福島第一原子力発電所2号機 原子炉格納容器内部調査装置を開発

ニュースリリース

原子力

2017年12月22日

東芝エネルギーシステムズ株式会社
技術研究組合 国際廃炉研究開発機構

 東芝エネルギーシステムズ株式会社(代表取締役社長:油谷好浩、以下、東芝エネルギーシステムズ)と技術研究組合 国際廃炉研究開発機構(理事長:石橋英雄、以下、IRID)は、東京電力ホールディングス株式会社 福島第一原子力発電所2号機の原子炉格納容器内のペデスタル注1内部の状況を確認するための調査装置を開発しました。

 福島第一原子力発電所2号機では、今年2月に株式会社東芝(現・東芝エネルギーシステムズ)およびIRIDが開発した内部調査装置を用いた調査により、ペデスタル内部のプラットホームの格子部(グレーチング)の一部が脱落していることを確認しています。今回開発した装置で原子炉格納容器内部のプラットホーム下などの状態を調査する計画です。

 今回開発した装置は、ガイドパイプと約5mに伸長する伸縮式パイプ注2の先端に、重さ約2kgのパンチルトカメラ・俯瞰カメラ・ケーブル送り機構などを搭載するものです。本調査装置は、X-6ペネと呼ばれる貫通口に、今年2月の調査で内部調査装置を挿入するために設けた直径約12cmの穴から挿入するため、装置の小型化を実現しました。パンチルトカメラは、遠隔操作により垂直方向120度、水平方向360度の撮影が可能です。また、暗く、蒸気などにより視界が不明瞭であることが想定される原子炉格納容器内部の環境下においても、視認性を確保するためにカメラと照明の距離を調整できる機構を搭載しました。

 本調査装置は、本日福島へ向け出荷し、現地の準備作業を経て来年1月後半~2月に計画されている2号機の格納容器内部調査に投入される予定です。
 東芝エネルギーシステムズとIRIDは、今後も技術開発を進め、福島第一原子力発電所の廃止措置に貢献してまいります。

注1 原子炉圧力容器を支える鉄筋コンクリート製の構造物
注2 テレスコピック機構(重なり合った筒が伸び縮みする構造)を有するパイプ

内部調査装置のイメージ図

内部調査装置のイメージ図

先端カメラ搭載部のイメージ図

先端カメラ搭載部のイメージ図

今回の調査対象

今回の調査対象

内部調査機器の概要

外形寸法直径約11cm、ガイドパイプ長さ約13m、
伸縮式パイプ長さ約5m(伸長時)
先端カメラ搭載部
質量・寸法
質量約2kg,長さ約40cm
特徴カメラ2台(パンチルトカメラ、俯瞰カメラ)、
外部照明(LEDライト)、ケーブル送り機構、線量計、温度計
電源有線により給電
耐放射線性約1,000Gy(グレイ)

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