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配電用避雷器FAQ

避雷器の仕様・形式について

旧形避雷器の現行機種形式は?

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旧形避雷器の現行形式を下表に示します。

この表は横スクロールできます。

構造

旧形式

定格電圧

(kV)

公称放電電流

(kA)

用途

現行形式

ギャップ付き

RVSG-3P

4.2

2.5

一般形

(0.35mg/cm2

RVSQ-3GPS

RVSQ-3GP

RVSG-6P

8.4

RVSQ-6GPS

RVSQ-6GP

RVSGB-6P

8.4

5

一般形

(0.35mg/cm2

RVSQC-6GP

RVSGB-6A

8.4

耐塩形

(0.35mg/cm2

RVSQC-6GPH

RVSG-3B

4.2

2.5

盤専用

(屋内用)

RVSQ-3GPS

RVSG-6B

8.4

RVSQ-6GPS

RVSQ-3GC

4.2

RVSQ-3GPS

RVSQ-6GC

8.4

RVSQ-6GPS

RVSGC-3

4.2

5

RVSQC-3GC

RVSGC-6

8.4

RVSQC-6GC

ギャップレス

RVLMC-3PA

RVLMC-3PAM

4.2

10

一般形

(0.01mg/cm2

RVLQD-3PAM

RVLMC-6PA

RVLMC-6PAM

8.4

RVLQD-6PAM

RVLMC-10P

RVLMC-10PM

14

RVLQD-10PM

RVLMC-20P

RVLMC-20PM

28

RVLQD-20PM

形式の選定方法は?

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下記仕様に基づき形式をご選定ください。
①系統電圧(3.3、6.6、11、22kV)
②定格電圧(4.2、8.4、14、28kV)
③公称放電電流(2.5、5、10kA)
④避雷器選別(磁器がいし形、ポリマー形)
⑤適用(屋外用、屋内/盤収納用)
⑥耐汚損区分(一般形、耐塩形)

納期はどの程度か?

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形式をご選定の上、弊社へお問合せください。

適用規格は?

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適用規格は下表のとおりです。
詳細な機種についてはカタログをご参照ください。

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構造

系統電圧

適用規格

ギャップ付き

磁器がいし形

3.3kV

JEC-2374:2015

6.6kV

JEC-2374:2015/JIS C 4608※1

ギャップレス

磁器がいし形

3.3~22kV

JEC-2374:2015

ポリマー形

JEC-2371-2003

※1 キュービクル式高圧受電設備用のみ適合

避雷器の電圧-電流特性を教えてほしい。

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形式をご選定の上、弊社へお問合せください。

外形図、CADデータ、取扱説明書は入手可能か?

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弊社ホームページよりダウンロードできます。

保守・点検・廃棄について

避雷器の健全性を確認する方法は?

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下記をご確認ください。

  • 傷、汚れ、ボルトの緩み等、外観に異常がないこと。
  • メガーによる絶縁抵抗測定を行い、2000MΩ以上であること。
    (1000V絶縁抵抗計をご使用ください)
  • 漏れ電流測定値が初回測定値の0.5~1.3倍の範囲内であること。※1
    ※1 ギャップ付き避雷器は漏れ電流が流れないため、ギャップレス避雷器が対象。

避雷器の更新時期はどの程度か?

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避雷器の更新時期は15年を推奨しています。

漏れ電流の測定方法は?

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避雷器付属品の断路器を使用して電流計を直列に接続し、電流値を読み取る方法があります。また、クランプ形CT漏れ電流測定器によって漏れ電流を測定する方法もあります。

現地耐電圧試験について

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電気設備基準第18条に定める現地耐電圧試験の試験電圧は避雷器の定格電圧を超えてしまうため、現地耐電圧試験は実施しないようお願いします。

廃棄方法について

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一般の産業廃棄物として処理してください。

有害物質の使用有無について

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人体や環境に影響を及ぼすアスベスト、PCB、鉛等は使用しておりません。

避雷器の用語について

定格電圧とは?

