2025年9月16日

東芝エネルギーシステムズ株式会社(以下、東芝エネルギーシステムズ)および京セラ株式会社(以下、京セラ)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「太陽光発電導入拡大等技術開発事業/次世代型太陽電池技術開発」において、東芝エネルギーシステムズを代表法人とするコンソーシアムとして提案した「次世代型太陽電池の総発電量向上と長寿命化技術の開発」に採択されました。本事業では、2025年度から2029年度において、タンデム型ペロブスカイト太陽電池を用いた実用化レベルのサイズ(250cm2程度以上)でのモジュール変換効率と耐久性向上に関する開発を行います。

 

タンデム型ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイトとシリコンの2つの発電層から成るペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池です。タンデム太陽電池は、太陽光のエネルギーを波長によって複数の発電材料で分担して発電することで、トータルの発電効率を引き上げる技術です。そのため、従来のシリコン太陽電池よりも発電効率が高く安価な太陽電池システムとして期待されています。

 

コンソーシアムは、助成先として東芝エネルギーシステムズ、京セラが参画するほか、東芝エネルギーシステムズの委託先として国立大学法人新潟大学および国立大学法人電気通信大学が参画します。京セラの委託先として、学校法人明治大学、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学、豊田工業大学が参画します。東芝エネルギーシステムズ、京セラは「太陽電池セルの大型化」と「発電コスト低減」の開発に取り組み、タンデム型ペロブスカイト太陽電池の実用化の早期実現に貢献します。

 

 本事業を通じ、モジュール変換効率は30%以上、耐久性は20年以上の達成を目指します。また、発電コストの低減にも取り組みます。現在主流の単結晶シリコン太陽電池と同等以上の耐久性で単位面積あたりの総発電量が上回ることは、発電コストの低減につながります。本開発の成果により、将来、タンデム型ペロブスカイト太陽電池が既存発電所にも設置可能となり、FIT終了後のリプレース需要や適地拡大に展開可能と想定しています。

 

両社は、本事業を通じて、タンデム型ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた取り組みを加速し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。

 

以 上