部門紹介

研究開発センターは2つの技術センターと4つの研究所で研究活動を行っています。各部門の取り組みや研究者の日頃の姿、および最近の研究開発情報を紹介します。 研究開発センターは2つの技術センターと4つの研究所で研究活動を行っています。各部門の取り組みや研究者の日頃の姿、および最近の研究開発情報を紹介します。

サイバーセキュリティ技術センター

デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展によるサイバーフィジカルシステムの拡大を背景に、高度化・多様化するサイバー攻撃の脅威に対し、情報セキュリティ基盤技術の研究開発、セキュリティ脅威分析、監視・検知、対応・復旧、最新対策等の一連のセキュリティマネジメント、運用を確実に遂行して安心、安全な社会を実現します。

セキュリティ基盤研究部門

高度化・多様化するサイバー攻撃から重要インフラなどの社会基盤を守るため、攻撃、防御技術それぞれに対する研究開発を進めています。量子計算機にも強い公開鍵暗号の設計・実装技術やサイバー攻撃を模擬できる基盤技術に加え、システムへのサイバー攻撃の監視・分析技術、攻撃を受けても早期に復旧可能なシステムを構築・運用する技術、製品に搭載されているソフトウェアの脆弱性に迅速かつ適切に対応するためのリスク評価技術、個人データや産業データなどの重要なデータを保護し、その信頼性を確立するための技術、また、これらのデータを利用するAIシステムを保護する技術など様々なセキュリティ技術の研究開発に取り組んでいます。

セキュリティ運用推進部門

システムのセキュリティを維持し、高度化・多様化するサイバー攻撃にいち早く対処するために、セキュリティ運用の高度化・効率化・自動化を実現するプラットフォームの研究開発や技術支援を行っています。また、東芝グループ各分社会社のCSIRT*1、PSIRT*2体制構築支援を通じてグループのセキュリティ対応力向上を目指します。

*1 CSIRT:Computer Security Incident Response Team
*2 PSIRT:Product Security Incident Response Team

セキュリティ技術部門

セキュリティアーキテクトとして、電力、水道、半導体等東芝グループ事業部門と連携し、セキュリティ脅威のアセスメントから、セキュアな製品・システムの開発、セキュリティ運用監視、インシデント対応、評価・検証まで幅広く、基盤研究部門の成果などを活用しながら製品・システムのセキュリティ強化を高度な技術により支援しています。また、国際標準化への参画や海外含めた外部連携を通じて常に最新のセキュリティ知識を蓄積し、デジタルトランフォーメーションを支える高度なセキュリティ人材の育成にも取り組んでいます。

エッジ&セキュリティ開発部門

東芝グループが目指すCPS(Cyber Physical Systems)におけるエッジ(組込み)システムを対象に、エッジ自体を構築するシステム技術、およびエッジとクラウドとを安全に接続するためのセキュリティ技術を駆使した研究開発および開発支援を担っています。研究開発と製品開発をつなぐ役割を果たし、東芝グループの製品・サービスの変化や改善を加速する存在となるよう業務に取り組んでいます。

知能化システム技術センター

社会インフラ、エネルギー、ビル施設、流通・金融、製造業などのインダストリアル事業領域に向けて、先進的アナリティクスと先端AI技術のビジネス適用を支援し、お客様との共創によりデジタルトランスフォーメーションを加速します。

AI応用推進部門

自社のAI差異化技術を活用した新たなサービスの創出を推進し、また、生成AIを含む安心安全なAIサービスの提供を目指したAI品質管理技術の開発・整備に取り組んでいます。

AI応用技術開発部門

実践的かつ効率的なAIモデルやAI応用システムの技術開発により、お客様が抱える具体的な課題を解決し、社会に役立つ新たなデータサービスの実用化に取り組んでいます。

AI基盤技術開発部門

社内外の最先端AI技術を活用し、機械学習モデルの開発・運用プロセスを効率化するMLOpsや、生成AI活用を含む先進的なデータアナリティクスの基盤技術の開発に取り組んでいます。

