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2023.01.25

持続的な発展をしながら、社会へ価値を提供する私たちとして。


未来の社会をデザインしようと考える東芝エネルギーシステムズ。そのためには、いいものをつくるテクノロジーの視点とともに、環境や仕組みそのものから変えていくことが必要だと考えています。変化する社会の中で、持続的な発展をしながら、社会へ価値を提供する。新たな事業を生み出すことは、未来の社会をデザインするということなのではないでしょうか。

東芝エネルギーシステムズには、従業員参加型の新規事業提案制度があります。幅広く従業員から事業アイデアを募り、事業化を検討するものです。本記事では、同活動とその運営事務局を務めるDX統括部にフォーカス。ゼネラルマネージャーの荒井、シニアマネージャーの磯、企画部社員の菅澤の対談で、新規事業を生み育てる現場の本気をお届けします。

DX統括部とは


東芝エネルギーシステムズ内において、新規事業の創出推進、オープンイノベーション活動、既存事業のトランスフォーメーション推進、デジタルサービスプラットフォーム開発などを主な活動とする組織。

今回ご紹介する新規事業の創出を推進する活動では、従業員がアイデアピッチを行う社内コンペ運営を通して、社内で事業を育てる仕組みづくりに注力しています。ビジネスアイデアピッチと呼ばれる社内コンペは今年度で3回目の開催を迎えました。

「つくって売る」仕事から、「仕組みを変える」仕事へ。


DX統括部ゼネラルマネージャー荒井康隆 / シニアマネージャー磯景之 /菅澤陽奈

菅澤:DXを活かした新規事業推進を行うDX統括部。私は2022年の新卒入社ですが、2019年発足の新しい組織だと聞いています。この事業部の立ち上げ背景について教えてください。

荒井:それに答えるには、東芝エネルギーシステムズが今後どのような事業に取り組もうとしているかを先にお話した方がいいでしょうね。私たちの事業基盤は「もの」をつくることです。その基盤の上にデジタルを活用することで、「もの×デジタル」の新たな付加価値を生み出すことが必要だと考えています。それゆえ、DXの視点が大切になるのです。

菅澤:もの×デジタルの事業とは、たとえばどんなことでしょうか。

荒井:たとえば、発電所を対象とした事業なら、発電所そのものをつくることが私たちの主な仕事です。しかし発電所はつくって終わりではなく、運用していくものですよね。運用・保守・点検をデジタルで行うことができれば効率化できますし、そこでデータを活用できるようになると、さらなる付加価値が生まれます。

:これまで人の手で行っていたことがデジタル化される。ちょっとした変化に思えるかもしれませんが、でもその小さくて新しい変化が重要です。働く人の負担軽減や環境負荷軽減など、実は社会への大きな貢献につながっているのだと思います。

荒井:そういった新しい事業や取り組みへ向けて、社内のDX浸透・推進、新規事業の立ち上げ、およびサポートを行うために立ち上がったのがDX統括部です。
DXにも新規事業にも、まだまだ社内的な関心が低い段階からスタートしましたよね

:そもそも「DXって何?」と、知ってもらうことから。新しいことを伝える難しさを感じましたね。小さな事例をひとつずつ見せて、重ねていくことが重要だったと思います。先程例に上がったような、発電所の運用・保守・点検にデジタルを活かせばこんなふうに事業の仕組みが変わるかもしれないね、と具体例を示す。

荒井:そうですね。これまでの延長で違うものをつくるというよりは、仕組みごと変えていこうと意識してもらうことが大事でした。DXを活用した新規事業は、仕組みそのものから考え、変えていくことも含む活動なんですよね。 

アイデアとは、みんなで育てるもの。


菅澤:私と磯さんはDX統括部の中でも戦略企画部に所属しています。戦略企画部では、従業員参加型の新規事業提案制度の企画・運営をやっていますよね。

:社内では「ビジネスアイデアピッチ」と呼んでいるものですね。従業員は誰でも参加が可能で、幅広くビジネスアイデアを募集しています。事前審査を通過したものは役員へのピッチを経て、いいものは事業化へ向け推進します。 2019年から行っており、今年度(2022年)で3回目。アイデアの精度も上がってきています。

荒井:最初は、本当にアイデアのタネからでいいんです。それをみんなで事業へと育てていくために、いろんな人の、たくさんのアイデアがほしい。だからみんなが参加できるカタチにしています。

菅澤:どんな事業も、小さなアイデアのタネからなんですね。

荒井:そう。本当に小さな一歩から、社会を変えていくのが新規事業創出なのだなと思います。

第3回ビジネスアイデアピッチの様子

菅澤:今年度(2022年)のビジネスアイデアピッチも、様々なグループからの発表がありましたね。

荒井:今回事業化へ進んだものは2つのアイデアがありましたが、どちらもスタートは小さなアイデアでした。日々生まれる改善提案だったり、ひらめきだったりするかもしれない。それが事業計画にまで育ったのは、すごく嬉しいですね。

菅澤:そうですね。その点は私も本当に印象的でした。ビジネスオーナーの考えに対して、色んな人が「いいですね」「もっとこうしたらいいんじゃないか」とポジティブな方向に議論が発展し、とてもワクワクしました。

:アイデアをみんなで育てられるのは、私たちの強みですよね。戦略企画部では、外部のコンサルティング会社やアクセラレーターと連携することで、全面的にサポートしています。起業経験のある方を招いてアドバイスをもらうこともありますね。

荒井:今回事業化を勝ち取ったチームは、いずれも顧客ヒアリングができていた点もポイントだったかもしれないですね。顧客の声を聞いて、課題に応えるところにビジネスがあるんですよね。事業アイデアを考えながら、すでに見込み顧客が見えている点も素晴らしかったと思います。

違う領域、違う視点、を活かす私たちになる。


:菅澤さんは入社後初めて、事務局としてビジネスアイデアピッチのサポートに携わりましたよね。どんなことを感じましたか?

