WORKS
事例紹介
Open Nail
どんなサービス?
Open Nailは、最新の3Dデータ加工技術を活用し、時間や場所を超えてネイルチップを提供するサービスです。お客様の爪を3Dスキャナーで形状取得後、3Dプリンターで一人ひとりにぴったりのカスタムフィットネイルチップを出力します。出力されたチップは選び抜かれた腕利きのネイリストが装飾を施し、お客様にお届けします。アクセサリー感覚で簡単に着脱が可能で、不意に外れにくく、まるで自分の爪のような自然なつけ心地を提供します。
開発のきっかけは?
現代において人は、ものよりコンテンツに投資することが増えてきました。その一方でコンテンツを楽しむメディアは限定的で、スマホに費やせる時間は限界を迎えています。そこで、人間の体の中で最も長い時間視界に入る“自分の爪”を、世界中のさまざまなクリエイターが活躍するキャンパスにできたら面白い!と考え、デザイナー女性3人のチームを作り、社内スタートアップ制度に応募しました。
Designer:寺岡佳子 山川水輝
寺岡:現在、ネイルサロンの主流は紫外線で硬化させるジェルネイルで、単色の塗りもありますしストーンが載っている場合もあります。家庭でジェルネイルができる道具にも人気があり、最初に爪の表面に凹凸をつけるサンディングをしなくてもいい商品も出ています。
山川:でも、ジェルは落とすのに1時間もかかったりするので、仕事柄できない人も多い。手軽につけたり外したりできるネイルチップは面白いものが出てきているけれど、既製品では自分の爪のカーブに合わない。そうしたらオーダーメイドしたらいいんじゃないかという発想です。
寺岡:爪の輪郭が合っていたとしても面のカーブは合わない既製品をそのまま使う場合が多くて、ネイルチップは成人式やブライダルなど1日限りのスペシャルなものというイメージもありました。
山川:もともとは、私たちの同期のメンバーが出した3Dプリンターの何か面白い使い方として、爪や歯へのハーフインプラント的なことができたら皮膚に埋め込むようなものより抵抗感なく受け入れられるかも?というアイデアが出発点でした。
“新規ビジネスを
デザインする”
寺岡:Open Nailは社内スタートアップに応募して活動費をもらいながら続けていましたが、その先に出口戦略として事業化に向けてどうするのかという課題がありました。事業部がついて予算を確保してくれないと活動を継続できないのですが、最後に手を上げてくれたのが東芝デジタルソリューションズでした。
山川:どんなサービスになるのかを、紙の資料だけではなくデザインセンター内のメンバーでコンセプトムービーを制作したり、パッケージやパンフレットのプロトタイピングをすることで、イメージしやすくスピーディーに伝えることができて、この事業に賛同してくれる人々に出会うことができました。
渋谷ヒカリエShinQsにて行われたサービス実証実験の様子
“まだなかったはずの
未来をデザインする”
山川:コンセプトムービーを見た人から『もうできているんですよね?』と何回も聞かれて。できてないですけど、いいですよね?じゃあ一緒にやりましょうと話が進んでいきました。特に新規ビジネスを始めるには、可視化して示してあげることができるデザイナーのスキルは絶対的な強みになると思います。
デザインの特徴
1.個人にカスタムフィットされたネイルチップをお届けすることで、従来のネイルチップの『付け心地が悪く、外れやすい』という課題を解決します。
2.店舗での施術が前提のネイルサロンに通う時間的な余裕がないお客様にもサービスの提供が可能です。
3.ネイリスト以外のクリエイターやユーザー自身にも爪の上のアート・デザイン表現を解放します。
Open Nailは、女性として、会社員として、母として、さまざまな役割を担う現代の女性が、シーンや気分に合わせて爪先を自在にアレンジできる、新しいライフスタイルを提供します。この革新的なアイデアが評価され、2017年度グッドデザイン賞(公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しています。
- 寺岡佳子
- 2016年入社
UXデザイナー
- 寺岡佳子
- 山川水輝
- 2006年入社
UXデザイナー
- 山川水輝