環境省「環境配慮型CCUS注1一貫実証拠点・サプライチェーン構築事業」に採択

~CO2分離回収から液化圧縮までCCUSのサプライチェーン構築に幅広く貢献~

ニュースリリース

火力

戦略・施策

2021年9月10日

東芝エネルギーシステムズ株式会社

 当社および一般財団法人石炭フロンティア機構を含む13法人は、環境省が公募する「環境
配慮型CCUS一貫実証拠点・サプライチェーン構築事業」の「輸送・貯留等技術実証」に応募し、採択されました。また、当社は「液体吸収剤による分離回収技術実証」へ単独応募し、採択されました。これにより、当社は、2021年度から2025年度まで、火力発電所から排出される排ガスからCO2を分離回収する実証、及びCO2を液化・圧縮する設備を建設・運転する実証を行います。当社はCO2の分離回収から液化圧縮までCCUSのサプライチェーン構築に幅広く貢献します。

 当社は、2016年度よりCO2の分離回収に関し、環境省の実証事業注2の委託を受けました。グループ会社である株式会社シグマパワー有明の三川発電所(福岡県大牟田市・出力50,000kW)から1日に排出されるCO2の50%以上にあたる600トン以上のCO2を分離回収する設備を建設し、2020年11月から2021年3月まで実証運転を行いました。
 なお、本設備は、バイオマス発電所から排出されるCO2を分離・回収する世界初注3の大規模CCS注4対応設備(BECCS注5対応設備)となります。今回採択された「液体吸収剤による分離回収技術実証」では、この設備の運転を引き続き行い、CO2の回収性能や安定性、及びCO2の分離回収に使用されるアミン系吸収液の大気へ排出されるアミン成分量の削減手段について更なる評価検証を行っていきます。

 今回新たに採択された「輸送・貯留等技術実証」では、当社はCO2の液化・圧縮設備の建設・運転を担当し、同設備を三川発電所の隣接地に建設します。また、同実証では石炭フロンティア機構が委託を受けている港湾設備建設事業が並行して進められる予定です。

 今回の実証事業全般を通じ、三川発電所から排出されたCO2は、CO2分離回収実証設備により、排ガスから分離され、パイプラインを通じ液化・圧縮設備に運ばれます。その後、圧縮し、低温下で液化して、その後港湾設備に送られます。
 本実証全般を通じ、CO2の回収、液化・圧縮、船舶への積み込みと海上輸送といったCCUSのトータルシステムの実現に向けた動きを加速していきます。
 今回の実証において当社は、CO2分離回収および液化圧縮を担当し、CCUSのサプライチェーン構築に幅広く貢献します。

 カーボンニュートラルの実現に向け、国内外では再生可能エネルギーの導入が進んでいますが、電力を安定供給するための電源として、火力発電の役割は続いていくと考えられます。このような中、排出されるCO2を大幅に削減可能なCCUS技術の実現が求められています。

 当社は、環境省が掲げる2030年の本格的なCCUS社会実装に向けて、バイオマス発電所にCCS技術を適用したBECCS対応設備の技術開発等によって、カーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

注1:CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage):プラントから排出されるCO2を分離、回収、利用、貯留する技術
注2: 「環境配慮型CCS実証事業」
注3:当社調べ。2021年9月時点
注4:CCS(Carbon dioxide Capture and Storage):プラントから排出されるCO2を分離、回収、貯留する技術
注5:BECCS:(Bio-Energy with Carbon Capture and Storage): バイオマス由来ガス中のCO2を分離、回収、貯留する技術

CCUSサプライチェーンの一般的イメージ

CCUSサプライチェーンの一般的イメージ

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