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2021.05.20

デジタルグリッド社様のデジタルプラットフォーム×東芝のデジタルトランスフォーメーション


地球温暖化や自然災害などの気候変動対策や、ESG投資額の増加などのグローバルトレンドと合わせて、国内でも再生可能エネルギーの主力電源化や電力システム改革などにより、エネルギーを取り巻く環境が劇的に変化しています。
我々東芝グループは、このような変化をチャンスと捉えて新しいビジネスを生み出すために、同じくビジネス環境の変化に対して新しい電力取引のデジタルプラットフォームを構築しているデジタルグリッド社様と、未来を描く共創プロジェクトを立ち上げました。
ここでは、既存のビジネスや技術の積み上げではなく、将来の社会や人々の暮らしがどのように変化するかを捉え、そこからバックキャスティングすることで新しいシナリオを紡いでいます。
まだ見ぬ未来をさまざまな人たちと共に議論し、より良い暮らしを創っていくきっかけにしたいと考えています。

東芝エネルギーシステムズ株式会社
DX統括部 荒井 康隆

外部サイトへ遷移します。(デジタルグリッド株式会社)

一度未来を見てから、少しだけ立ち返る。
UX手法による将来シナリオ検討とは?


将来シナリオ検討を行うにあたり、二社の多様な人材と、それらが持つ知識・ノウハウを最大限に活かすため、UXデザイン手法を活用しました。

通常、このような将来シナリオを検討する際には、技術やビジネスモデルを起点として考えてしまいがちですが、それでは大切なお客様の視点が抜け落ちてしまうことがあります。また、「現在」からの積み上げをしていくような発想方法では、社会を取り巻く環境が常に変化していく時代について、将来の予測を十分に検討することができないと考えたためです。

UXデザイン手法を用いることで、より多角的・多層的な視点で社会の姿を捉えることができるようになります。さらにUXデザイナーが参加することで、将来の姿を可視化しながら、今までにない新鮮なアイデアや、説得力のあるアイデアについて議論することが可能になります。

この記事では、実際に活用した二つのUXデザイン手法についてご説明します。

UXデザインバックキャスティング方法

まずは、現在におけるさまざまな情報——たとえば技術やトレンド、人々の価値観など——を収集し、整理していきます。プロジェクトに参加している人全員で行うことによって、参加者の意識の擦り合わせにもなります。

次に、それらの情報から想像力を働かせ、一度大きく未来へジャンプさせます。どのような未来に向かうのかを参加者全員で構想し、共有します。

そして、その未来を実現するためには、どのような課題があり、どのような解決策やアイデアがあるのかを、現在から順を追って、あるいは未来から少しずつさかのぼって考えていきます。現在と未来から挟み撃ちにすることで、アイデアの幅が広がり、より解像度の高いものへと洗練させることができます。

シナリオボードとアクションボード

ビジネスアイデアを考える際、自社シーズや業界シーズを満たせるものばかり発想してしまいがちですが、そればかりではアイデアは広がりません。

そこで、参加者から集めたさまざまな情報をキーワードとしてインプットしてつなぎ合わせ、未来の社会の姿までを描いた「シナリオボード」を作成。そのシナリオに重ね合わせる形で、技術やソリューション、顧客アプローチといった自分たちが実際に行うアクション・施策などを「アクションボード」に描いていく手法を取りました。

シナリオボードを作成することで、気付いていなかったニーズから斬新なアイデアが生まれることがあります。また、アクションボードにインプットしたビジネスアイデアを具体化する際にビジネス背景をイメージしやすいため、自然とアイデアの完成度が上がるといった効果も期待できます。

具体的には、下記のような流れでビジネスアイデアを考えていく手法です。
①「シナリオボード」に「ゲーム」に関するキーワードが多く集まっていることに着目します。
②「いずれ全てがゲーミフィケーション化された社会になるのではないか」と未来の社会の姿を想像し、シナリオを描きます。
③「アクションボード」上で、このシナリオに沿うならば、私たちが手を付けるべきビジネスはどのようなものかといった打ち手を考えます。

この他にも、さまざまなUXデザイン手法を活用して生み出したシナリオや、ビジネスアイデアについて、特設サイトでご紹介しています。ぜひご覧ください。

外部サイトへ遷移します。(デジタルグリッド株式会社)

ボード上の空論で終わらせない


本プロジェクトでは、デジタルグリッド社様が持つP2P技術/PFビジネスノウハウと、東芝が持つ発電/蓄電技術/系統インフラ技術を活用し、描いた未来の実現に向けて実際に動くことを重要視しています。そのため、既にいくつかのシナリオを想定し、PoC(プレスリリース)作成に向けて、実際に行動を開始しています。
今後も引き続きこの活動を継続して、描いた未来のために何ができるのかを共に考え、実践していきたいと考えています。