エッジAI技術開発部門

サイバーとフィジカルが高度に連携したエッジAI技術を開発し、工場や社会インフラ、モビリティ、車載システム、組込みシステムの高度化などによる顧客価値の創造に貢献します。

情報通信プラットフォーム研究所

無線・ネットワーク、セキュリティ、コンピューティング、回路技術を深耕し、高速、大容量、高効率かつ安全な情報通信インフラがもたらす、安心で快適な社会を実現します。

コンピュータ&ネットワークシステム部門

通信ネットワーク技術とコンピューティング技術に関する研究開発を行っています。具体的には、エッジ・クラウドコンピューティング、System of Systems (SoS)を実現するセキュアデータ流通やWeb APIマネジメント、無線通信、映像伝送、量子暗号通信、ドメインスペシフィックコンピューティング(量子コンピュータに着想を得た組合せ最適化マシンなど)、量子計算機向けプログラミングなどの研究開発を行っています。また、IETF、IEEE、ITU-T、IOWN等の標準化活動にも取り組んでいます。


ワイヤレスシステム部門

東芝が提供する社会インフラのCPS(サイバー・フィジカル・システム)化実現に向けて、5Gを含む通信、電磁波で様々なものを測るレーダー/センシング、電磁波を使った電力伝送やデバイス駆動を行うパワーエレクトロニクス(パワエレ)の三方向で研究開発を行っています。今後要求される超高速/超高信頼低遅延/超多数接続/超低消費電力(超高効率)通信を実現するアンテナ、アナログ回路、デジタル信号処理技術を幅広く手掛けています。利便性のみならず絶縁耐圧も高めるパワエレ機器の無線化にも注力しています。IEEE、3GPP等の標準化活動にも取り組んでいます。

IoTエッジ部門

CPS(サイバー・フィジカル・システム)の差異化に向けて、フィジカルに存在するエッジを高度化する技術の研究開発を行っています。東芝の半導体を活かしたLiDAR(光を用いた距離センサー)などのセンシング技術と、エッジ機器のみで高速・高精度な認識を可能とするエッジAI用のハードウェアとアルゴリズムを開発し、エッジ機器の高知覚化と高知能化に貢献します。また、エッジの進化や柔軟な制御をサイバーから安全に行う仕組の実現に向けて、エッジ・クラウド連携技術、タイムセンシティブネットワーク、量子暗号通信装置の小型化技術にも取り組んでいます。

知能化システム研究所

AI技術、データ分析技術、メカトロニクス技術の分野における先端技術を深耕するとともに、サイバー技術とフィジカル技術の融合を図ることで、安心・安全に満ちた快適な社会を実現します。

メディアAI部門

メディアが介在する様々なインタラクションにおいてコアとなる、基盤モデルを含む機械学習、幾何解析等を基礎としたコンピュータビジョン、大規模言語モデルを用いた対話・音声認識技術の研究開発を行っています。実世界のセンシング、認識・理解、分析・判断に関する知能化を通じ、交通、物流・流通、保守・点検等の分野において、新たなインフラサービスの実現に貢献していきます。

アナリティクスAI部門

製造現場の生産性向上やインフラの運用・保守の効率化に向けて、深層学習を始めとする機械学習や統計数理を基礎としたデータ分析技術の研究開発に取り組んでいます。大量のデータから特徴を自動で捉えるパターン分析・分類、信号・画像・テキストから知識を抽出するメディア解析・処理、学習モデルの理論解析により深層学習の産業応用を促進する深層学習基盤の研究を通して、社会課題の解決を目指しています。

