製品・技術サービス
地域を越えて電力融通を実現する電力変換技術
私たちは、1950年代に直流送電システム(HVDC)の技術開発を開始、日本の電力流通ネットワークを支える直流送電/周波数変換システムや、 電圧安定化用静止形無効電力補償装置を納入し、電力の安定供給に貢献しています。
送電効率向上・地域間連系強化のための『直流送電システム』
東芝は、日本の電力会社向け直流送電プロジェクトすべてに参画し、国内トップシェアを維持しています。
最新のMMC*1方式を適用した次世代自励式直流送電技術(自励式HVDC)
変換器の高電圧化に適したMMC方式を適用した自励式HVDCシステムを国内メーカーとして初めて実現し、 東芝独自の回路構成によるコンパクトなシステム構成と系統運用に対して自由度の高い運転を可能にしています。
*1 MMC: Modular Multilevel Converter
(モジュラーマルチレベル変換器)
2013年に北海道と本州間を結ぶ自励式直流送電プロジェクト(300MW、DC250kV、DC1200A)を受注し、本技術を適用しています。
長距離・大容量送電を可能にする他励式直流送電技術(他励式HVDC)
他励式変換装置を高電圧大容量送電に多数納入するなど、国内外で多くのプロジェクト実績を持ち、系統連系強化による広域安定供給の確保に貢献しています。
国際市場参入への先駆けでもあり、国内メーカーとして初の吊バルブを開発し、2012年に直流±500kVのイタリア-モンテネグロ間を結ぶ″MONITA″HVDC(TERNA社)をFTK*2で受注し、2019年に運用を開始しています。
*2 FTK:Full Turn Key
(設計、調達、製造、土木・据付工事および現地調整試験まで一括して行う契約形態)
東と西の周波数の壁を越える周波数変換システム
東京中部間連系交直変換設備において、直流設備、制御保護、変圧器、GIS、調相設備、フィルタ、直流開閉器等の主要機器を一括で納入し、2019年に運用を開始しています。 既設システム(新信濃/佐久間/東清水周波数変換システム)を含め、東日本の50Hz系統と西日本の60Hz系統の連系強化による広域安定供給に継続的に貢献しています。
【適用箇所】
-
新信濃1号FC(1977年)
新信濃2号FC(1992年)
佐久間FC(1993年)
新信濃1号FC更新(2009年)
東清水FC(2006年)
( )内は運用開始年
*3 FC: Frequency Converter
多種多様な電力系統用パワーエレクトロニクス応用システム
交流での連系が難しい地域をカバーする非同期連系システム(BTB*4)
非同期連系システム(BTB)は、
- 相手系統に影響を与えることなく非同期連系が可能
- 高速な連系線潮流制御が可能
- 連系による短絡電流の増加がない
といった特徴を持ち、交流での連系が難しい地域での電力連系を可能にします。
【適用箇所】
-
南福光BTB(1993年運用開始)
*4 BTB: Back-to-Back
系統電圧の乱れを補正する電力系統用無効電力補償装置(SVC*5)
需給バランスの変動に伴う電圧変動を抑制し、電圧安定度を高める効果を持つ電力系統用SVCを国内外に数多く納入しています。
天候の影響を受けやすい再生可能エネルギーの出力により生じる電圧変動の対策にも貢献しています。
*5 SVC:Static Var Compensator