東芝エネルギーシステムズ株式会社(以下、東芝ESS)は、国内で初めて注1、タンデム型ペロブスカイト太陽電池を用いた実証実験を開始します。実証期間は2025年末頃までの予定です。

 

東芝ESSは、太陽光発電所の建設・保守・運用を行っており、太陽電池モジュールを国内外で2.5GW超、3,000カ所以上に設置されています注2。次世代の太陽電池の開発にも力を入れており、2020年からタンデム型ペロブスカイト太陽電池を開発してきました。 

2024年7月からは、阪神高速株式会社の「コミュニケーション型共同研究制度」を活用し、同社と「タンデム型ペロブスカイト太陽電池の高速道路への活用」に関する共同研究として、同電池の活用方法に関する検討を行っています。その一環として、今般実証実験の開始に至りました。

 

 実証実験で用いるタンデム型ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイトとシリコンの2つの発電層から成る2端子型ペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池です。2端子型は、ペロブスカイトとシリコンが1つのセルとなっているため、従来のシリコン太陽電池と同等のシステムで発電動作が可能であり、より発電効率が高く安価なタンデム太陽電池システムとして期待されています。

今般使用する同電池は、東芝ESSがペロブスカイト技術、京セラ株式会社がボトムセル技術、長州産業株式会社が製造技術、国立大学法人金沢大学が成膜技術、国立大学法人新潟大学が封止技術で協力したものです。

 

実証実験では、直接光が当たらない場所と、直接光が当たる建物の側壁において、タンデム型ペロブスカイト太陽電池と従来型のシリコン太陽電池の発電量を比較・検証し、道路における将来的な活用方法の検討に生かします。実証場所として、阪神高速の高架下や建築物壁面等の活用を予定しています。

 

東芝ESSは、今般の実証実験を通じて、タンデム型ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた取り組みを加速し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。

 

注1、注2 2025年3月時点、東芝エネルギーシステムズ調べ

 

実証実験の概要

実証内容 :タンデム型ペロブスカイト太陽電池と従来型のシリコン太陽電池の発電量を比較・検証する。

実証期間 :2025年3月~2025年12月(予定)

設置場所 :阪神高速の高架下や建築物壁面等