デジタルで電力系統の運用・保守の高度化と
効率化の両立を実現するソリューション

私たちは、電力流通インフラの開発・設計・製造・施工・保守の経験から得た豊富な知見と次世代のエネルギーサービスの具現化から得た最先端の技術を結集し、デジタルツインの拡張とデータの連携を通じて、運用の効率化と高度化を進め、次世代にふさわしいエネルギーサービスシステムを具現化するためのソリューションを提供します。

デジタル技術により次世代の電力流通を実現するソリューション

このページでは豊富な実績をもつ東芝が取り組む電力流通におけるデジタルサービスの取り組みについて紹介します。

施工・保守のデジタル化


ケーブル接続管理


ケーブルにまつわるデータのデジタル化で現場作業の効率化

制御ケーブルは変電所内で機器間の信号伝達を担い、電力の安定供給に重要な役割を果たします。従来は紙の図面で接続状態を管理していましたが、盤の増設・撤去時の準備や更新作業に多くの手間がかかり、接続の不一致が発生することもありました。これを解消するため、接続状態をデジタルで管理することで、正確かつ多角的な実態把握を可能にします。

遠隔支援・監視


LPIS™(Low Power IoT Solution)


電源が無く携帯電波の届かない山間部でも価値あるセンシングデータをリアルタイム収集し遠隔監視を支援

LPISは、山奥など従来の通信手段が届かず電源がない環境で、水位や雨量など各種データの収集を可能にするソリューションです。計測した各種データを複数の無線中継器でバケツリレーのように伝送することで、地形の制約にも柔軟に対応します。無線中継器は乾電池で動作し、電源供給が難しい場所でも使用できます。お客様のシステムと連携することで、リアルタイムに監視や制御にも活用いただけます。


遠隔支援アプリケーション


リモート対応で支援者の現地移動を削減し、デジタル化で業務効率を高めます

遠隔支援アプリケーションは、インターネットを通じて現場の状況確認や現場作業者の支援を行うためのコミュニケーションツールです。発注者や設計者、検査者などの支援者が導入することで、現地の状況を的確に把握し、現場への移動を減らすとともに、報告書やチェックシートのデジタル化を促進し、業務の効率化を図ることができます。本アプリケーションは、一般的なウェブ会議アプリとは異なり、現場作業者が現場で使いやすいように設計された機能を備えています。支援者の視点だけでなく、現場作業者の利用を促進するための工夫が施されている点が特徴です。

運用のデジタル化


ダイナミックレーティング(DLR)サービス


既設送電設備の有効活用し、運用の高度化を支えるセンサーレスDLR

ダイナミックレーティングは、設備温度を動的に把握して、潜在的な設備能力を最大限活用する運用技術です。東芝は、気象予測技術と風況解析技術によりセンサーレスでDLRサービスを提供し、カーボンニュートラルの実現とコスト負担最小化の両立に貢献します。


スマートメーター通信システム


レジリエンス向上、DX・効率化、新規サービス創出に貢献するスマートメーター通信システム

スマートメーター通信システムは、計測粒度の細分化や通信規格の多様化などを図る次世代スマートメーターの導入により、レジリエンス強化、デマンドレスポンス・省エネ促進などへの活用が期待されています。
東芝は、システムを構成するスマートメーター(通信部)、データを中継するコンセントレーター、データを収集・保持するヘッドエンドシステムなどの製品群を手掛けており、世界最大規模のスマートメーター通信システムの納入実績があります。システムの安定運用と信頼性のさらなる向上を目指し、携帯網通信やマルチホップ通信などの無線通信技術、ネットワーク設計技術、セキュリティ技術などの開発に取り組んでいます。

東芝レビュー73巻4号(2018年7月) (PDF形式)(376KB)
東京電力パワーグリッド(株)スマートメーター通信システムの構築と運用

東芝レビュー78巻2号(2023年3月) (PDF形式)(13.05MB)
Wi-SUN FAN対応無線マルチホップネットワークシミュレーター

東芝レビュー80巻2号(2025年3月) (PDF形式)(3.46MB)
コンセントレーター機能内蔵スマートメーターによる新通信方式


潮流計算クラウドWebサービス


電力系統解析の基盤機能のWebサービス化で、系統運用に係る業務の効率化、高度化を実現

潮流計算は電力系統の計画や運用に欠かせない計算技術です。これまでWindowsアプリケーションとしてサービスを提供していましたが、近年、企業が抱える設備の維持管理の負担の増加や、働き方改革などを背景に、電力系統データ作成プログラムと潮流計算機能をいった、電力系統解析支援プラットフォームをWeb上に実現しました。
Webサービスをして系統モデルの作成や潮流計算を行うことが可能になり、出張先や在宅勤務など場所を問わず多様な働き方に対応できます。また、大規模系統でも操作性に優れる系統図を備えた本格仕様によって、様々な応用への対応が可能です。