下水汚泥燃料化システム
下水汚泥燃料化システム
概要
下水汚泥は、安定した入手が見込め、性状が安定しているバイオマス資源として、その活用に大きな期待が寄せられています。
東芝の下水汚泥燃料化システムは熱分解技術により汚泥を炭に変え、燃料として活用するシステムです。
環境負荷の小さい汚泥処理と汚泥の持つエネルギーの活用を両立します。
ポイント
無臭で取り扱いやすい炭化物を効率的に生成
- 燃料化には様々な方式がありますが、炭化処理は固形燃料化するため、運搬・貯蔵性に優れ、取り扱いが非常に簡単。しかも処理に伴うエネルギー収支が良好で、下水処理コストの大幅な低減が図れるというメリットがあります。
- 汚泥炭化処理では、炭化温度によって処理工程や生成物の質に違いが出ます。東芝は中温炭化方式を採用。投入エネルギーを少なく抑えながら、臭いがなく良質な炭化物を生成することができます。
- 炭化物の形状は1~5mmの粒状。用途に合わせ、ペレット化することもできます。
- 炭化物の生成に伴い発生する熱分解ガスは高温度(900℃程度)で燃焼することによりN2O(二酸化炭素に比べ約300倍の温室効果)の発生を抑制します。
構築例
下水処理施設から発生する脱水汚泥は、乾燥プロセスにおいて加熱されて乾燥汚泥となった後、炭化炉にて炉内温度約400~600℃の低酸素雰囲気下で炭化されて炭化物となります。このとき、炭化炉内では同時に熱分解ガス(乾留ガス)が発生します。
熱分解ガスは、再燃焼炉で高温で燃焼されて、炭化および乾燥処理の熱源として利用され、排ガス性状に応じた排ガス処理を経て排出されます。なお、再燃焼炉での燃焼は、熱分解ガスの無害化安定化とともに、乾燥設備から排出される臭気を伴った乾燥排ガスの燃焼脱臭の機能を兼ね備えます。
実績
埼玉県荒川右岸流域下水道終末処理場(処理規模 100t/日×2系統)