未来のビジョンを描く共創の取り組み
共創型GXビジョン策定支援
どんなサービス︖
脱炭素社会の実現が大きな社会課題となった今、クリーンエネルギー中心の社会へと変革していくGX(グリーントランスフォーメーション)の推進が必要となります。共創型GXビジョン策定支援は、GXを進めるために必要なビジョンとアクションを、デザインの力で可視化する取り組みです。自治体、企業、教育機関など、クライアントが抱える漠然とした「ありたい姿」を明確にし、その実現に向けた具体的なアクションを、デザイン思考などを用いて提案します。デザイン部門は、事業を担当する部門や技術部門と連携しながら、デザインのクリエイティブな視点に加え、ビジネスの視点やテクノロジーの視点の3つの視点を活かした未来のビジョンを描く取り組みを行っています。
開発のきっかけは︖
世界的に脱炭素社会の実現が求められている中、多くのクライアントは未来に対し見通しが立たなかったり、組織内の考えがまとまらないなど、カーボンニュートラルに向けたありたい姿が漠然とし、具体的なアクションへ結びつかないという悩みを抱えています。今回共創した琉球大学も、そうした困りごとがありました。ありたい姿を描くというビジョンデザインは、以前からデザイン部門が東芝のグループ会社に向けて行ってきた活動で、今回は、そこで蓄積されたノウハウを活かして展開しました。
Designer:増井史織
増井:GXに向けた取り組みを実現するためには、関係者を巻き込みながら共通の目標に向けたアクションの検討が必要となります。そこで、関係者の考えを全員で共有するために、沖縄の未来を想像してもらうことから始めました。また、東芝の技術力やビジネス構築力にも期待いただいていたので、デザイン部門だけでなく、関連部門の専門家と連携しながら、クライアントの想いを引き出し、ワークショップの設計やファシリテーション、ロードマップの作成などをおこないました。私はワーク全体の取りまとめを担当したのですが、今回は、今まで社内向けにおこなってきた活動を初めて社外に向けて展開したものだったので、全てが手探り状態でした。
ワークショップの設計は琉球大学の皆様がやりやすいと感じるものに調整する必要があり、参加する方の気持ちをイメージして、ワークのプロセスを細かく見直していきました。準備万端なつもりで臨んでいましたが、いざ当日になると、伝わりにくい表現があったり、想定外の質問を受けるなど様々な課題が見えてくることも多々ありました。その都度ブラッシュアップを行い、関係部門と一緒に新しく作り上げたような気持ちでした。
“クライアントと共に未来をデザインする”
Designer:田中翔子
田中:私は、ワークショップの設計を担当しました。ワークショップでは、琉球大学の特性を引き出せるように工夫しました。一般的な情報だけでなく、その地域らしさを入れることにより、独自性が生まれ、自分たちが暮らしているところのロードマップなんだと実感してもらえます。
そのために、沖縄特有の文化や事情、琉球大学が地域に密着している特徴などを盛り込みました。先生たちの研究内容は、沖縄にどのように適用させるかがベースになっていたため、沖縄の未来の社会を想像してもらうことで、様々な分野で多くのアイデアが出てきました。そこに、東芝の技術者が加わり、東芝が持っているテクノロジーの視点も織り込めたというのは、東芝が実施した強みだと思います。先生たちと技術者がかなりマニアックな話で盛り上がり、闊達な議論ができました。
Designer:藤原風丸
藤原: 今回は、信頼を築くことが第一の課題でした。私が主に担当したロードマップ作りでは、いろいろなツールを使ってワークショップをおこなったのですが、教育機関ということもあり、クライアントはツールそのものにも関心が高く、そのツールを使っている意図や効果などを確認されることがよくありました。ありたい姿を描くために、そのツールをなぜ使うのか、どうしてこのタイミングなのか、と言った踏み込んだ質問も多く、説得力のある説明を準備して臨んでました。どんなことが質問されるのかと、毎回緊張していましたね。結果的には、大学で授業をしてほしいと言ってもらえるほど、評価をいただきました。
また、この活動自体もとても好評だったようで、先日大学に訪問した際には、大きく印刷した20枚のロードマップが校内のいたるところに貼られている様子を見せていただきました。マップの貼ってある場所が記されたマップがあったり、特設サイトからダウンロードできるようになっていたりと、積極的に広めようとしてくれていて、とても嬉しかったです。
今後の目指す姿
共創型GXビジョン策定支援は、今後も様々なクライアントとの共創を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していきます。今回の事例を通じて得られた経験を基に、より汎用化されたサービスの開発を推進し、他の大学や自治体、企業にも展開していく予定です。また、デザインの能力を拡大し、単なるビジュアルデザインを超えた広義のデザイナーとしての役割を果たしていくことが大切です。未来を描くことはもちろん、それを実現するためのソリューションを持っているのが東芝の強みです。デザイン部門が持つ創造性にビジネスの視点と技術の視点を掛け合わせ、持続可能な社会の実現に向けて、クライアントと共に未来をデザインしていきます。
共創型GXビジョン策定支援の詳しい内容は、以下のサイトをご覧ください。
共創型GXビジョン策定支援 | 東芝のGXサービス | 東芝
増井史織
2018 年入社
戦略デザイナー
田中翔子
2021 年入社
戦略デザイナー
藤原風丸
2018 年入社
戦略デザイナー
WORKS LIST
株式会社東芝
DX・デザイン&コミュニケーション部
〒105-8001 東京都港区芝浦 1-1-1