[第16回]自分にとっての働き方改革とは
2018.10.22
前回の拙稿では、「人生の限られた時間の中で、仕事をしている時間は一番長いはず。では、その仕事をどうしたら楽しめるのか」について、拙い体験を通して考えてみた。
今回は、あらゆる場面で取り上げられている「働き方改革」について、考えてみたいと思う。この「働き方改革」の議論は、効率的な働き方や働く時間短縮などに光があたっているように見受けられるが、ここでは自分視点で「自分にとっての働き方改革とは」「自分にとっての理想の働き方とは」について触れてみたいと思う。
仕事は生きがいですか?
「ワーク・ライフ・バランス」などの言葉に代表されるように、仕事と人生は別物とのとらえ方がある一方で、仕事と人生の間に境界線を引かない考え方もあるだろう。仕事が生きがいという方にとってみると、仕事は人生とイコールかも知れない。皆さんは、どうお考えだろうか。
私自身ふり返ってみると、人材開発部門へ異動してからだけをとってみても「人間力を磨く」を始めとした人材育成の仕事は、仕事を通して出会った人たちからパワーをいただき、仕事なのか、人生のテーマなのか境界線がないように感じながら、水を得た魚のように仕事をしていた。また、この人はと思う人間力の講師を求めて、休みの日に自費で青森まで出かけたり、講演会に馳せ参じたりしていた。
しかしながら、人生100年時代を見据えると会社を定年してから40年ある。そう考えると自分にとって、仕事が主たる生きがいになっている期間は良いが定年を迎えてからはそうもいかない。やはり、ここはひとつ、自分にとって、「仕事とは」を考える機会ではないだろうか。
自分にとっての働き方改革とは
私の持論だが、与えられた仕組みや課題では、社員の本当の意識改革は進まない。一人ひとりが、自分の働き方を見つめて、問題意識、当事者意識をもたねば、結局言われたことだけやればよい人を増やしてしまうことになりかねない。
働き方改革で求められるのは、自分で、自分の限られた時間をどうように使うのかを、より真剣に考えることではないだろうか。自分磨き、自分への投資、体力つくり、人脈つくり、家族との時間、地域貢献・・・。働き方改革は仕組みの改革以上に働く本人の意識改革からとの持論は、このような観点からだ。
話は少し変わるが、最近「在宅勤務」を始めて、気づいたことがある。
片道2時間余りの通勤時間が無くなり、体力を擦り減らすこともなく限られた時間の有効活用の面でも、大いに有用である。仕事を終えれば、頭を切り替えて自己研鑽の時間に充てることができる点でも、これまで経験したことのない充実感を与えてくれた。自分で、自分の時間をどのように使うのかを、より真剣に考えさせてくれる機会となった。
そこで考えたことは、問題意識をなかなか持てない場合には、環境の変化を求め、今までの型を破るために、このような新しい場に自分を置いてみるのも一つかも知れないということだ。変化に対応することで、新しい力、新しい自分に気づくかも知れないからだ。
まだまだ、自分が発揮していない潜在能力を求めて。
東芝デジタルソリューションズ株式会社
インダストリアルソリューション事業部 HRMソリューション部
真野 広
※記事に掲載の、社名、部署名、役職名などは、2018年10月時点のものです。
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