窒素除去曝気風量制御システム

下水処理においては、省エネルギー化と放流水質向上(窒素濃度・リン濃度削減)は一般的にトレードオフの関係にあります。すなわち、水質を良くするためには電気エネルギーがより多く必要となり、省エネルギーを図ろうとすると水質が悪化するおそれがあります。東芝は、このトレードオフ関係にある省エネルギーと放流水質向上の両立を目指した省エネルギー型の曝気風量制御システムを開発しました。

概要

下水処理場において、曝気に要する電気代は下水処理場全体の約3割から6割を占め、省エネルギー化、温室効果ガス抑制に寄与する制御技術が求められています。一方、閉鎖性水域での富栄養化防止のため、下水処理場から排出される処理水の窒素やリンを効率的に除去する制御技術も求められています。東芝の「窒素除去曝気風量制御システム」は、窒素を効率的に除去しつつ省エネルギー化に貢献します。

ポイント

  • アンモニア性窒素濃度(NH4-N)計と溶存酸素濃度(DO)計のオンライン計測値を元に、東芝独自の制御目標曲線に従い曝気風量を制御することにより、適切な風量で窒素除去を実現します。曝気風量の低減が動力の低減に繋がる送風機が設置されている場合は、本制御システム導入により大幅な電力削減、ランニングコストの削減が期待できます。
  • 高度処理(嫌気無酸素好気法)プロセスに適用可能な制御システムですが、嫌気好気活性汚泥法や疑似嫌気好気活性汚泥法などについてはお問い合わせ下さい。
  • 実証実験において、DO一定制御と比較した場合、反応槽の曝気風量を約10%削減した実例があります。

構築例

構築例のイメージ