COP29の「ジャパン・パビリオン バーチャル展示」への出展について
~東芝グループが提供するカーボンニュートラルの実現に貢献するエネルギーソリューション「SCiB™」および「AEROXIA™」を紹介~
2024年10月16日
株式会社 東芝
東芝エネルギーシステムズ株式会社
株式会社東芝および東芝エネルギーシステムズ株式会社(以下、東芝ESS)は、11月11日から22日までアゼルバイジャン共和国のバクーで開催される国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(以下、COP29)において、環境省が主催するジャパン・パビリオンのバーチャル展示(バーチャル展示期間:10月11日から12月下旬予定)に出展します。
COP29では、環境省が「ジャパン・パビリオン」を設置し、日本の優れた製品・サービスと気候変動に対する取り組みを世界に向けて発信します。現地会場において展示をする実地のパビリオンと、バーチャル展示がありますが、東芝および東芝ESSは、バーチャル展示において、東芝グループがカーボンニュートラルの実現に貢献する技術として提供するエネルギーソリューションの中から、環境省より選出されたSCiB™およびAEROXIA™を動画で紹介します。
東芝グループは、「人と、地球の、明日のために。」の経営理念のもと、現在、そして未来の地球環境に配慮し、事業活動を通じて社会課題の解決と社会の持続的成長に貢献しています。また、東芝グループはグループが取り組むマテリアリティ(重要課題)として、気候変動への対応を挙げています。東芝グループは、SCiB™およびAEROXIA™を含めた先進技術で、カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミー・ネイチャーポジティブ(自然再興)※1の実現に貢献してまいります。
展示内容
1. 蓄電システムをライフサイクルで最適化する『SCiB™』
東芝グループが開発したリチウムイオン二次電池「SCiB™」は、従来品では実現が困難である①高い安全性、②充放電を2万回※2以上繰り返しても劣化が少ない長寿命特性、③急速充電性能、④高入出力性能、⑤低温性能、⑥広い実効SOC※3レンジといった特長を備えるリチウムイオン二次電池で、モビリティから蓄電システムまで幅広く使われています。長寿命という特性を生かし、一つの製品を長期間使用することができるため、リチウムなど限りある資源の使用量の最小化とCO2排出量の削減、また、蓄電システムのライフサイクルにおけるトータルコストの低減、ひいてはサーキュラーエコノミーやネイチャーポジティブ(自然再興)へのコベネフィット効果※4が期待できます。高入出力性能の特長を生かした蓄電システムは、電力系統の安定化などの周波数変動に対応した抑制用途や、島しょ部やへき地などでのオフグリッド電源等の用途に適しており、再生可能エネルギー導入に伴う調整力の確保や、既設のディーゼル発電機の部分負荷運転状態※5を削減することにより、CO2排出量の削減が期待できます。
加えて、これらの用途に対しても、バッテリーの長寿命特性を生かし、モビリティ向けの使用済みバッテリーを再利用(リパーパス)※6することも可能です。
2. 自然由来のガスを用いた電力用六フッ化硫黄(SF6)ガス代替ソリューション「AEROXIA™」
電力の安定供給を支える変電設備には、電力インフラを落雷などから守るGIS(Gas Insulated Switchgear/ガス絶縁開閉装置)や変圧器、避雷器など様々な機器があります。GISには、電気絶縁性能や電流遮断性能に優れ、化学的に極めて安定している六フッ化硫黄(SF6)ガスが用いられてきました。SF6ガスは、変電機器のコンパクト化、メンテナンスの省力化に大きく貢献する一方、大気中に放出された場合の地球温暖化への影響がCO2の20,000倍以上もあることから、大気に漏えいしないよう対策を十分に行ったうえで機器に用いられています。しかしながら、地球温暖化対策の観点から、欧州や米国の一部の州などではSF6ガスの使用禁止に向けた法整備が進められています。東芝ESSは、安全性や環境面のリスクが低く、かつユーザービリティの高い製品コンセプトを志向しており、SF6ガスやフッ素を含む人工ガスを全く使用しない、自然界の空気に含まれるガスのみを使用した電力用ガス絶縁変電機器ソリューションである『AEROXIA™』ブランド※7を立ち上げ、環境に調和し、省メンテナンス性に優れた製品ラインナップを拡充しています。
COP29「ジャパン・パビリオン バーチャル展示」のイメージ
- 生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せること。
- セルの種類や使用条件により特性は異なる。
- SOC:State Of Charge、充電率または充電状態を表す指標。
- 一つの活動がさまざまな利益につながっていくこと。例えば、森林や湿原の保全が、生物多様性の保全につながると同時に、二酸化炭素の吸収源を守り、地球温暖化対策にもなるという相乗効果を指す。相乗便益。
- 発電出力0の状態を無負荷運転、最大出力の運転状態を全負荷運転、全負荷に達しない運転状態を部分負荷運転という。発電機は全負荷運転で最高効率となるよう設計されており、部分負荷運転を行うと、全負荷運転の場合と比べて熱効率が低下し、結果としてCO2排出量が多くなる。
- 製品における使用(一次利用)を終えたものを、目的を転じて別の製品に組込んで再度活用すること
- “AERO”(自然由来ガス)+“AXIA”(ギリシャ語で価値)東芝ESSによる造語。