WORKS

事例紹介

新規アイデア創出活動

どんな活動?

この活動は、次の時代に求められるアイデアをホワイトキャンバスのようなまっさらな状態からデザイナー自身が考える取り組み。デザインと聞くと色や形をキレイにすることと捉えられがちだが、現在の事業ありきではなく、世の中の課題やニーズを起点にアイデアを発想し、社内外の専門家と一緒に社会における新たな価値を提起することからはじめている。"東芝"という殻を破ってベンチャースピリットを醸成する活動ともいえる。

Designer:澤井香織 駒木亮伯 清水秀人

活動のきっかけは?

Designer:澤井香織 駒木亮伯 清水秀人

澤井:東芝の技術部門や事業部門では「この技術を何に活かそう?」「この事業で何ができるだろう?」と悩んでいる場合が多く、デザインセンターにアイデアを求めることがよくあります。しかし、技術起点や事業起点で考えるだけでは新たな領域でのアイデアが生まれにくい傾向があります。 それを解消するために、この活動では、技術や事業起点ではなく、ニーズ起点でアイデアを創出するプロジェクトを毎年一つ進めています。

澤井香織

Designer:澤井香織 駒木亮伯 清水秀人

2018年創出アイデア「Sizzleful」。プロトタイプを囲み、改善点やビジネスモデルを検討。


“着眼点をデザインする”

駒木:今まで取り組んできた具体的なテーマとしては、普段何気なく目にしているマンホールの蓋を街中のアートとして着目し、マンホールを撮影して見つけた感動をシェアできる
アプリ「Manhoo!」、子どもが食事に集中しない困りごとに着目し、子供の五感を刺激して食への関心を高めるインタラクティブなトレイシステム「Sizzleful」。近年注目を集めるマインドフルネスに着目し、呼吸を可視化して心の落ち着きを取り戻す「心を調えるシステム」などが挙げられます。

駒木亮伯

これらの着眼点は、すべて顧客のニーズを発見する所が起点です。現状の問題を広く俯瞰し、自らフィールドリサーチして問題全体のメカニズムを把握します。そこから顧客のニーズを浮き彫りにし、多視点からアイデアを発想。プロトタイプを作って顧客に試してもらい評価します。今後もユニークな着眼点を見つけ、アイデアの創出につなげていけるとよいなと思います。

リサーチの様子

駒木亮伯

2017年創出アイデア「心を調えるシステム」
心身をリラックスさせ、瞑想状態にいざなう触り心地や色を検討

デザインの特徴

清水:これらのアイデアは世界中からイノベーターが集う米国の展示会「SXSW」や、着眼点に関連する自治体イベントに出展し、フィードバックを得てアイデアをブラッシュアップしています。アイデアの一つ一つはそれぞれの着眼点に対する一つの可能性でしかありませんが、それを早い段階で世の中に出して問うことの意義は大きいと捉えています。
私の思いとしては、当活動は“次の事業への苗床”を作る場所です。苗とは新たな領域へと踏み出すためのアイデアであり、そのアイデアを生み出す人やプロセスでもあります。

清水秀人

昨年までのプロジェクトから得た気づきとして、人々の強いウォンツとそれを解決しようという想いのある人の存在が、共感を生む強いアイデアにつながることがわかってきました。そのため、今年からは大学や自治体と連携して地域コミュニティに入り込んで課題やニーズを探ると同時に想いのある人を探すことからはじめるなど、さらに上流に踏み込んだ活動としています。少しでも理想に近づけるように数多くの失敗や気づきから毎年活動をブラッシュアップしていきたいです。

澤井香織 駒木亮伯 清水秀人



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