研究開発・技術

経年火力発電プラントのフレキシブルな起動を可能にする信頼性・運用性向上技術

 地球温暖化対策として再生可能エネルギー(以下,再エネと略記)の導入拡大が進む一方で,太陽光発電や風力発電は気象条件によって発電量が大きく変動するため,従来の発電設備には一層フレキシブルな運用が求められる。ベースロード電源の一つである火力発電プラントでも,再エネによる発電量の変動に応じて素早く出力調整できるように,信頼性及び運用性の向上が求められている。

 東芝エネルギーシステムズ(株)は,このような市場ニーズに応えて,経年火力発電プラントに対して適切な信頼性・運用性向上技術を開発してきた。最新鋭の蒸気タービン技術を適用し,蒸気タービンの起動停止回数の増加や,起動時間の短縮,負荷変動に対する追従性など,経年火力発電プラントのフレキシブルな起動を可能にする技術や,スナッバー翼や窒化チタンアルミニウム(TiAlN)コーティングなど,様々な信頼性向上技術により,電力の安定供給に寄与している。

蒸気タービンのミスマッチ起動時間と最適起動時間の比較
蒸気タービンのミスマッチ起動時間と最適起動時間の比較