凝集剤注入制御システム

水道水の水質に対する要求が高まり、安全で良質な水を送水するために、浄水場の水質制御の管理は以前にも増して厳しくなっています。東芝は、このような状況を踏まえ、流動電流計を使用した凝集剤注入のフィードバック制御システムを開発して、実際のプラントに適用しています。

概要

従来の凝集剤注入制御は、過去の注入実績に基づく原水濁度と、凝集剤注入率曲線でフィードフォワード制御が適用されていました。しかし、原水水質の急激な変動に対応ができず、凝集を確実に行うために過剰注入となる傾向がありました。東芝の凝集剤注入制御システムは、従来の制御に凝集状態と相関がある流動電流値を用いたフィードバック制御を加えました。それにより、凝集剤注入量削減に寄与する適切な注入制御を可能にしました。

ポイント

  • 凝集剤注入制御に工夫を加え、過剰注入を改善することで、凝集剤消費量の削減が可能です。
  • 経験に頼らない、プラントの運用(凝集剤注入)が可能です。
  • 硫酸バンド、PACどちらでも導入可能です。
  • フィードバック制御の採用により、ジャーテストの省力化と、オペレータの負担軽減に寄与します。

構築例

従来の制御に、流動電流を測定し凝集状態を検出する凝集センサを適用したフィードバック制御を加えた制御を基本とし、pH、水温、導電率で補正します。

フィードバック制御
流動電流による凝集剤過不足の把握