電気自動車の消費電力量は、車の過去の走行履歴データから消費電力量の予測モデルを構築して予測します。車種Aのデータは豊富にあり、予測モデルを作るのは比較的簡単だけれど、車種Bのデータは少なすぎて予測モデルが作れないという場合があります。この場合は車種Aと車種Bの違いをモデル化し、共通する部分は車種Aのデータを車種Bに転用して効率的に予測モデルを作る転移学習という技術を用います。転移学習も含め機械学習を扱う先輩や同僚研究者とは日々ディスカッションをしていますが、電気自動車の電力消費量予測技術をテーマにしているのは私一人です。2018年9月、研究成果をまとめた論文をコペンハーゲンで開催されたITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)世界会議で発表してBest Scientific Paper Awardをいただいた時は、達成感がありました。他の研究者のテーマについては、コーヒー豆を挽いて皆で飲みながら隔週でフリートークを行う茶話会の場が、ちょうど良い情報共有と意見交換の機会になっています。