特集・トピックス:事業所向け「H2One™」の営業活動の拠点
水素エネルギー利活用センター
水素エネルギー利活用センターが開所
6月21日(水)、府中事業所内に建設された水素エネルギー利活用センター(英名:Hydrogen Application Center)の開所式が行われました。
本センターは、再生可能エネルギー由来の水素を燃料電池自動車、バス、産業車両などに供給する地産地消型水素供給システム「H2One™ビジネスファシリティソリューション」として設計されています。将来的には当ソリューションを工場、物流拠点、空港等に広げ、燃料電池を搭載する産業車両に供給する仕組みへと展開していきます。
2016年11月に建設を開始、2017年6月13日の竣工式を受けて、本日晴れて開所式を迎えることができました。その開所式の模様をレポートします。
※当センターは、以下の補助を受けて事業を行っています。
●設備:東京都環境局「事業所向け再生可能エネルギー由来水素活用設備導入促進事業」
●フォークリフト:環境省「水素社会実現に向けた産業車両における燃料電池化促進事業」
雨天を味方に、「水」と「水素」の開所式
梅雨前線の影響により、式の開始間際から大粒の雨が降り始めました。一般的には「あいにくの雨・・・」となるところですが、ご来賓の東京都環境局 遠藤局長より、「開所にふさわしく、空からたくさん水素の原料(雨=水)が落ちてくる」とご祝辞をいただきましたように、本センターの船出にふさわしい「祝いの雨」の中で開所式が執り行われました。
まずは主催者の挨拶として当社執行役専務 前川より、開所に至るまでの思いと関係各位への感謝、本センターを水素エネルギー事業の発信拠点として今後活用していくとともに持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいく決意を述べました。
また、ご来賓の皆様方からは、お祝いのお言葉とともに更なる発展に対する期待をいただきました。
「多くの企業が水素社会実現に向けての技術開発に取り組んでいる中、東芝はCO2フリー水素の活用に特に熱心」(東京都環境局 遠藤局長)
「世界に次世代エネルギーを発信する拠点が、府中の事業所内に設けられたことは市民にとってもこの上ないこと」(府中市 高野市長)
「再生可能エネルギーを使った水素をその場で使うクリーンエネルギーの地産地消は画期的」(豊田自動織機 一条常務)
その後、約30名の参列者が見守る中、盛大にテープカットが行われました。
締めくくりの挨拶では、当カンパニー社長 油谷より、「水素は将来における大きなポテンシャルをもったエネルギーであり、本センターを拠点にして、安全安心快適な社会を目指していきたい」と改めて決意を述べました。
内覧会では水素充填の実演も
梅セレモニー終了後には内覧会が実施されました。監視室では本センターの概要と仕組み、今後の取り組みについて等、コンテンツを使ってわかりやすくご紹介し、制御室の見学も行われました。
また、ディスペンサーから燃料電池フォークリフトに水素を充填する実演も行いました。
水素社会のモデルルームとして
本センターは「H2One™ビジネスファシリティソリューション」として、今後はデータの収集や、多様な実証を進めていく予定です。
同モデルは、工場だけではなく、港湾、空港、そしてバスターミナルなど、様々な法人施設に対して、再生可能エネルギーを最大限活用してエネルギーコストを削減するとともに、CO2排出を抑え、さらに災害時においては自立型エネルギー供給施設として事業継続に大きく貢献します。本センターは、2年前に開設された水素エネルギー研究開発センターとともに東芝が目指す水素社会を実現するための一歩として、モデルルームの役割を含んだ営業活動の拠点として始動します。