雨水排水システム

概要

近年、ゲリラ豪雨と呼ばれる予測が困難な巨大な積乱雲の発生に伴う、突発的で局所的な豪雨による都市型水害が増加しています。5分、10分の間に豪雨が集中することにより、ポンプ場への雨水流入を急激にし、結果として雨水排水ポンプ運転のタイミングを難しくしてしまうことになります。東芝は、レーダ雨量計と地上雨量計で観測した降雨情報を組み合わせて突発的な集中豪雨を把握し、ポンプ場への雨水流入量をリアルタイムに予測することで、適切なポンプ運転を支援します。

雨水排水システムのイメージ

ポイント

レーダ雨量計、地上雨量計で観測した降雨情報を用いて、以下のような雨水排水対策をご提供することが可能です。

  • 下水処理施設への降雨情報の提供(国土交通省MPレーダ情報、レーダ雨量計、フェーズドアレイレーダ、地上雨量計)
  • 下水処理施設への雨水流入量予測(雨水流入量予測技術)
  • 予測流入量に見合った雨水ポンプの運転支援機能(リアルタイムコントロール、雨水ポンプ自動制御システム、雨水ポンプ運転支援システム、合流改善、浸水対策)
  • 運転操作員の人員配備支援(人員配備支援システム)
  • 下水氾濫などの被害が予想される場合における市民への通報・誘導

導入による効果

  • 浸水防除による物的被害、人的被害の軽減
  • 土のう、止水板の設置、人員配備等の事前対策が可能

構築例

雨水排水システムの例として、降雨情報を用いたリアルタイム制御による雨水ポンプ制御システムをご紹介します。

システム構成機器(例)

  • ・ コントローラ ... 流入予測、補正、リアルタイム制御を行います。
  • ・ レーダ雨量計 ... レーダを用いて、降雨量を測定します。
  • ・ 地上雨量計  ... 地上に設置し、降雨量を測定します。

この例では、予測流入量に適した雨水ポンプの起動・停止水位設定値を変化させることにより、合流改善、浸水対策を行います。

合流改善

小雨(降り始め)のとき、ポンプ起動水位の設定値を高めに設定し、ポンプ起動を遅らせ、管内貯留を行います。

浸水対策

大雨のとき、ポンプ起動水位の設定値を低めに設定し、ポンプ起動を早め、水位上昇を抑制します。

浸水対策のイメージ