菅澤:おふたりのお話にも少し出てきましたが、アイデアのタネがチームの議論や外部の人のアドバイスを経て育っていく過程を見られるのはすごく勉強になりました。新規事業がどのようにできていくかを見られてよかったです。今年はサポート側でしたが、来年以降はぜひ私もアイデアを出すことにチャレンジしたいです。そのために、思考力や色んな視点を取り入れてアイデアを育てる力を鍛えていきたいと思います。

荒井:アイデアは育てるものだと菅澤さんが学んでくれたのは嬉しいですね。新規事業って、いきなり素晴らしいアイデアがポンポンでるものじゃないんです。既存事業をもっと良くする、という視点でいいんですよ。そういう「もっとよくする」の視点の、足し算を重ねていくことだとなんだと思います。

:そうそう。「デジタルを活用した新規事業を!」といきなり考えると、構えてしまうけれど。まずは「エネルギー事業はデジタルで何か変えられるところがあるかな」と考えてみることが大事です。ちょっとよくする、という視点に、チームや外部アドバイザーが「こうしよう」「もっとこうなんじゃないか」と意見を足していく。あるいはアイデア同士の掛け合わせが生まれる。それこそが新規事業創出の醍醐味です。

菅澤:ちなみにデジタルを活用した新規事業を考える上で、デジタル技術やDXの知識は必須なのでしょうか。

:デジタルを活用した新規事業だからといって、その専門家である必要はありません。専門外であっても、それは素人ということではなく、他の分野のプロということ。違う視点を活かす、という姿勢を大事にしてほしいですね。

荒井:そうですね。社内でいろんな分野、いろんな視点の人同士の会話を生み出すことそのものが、ビジネスアイデアピッチを開催する目的のひとつでもあります。ひとりでアイデアも課題も抱え込んでほしくない。「あの人に聞いてみれば」「近いことやってる人いるよ」ということができるといいですよね。

:社内の人同士のつながりをつくったり、外部の方を紹介したり、顧客ヒアリングの機会をセッティングしたり。こういったサポートがあるのは、東芝エネルギーシステムズで新規事業創出を行う利点かもしれないですね。知見も資金もあり、事業規模や既存顧客もある中で、新たなチャレンジができるって、とてもいい環境だと思います。

荒井:アイデアのタネを見つけ、いろんな人と話しながら事業へと育てる。その過程を経験することで大きく成長できます。またビジネスアイデアピッチを通して、イノベーションをリードする人材の育成や、イノベーティブな風土の醸成に繋がることにも期待できますよね。ひとりでも多くの従業員に参加してほしいです。菅澤さんもぜひチャレンジして、自身の成長へつなげてください。

菅澤:そうですね。自身の成長へきっとつながると思いました。チャレンジできる、自分の想いを発表できる機会をもらえる環境にすごく期待をしています。自身がチャレンジする立場としても、ビジネスアイデアピッチをサポートする事務局の立場としても、もっとワクワクする新規事業を生み出したいと考えています。

DX統括部 戦略企画部のメンバー

おわりに


あらゆる従業員が自身の関心度に応じ、自らの意思で新規事業に携わりながら実現できるチャレンジをしてほしい。そういった機会を体験してもらうため、東芝エネルギーシステムズは、従業員参加型の新規事業提案制度(ビジネスアイデアピッチ)を実施しています。この機会を通して、イノベーションをリードする人材の育成と、イノベーティブな風土を醸成する。そしてエネルギーのありかたそのものをデザインするというビジョンを実現しようとしている私たち。この記事を読んでいるパートナー企業の皆様、学生の皆様、社内のメンバー、立場に関わらず未来で共創をする仲間となるあなたと、一緒にアイデアを育てていきたいと考えています。 

コラム


事業化へつながったアイデアの例

東芝グループ内で連携しながらつくっているものの中で、事業がリリース、あるいは事業化が進行している複数の新規事業アイデアのうち、ふたつについてご紹介します。 

グループを横断したGXコンサルティング

カーボンニュートラルの実現とROI(投資利益率)最大化を両立するために、顧客と並走する「GX(グリーントランスフォーメーション)コンサルティング」の提供が新規事業として始まっています。
DX統括部が中心となってトレンドを捉え、顧客視点で新たなビジネスを構想。その後、東芝グループを横断してインキュベーションし、DX統括部のメンバーもその一員として事業拡大に向け活動しています。

Delighting Everyone Project

こちらはまさに今、事業化へ向けて進行中のもの。新興国の支援という側面もあるプロジェクトです。

未電化地域の電化ビジネスであり、プロジェクトメンバーが新興国で経験したことが原点となりました。現在は実証実験が行われ、「継続してほしい」と現地からも望まれています。