設を当社が担当しています。

 当社は、本設備での実証運転と評価を通じ、国内外におけるCCS導入の早期実現による地球温暖化防止に寄与していきます。

注1:当社調べ。2017年12月時点。

注2:東芝エネルギーシステムズ株式会社(当時、株式会社東芝)、みずほ情報総研株式会社、千代田化工建設株式会社、日揮株式会社、三菱マテリアル株式会社、大成建設株式会社、株式会社ダイヤコンサルタント、株式会社QJサイエンス、日本エヌ・ユー・エス株式会社、国立研究開発法人産業技術総合研究所、一般財団法人電力中央研究所、国立大学法人東京大学、国立大学法人九州大学の13法人(プロジェクトリーダーは、国立研究開発法人産業技術総合研究所 赤井誠 名誉リサーチャー)。

CO2分離回収の仕組み
CO2分離回収の仕組み
CO2分離・回収実証設備イメージ
CO2分離・回収実証設備イメージ

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