高圧インバータ
概要
TMdriveシリーズは、最先端のパワーエレクトロニクス技術を融合した幅広いニーズにお応えできる新しいインバータ装置で、高圧誘導電動機をダイレクトに可変速運転し、高効率、高力率、省エネルギーを実現します。
上下水道でも高圧モータで駆動する大容量のポンプやブロワなどへ幅広く適用されています。
特長
適用モータ出力
- 3.3kV級:200~5700kVA
- 6.6kV級:400~11400kVA
入力変圧器の多重化で高調波を低減
単相出力のPWMインバータ(セルインバータ)を直列多段接続で構成し、18パルス(3kV系)、30パルス(6kV系)整流相当(標準仕様)を実現し、高調波抑制対策ガイドラインをクリアしています。力率改善コンデンサはもちろん高調波フィルタも不要です。
高調波抑制対策技術指針(JEAG 9702-2013)に従った記述
TMdrive-MVG2は高調波を発生させる機器です。回路種別およびその換算係数は以下の通りとなります。また、入力変圧器の多重化により、増設・更新する際の特例措置も適用されますので、併せてご確認下さい。※1
回路種別 10 (その他回路)
換算係数 K10 = 0.18(実際の高調波含有量の計算には以下の値をご使用下さい)TMdrive-MVG2の電源側高調波電流含有率
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TMdrive-MVGの電源側高調波電流含有率 次数 5次 7次 11次 13次 17次 19次 23次 25次 TMdrive-MVG2高調波電流含有率(%) ※2 2.6 1.3 1.0 0.8 0.4 0.3 0.3 0.2 高調波抑制対策技術指針上限値(%) ※3 4.0 2.8 1.8 1.5 1.1 1.0 0.87 0.8 - ※1 機器を増設・更新する際の特例措置について
増設・更新する機器のみの高調波電流が上限値以下になる場合、特例措置として抑制対策をしたものとみなしてよいと定められています。詳細は「高調波抑制対策技術指針(JEAG 9702-2013)」を参照下さい。 - ※2 TMdrive-MVG2高調波電流含有率は製品の計測結果を統計処理にて算出した代表値です。
- ※3 高調波抑制対策技術指針上限値(%)の計算方法について
技術指針によって規定されている、契約電力相当値1kW当たりの高調波流出電流の上限値より計算しています。
例:受電電圧6.6kV、5次の場合、3.5mA/kWなので、1kW当たりの電流は1kW/(√3×6.6kV)=87.5mAとなり、3.5/87.5×100=4.0%と計算されます。
- ※1 機器を増設・更新する際の特例措置について
安定した速度制御を実現
速度センサは不要であり、センサレスベクトル制御により、安定的に速度制御を実現できます。オプションでセンサ付ベクトル制御も可能です。
標準電動機でも運転可能
マルチレベルPWM制御により、階段状の近似正弦波出力電圧を実現し、加えて独自のスイッチングシフト制御によりスイッチングサージを大幅に低減し、既設電動機(標準電動機)でも運転可能です。
高効率
定格1700Vの⾼圧IGBTの採⽤により、⾼効率可変速ドライブシステムを実現しています。
高力率
単相出力のPWMインバーインバータ(セルインバータ)を直列多段接続で構成し、位相制御をしていないため高力率での運転が可能です。力率改善コンデンサも不要です。
多言語表示に対応(オプション)
日本語の他、9ヶ国語に対応した5.7インチカラーグラフィックタッチパネル式の操作も対応可能です。
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電圧変動に強い
- 短時間の電源電圧低下、もしくは短時間の停電が発生しても定格電圧を出力し続けます(瞬停ノンストップ運転)。復電後、瞬時にトルク出力が可能です。
- 瞬時ノンストップ運転の限界時間を超えても、停電再起動の選択も可能です。
瞬停ノンストップ制御
瞬停ノンストップ運転、停電再起動の設定可能最大時間
項目 | 標準 | オプション |
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瞬停ノンストップ運転 | 0.3秒 | 3秒 (高イナーシャのモータ負荷に限ります) |
瞬停再起動 | 2秒 | 6秒 (6秒を超える場合、外部からの無停電電源装置による電源供給が必要です) |
メンテナンス・ランニングコストの削減
主回路の平滑コンデンサに、長寿命のフィルムコンデンサを採用。
一般的に主回路平滑コンデンサには電解コンデンサが使用されています。この電解コンデンサは有寿命品であり、定期的に交換する必要があるため、メンテナンス・ランニングコストの上昇につながります。これに対し、TMdrive-MVG2シリーズでは、長寿命のフィルムコンデンサを採用し、メンテナンス・ランニングコストの大幅な削減が可能となりました。