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電圧印加状態の避雷器が所定の雷サージ動作責務を所定の回数遂行することができる最大の商用周波電圧です。系統電圧に応じた電圧が規定されています。
定格電圧は連続的に避雷器へ印加することはできません。

公称放電電流とは?

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避雷器の保護性能及び原状復帰性能を表現するために用いる放電電流の規定値です。8/20μs波形の電流波高値で規定されます。
ギャップ付き避雷器は2.5kA、5kAが規定されています。ギャップレス避雷器は10kAで規定されています。雷害が多い地域では、公称放電電流5kAや10kAの避雷器を設置すると安全性が高まります。

動作開始電圧とは?

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ギャップレス避雷器において、開閉サージ放電耐量クラスに応じて定められた小電流に対する避雷器の端子間電圧です。
開閉サージ放電耐量クラスDの場合、動作開始電圧は1mAの電流が流れるときの避雷器の端子間電圧です。

制限電圧とは?

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避雷器の放電中、避雷器の両端子間に発生する電圧です。制限電圧波高値で規定されます。
制限電圧をより低減できるほど、性能に優れた避雷器となります。

ギャップ付き避雷器とは?

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線路端子側に直列ギャップを持つ避雷器です。直列ギャップがあるため、通常の運転電圧では避雷器に電流は流れませんが、サージ電圧が印加されると直列ギャップが放電し、避雷器に電流が流れます。直列ギャップ放電後は、避雷器の電圧ー電流特性により続流を遮断し、原状復帰します。

ギャップレス避雷器とは?

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直列ギャップを持たない避雷器です。直列ギャップを持たないため、急峻な雷サージに対する応答性に優れています。通常の運転電圧に対して絶縁体であるため、漏れ電流は非常に微小です。

商用周波放電開始電圧とは?

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ギャップ付き避雷器において、商用周波電圧が印加された避雷器が、その波高値付近で放電し、実質的に避雷器に電流が流れ始める最低の商用周波電圧です。

雷インパルス放電開始電圧とは?

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ギャップ付き避雷器において、雷インパルス電圧が印加されて放電する場合に、その初期において放電電流が十分に形成され、避雷器端子間電圧の降下が始まる以前に達しうる避雷器端子間電圧の最高瞬時値です。
※図1をご参照ください。

ギャップ付き避雷器放電時の端子間電圧 グラフ
図1 ギャップ付き避雷器放電時の端子間電圧

放電耐量とは?

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避雷器が故障・破損することなく所定回数流すことのできる放電電流波高値の最大値です。
雷インパルス電流(4/10μs)と方形波(2ms)それぞれで規定されます。

開閉サージ放電耐量クラスとは?

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ギャップレス避雷器(公称放電電流10kA、20kA)に適用される、開閉サージ動作責務試験における動作責務を示す指標です。開閉サージ(遮断器動作後の再閉路により発生するサージ)処理能力が高い順にクラスA~クラスDに分類されます。
JEC規格上、系統電圧33kV以下の避雷器はクラスDに分類されます。

耐電圧とは?

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避雷器の容器がフラッシオーバーや破壊することなく耐えられる最大の電圧です。

定格放圧電流とは?

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避雷器内部故障時等に、内部圧力の上昇によって放圧装置(東芝製品では避圧膜と呼称)が正常に作動し、避雷器の容器が爆発的に飛散することなく処理できる最大の電流値です(通電継続時間0.2秒)。公称放電電流10kA以上の避雷器に対して規定されます。

酸化亜鉛素子(ZnO素子)とは?

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酸化亜鉛素子(ZnO素子)は避雷器内部に積層されているセラミック素子です。酸化亜鉛を主成分とし、数種類の添加物(ビスマス、アンチモン等)から構成されています。
ZnO素子は電圧、電流が大きくなるほど抵抗値が小さくなる非直線抵抗特性を有しており、避雷器の電圧-電流特性(図2参照)はZnO素子の非直線抵抗特性に起因します。
弊社では、避雷器の仕様に合った様々な種類のZnO素子を製造しています。

避雷器の電圧-電流特性 グラフ

図2 避雷器の電圧-電流特性