研究者紹介

生成AIの応用技術開発専門家でなくても
データ分析を可能にする

AI基盤技術開発部門 狐塚 崇大

2021年度入社 システム創成専攻

人間の代わりに生成AIがデータ分析を遂行

私は生成AI(Generative AI)を活用したデータ分析技術の研究開発を行っています。昨今、製造や社会インフラ分野においてDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進され、テキストやセンサデータ、画像、音声など多種多様なデータが収集・蓄積されています。そして、蓄積したデータを利活用し、意志決定につながる有益な情報の獲得を行い、企業の競争力維持・強化に役立てられています。このとき、データを利活用するプロセスの中では、データ分析が行われます。データ分析は、統計や機械学習など専門的な知識や高度なスキルが求められる難しい作業です。そのため人材は少なく、費用コストも高くなります。そこで、私たちは生成AIと呼ばれる、文章や画像、音声、プログラムコードなど様々なコンテンツを生成できる人工知能に着目し、誰にでも簡単にデータ分析ができる技術の実現を目指しています。具体的には、現場の人が「データについて説明してください」と日本語で問いかければ、AIが人間のように振舞い、データの特性を分析し、日本語で説明してくれる技術です。このような技術を実現し、工場やインフラ設備などの製造、保守、点検作業のデータ解析支援や、安全確保、工場データの解析に応用したソリューションを提供していきたいと考えています。

説明イラスト

研究者と現場の双方の視点で開発を進める

私の所属している知能化システム技術センターのAI基盤技術開発部は、社内外の最先端技術を組み合わせて実社会に適用するための研究開発を行う部門です。研究と実運用のギャップ解消がミッションです。現在は生成AIを活用したソリューションを提供するための応用研究を行っています。
私たちの部門は、AIに精通した研究者とAIに精通してない顧客の間にいるため、両方の視点を持つ必要があります。今の私はまだ研究者視点に偏りがちですが、現場の視点に切り替えられたと感じる瞬間もわかるようになってきました。両方の視点に同時に立つことはかなり難しいと思いますが、今後はスイッチのように自由自在に2つの視点を切り替えられるようになりたいと思います。将来は、先端技術と製品開発現場との橋渡し役として、実際に私が研究開発した技術が社会実装されるところまでを見届けられるように活躍したいと思っています。

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ある在宅勤務日のスケジュール

8:30
勤務開始
  • ・メールチェック
  • ・その日のスケジュールとタスクを確認
9:00
技術情報収集
  • ・先端AI技術の論文調査・検証
  • ・メンバーに共有
10:30
AI技術検証
  • ・コーディング、評価
12:15
昼食
13:15
資料作成
14:00
プロジェクト会議
15:00
会議内容を踏まえて対応方針検討
  • ・タスクの具体化
  • ・先輩社員に相談
15:30
AI基盤システム開発
  • ・API、データベース設計
18:00
勤務終了

在宅勤務の時こそホウレンソウを意識する

学生時代は制御工学を専攻しており、AIやITシステム構築の知識や開発経験はありませんでした。学生時代とは異なる専門分野のため、入社した直後は「このままやっていけるのかな」と不安になりました。しかし、メンターの方からしっかりとしたサポートやアドバイスを頂けたことで、入社2年半でAI技術やITシステム構築の基礎を習得できました。また先輩方の議論にも参加できるようになり、現在の職場でやっていける自信が芽生えました。勤務形態は、在宅と出社のハイブリッド勤務になっています。プロジェクトのメンバーとは週に1回の定例会があり、進捗報告や作業内容の相談をしますが、それ以外の時間ではコミュニケーションが希薄になりがちです。そこで私は、仕事の基本であるいわゆるホウレンソウ(報告・連絡・相談)を強く意識するようにしています。在宅勤務だとホウレンソウは難しいと思われるかもしれません。しかし、社内コラボレーションツールのチャット機能を積極的に活用し、プロジェクトメンバーの方々との議論を活発に行えているため、弊害を感じることなく仕事ができています。一方、対面での良さもあります。コロナも落ち着き出社制限も解除されたので、必要に応じて出社を行い、新しい働き方を模索していきたいと思っています。

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学生の皆さんに一言

『自分はどのような人間か?自己分析は大事です』

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自分の価値観やどのようなときに強みを発揮できるのか、どんな環境なら仕事がしやすいのかを振り返ったうえで、それに合う会社を選ぶべきだと思います。また、自分が課題に直面したときに自分ならではの解決のアプローチが整理されていると、困難に直面したときの自分の意思決定をコントロールしやすくなり、社会人になってから成果を出しやすいと思います。普段の生活で自分自身のことを分析する機会はなかなか無いと思いますので、就職活動の機会に自己分析をしっかり行っておくことが重要ではないかと思います。