システムAI部門

様々なインフラ・設備・機器やサービスがネットワークに繋がるIoT社会を効率よく高精度に機能させるためのAI技術を研究しています。情報モデル、機械学習・統計・データマイニング、数理最適化・メタヒューリスティクス、モデリング・シミュレーション技術により、安全・安心・快適をお届けするシステムに欠かせないコア技術を創造していきます。

機械・システム部門

現在から近未来の東芝製品を支える機械系基盤技術の蓄積と深耕を図るとともに、未来を創るシステムおよび要素技術の研究開発をしています。私たちの持つ要素技術は主要なものでも、制御、メカトロニクス、構造、熱流体、音・振動、トライボロジー、光学、プラズマと多岐にわたっています。私たちはこれら技術とデジタル・AI技術との融合を図りながら、顧客価値に繋がる新システム・ソリューションを提供していきます。

先端デバイス研究所

半導体技術・スピントロニクス技術をコアに、システムの差異化や新たな価値創出に繋がるデバイスを生み出し、安心で快適な社会を実現します。

電子デバイス部門

様々な社会課題解決のキーコンポーネントとなる次世代電子デバイスの研究開発を行なっています。Si、および、Siよりも優れた物性を有するSiC(炭化珪素)・GaN(窒化ガリウム)を用いた次世代パワーデバイスの高性能化、ワイドバンドギャップ半導体材料を用いた新機能デバイスの創出などを進めており、材料物性・デバイス応用、デバイス・回路を統合したインテリジェントパワーモジュール化技術まで幅広く取り組んでいます。

バックエンドデバイス技術部門

東芝の強い半導体技術の基盤の上に、電子工学、機械工学、光工学などの技術を融合・集積化し、新たな顧客価値・事業価値を創出することを目指しています。具体的には、MEMSや光・量子技術を応用した従来特性を凌駕する高性能・高機能なデバイス・センサについて、材料・デバイスの設計からモジュール・システムに実装するところまでの研究開発に取り組んでいます。

ストレージデバイス技術部門

デジタル化、データ社会を支える、大容量情報ストレージデバイス技術に関する研究開発を行っています。具体的には、スピントロニクス技術・磁性技術の見識と、ツールとしての人工知能・機械学習およびシステム・周辺技術の融合による、大容量情報ストレージ向け次世代デバイス、および、最先端スピントロニクスデバイスの研究・開発・応用探索に取り組んでいます。ストレージやセンシング分野への貢献を目指します。

ナノ材料・フロンティア研究所

ナノテクノロジーによって、新たな機能を持つ材料を生み出し、脱炭素化、モビリティ電動化などを通した持続可能でレジリエントな社会を実現するとともに、材料に立脚した先駆的な研究によって、新たなフロンティアを切り拓きます。

トランスデューサ技術部門

実世界から取得した入力を価値ある出力に変換し、世の中にインパクトを与える革新的なトランスデューサデバイスの研究開発に取り組んでいます。ナノ構造形成プロセス技術や高活性触媒などの材料技術、有機・無機半導体デバイス技術、計算科学を駆使し、電解技術(Power to Chemicals (CO2資源化)、Power to Gas (水電解による水素製造))、太陽電池(タンデム型、ペロブスカイト型)、分離技術(MOF、アミン、水処理)、高感度センシングデバイス(放射線、光、嗅覚、超音波)などの開発を行っています。エネルギーやIoT分野への貢献を目指します。

機能材料部門

ナノサイズの材料構造・組織制御を駆使した革新的な機能材料の研究開発を進めています。超急速充電、長寿命と高容量化を両立する次世代二次電池、レアメタル使用量を削減した高効率なモータ・発電機用磁石材料、および低損失な超電導材料など、次世代の環境・エネルギー変化を見据えたキー材料の創出を目指します。

フロンティアリサーチ部門

未踏領域の先駆的研究に関し、従来と異なる概念や従来の延長線上にない機能の提案などの革新的技術の研究を行っています。現在は量子コンピュータ、脳型コンピュータ、バイオテクノロジーなどの研究開発を行っています。